自分を攻撃、抑える物質 リウマチ治療に応用も



  免疫機能が自分の細胞を異物と認識して攻撃するのを抑える働きがある物質をマウス実験で発見したと、筑波大や東北大、大阪大などの研究チームが6日、発表した。

  この働きを強める薬を開発できれば、関節リウマチなどの自己免疫疾患や、アレルギー疾患の治療に役立つ可能性がある。筑波大の渋谷彰(しぶや・あきら)教授は「本来の免疫機能には外敵をやっつけるプラスの働きもある。創薬にあたっては、正常な免疫機能をじゃましない工夫が必要だ」と話している。

  研究チームは、体内に入った異物を食べるマクロファージと呼ばれる免疫細胞を、MAIR2という物質が活性化するのに着目。リンパ球の表面で、これにDAP12という別の物質がくっついて働くことで、自分の細胞への免疫反応を引き起こす「自己抗体」が必要以上につくられるのを抑えることを確かめた。

  生まれつき二つの物質をつくれないマウスでは、自己抗体が通常のマウスより多くつくられていた。チームはこれらの物質の異常が原因で起きる病気の解明にも役立つとみている。



2011.07.07 提供:共同通信社