ココロとカラダの健康セミナー 講師 窪山 佐和子 様

清水・阿久津・市戸

 私達のカラダは食べ物で出来ている。
好きな時に好きなだけ、好きなものを食べられるという時代に、何を選んで食べれば良いのか。
ココロ(脳)とカラダ(胃腸)が健康であることが重要である。

1.酵素について
体内酵素の生産量が激減した時に死が訪れる。→40を過ぎると激減するが、代謝酵素は細胞内で重要な役割をして細胞の健康を保っている。
少なくなると細胞が弱り、代謝が止まると、死ぬ。
栄養素を分解し、吸収できるようにするのが(消化酵素)
これら酵素を使いきった時に代謝できなくなり、死を迎える。
お腹がいっぱいになると、消化酵素がたくさん使われ、胃腸が疲れる。
食べ過ぎてはダメ。腹8分目が大切です。
腹8分目にしてあまり消化酵素を使わないようにしたほうがいい。

酵素とは、生命維持に欠かせないたんぱく質です。呼吸や消化、手足の運動も酵素があってこそ。私達は、酵素なしでは一瞬たりとも生きられないのです。ダイエットに欠かせない脂肪燃焼や新陳代謝も、酵素がなければ成り立ちません。 もともと体内にある酵素ですが、加齢で失われるので代謝力が下り、食事で取り入れる事はできますが、熱に弱く、食材からしか取れない性質があり、意識しないと酵素不足に陥ってしまいます。

酵素の活動=代謝の促進
体内にある酵素は、潜在酵素といって、食べ物の消化に携わる消化酵素と、細胞の代謝や老廃物の排出などに携わる代謝酵素に分けられます。
しかし、これらは消化酵素を使いすぎると、代謝酵素が消化活動にまわってしまうという関係にあります。酵素ゼロの食事や、消化に負担のかかる食事ばかりしていると、ダイエットに肝心な代謝酵素が機能せず、脂肪が蓄積してしまいます。
食べ過ぎたり、腸の能力がダウンしたりすると、食べ物の消化作業が困難になります。
すると、老廃物の排出や新陳代謝のために働いていた代謝酵素が消化酵素として働き、老廃物や脂肪が蓄積し、太りやすい体質になってしまいます。
食べ過ぎやジャンクフードの摂取も良くないですし、夜更かし、冷え性、ストレス過多などに対応するためにも酵素は使われてしまいます。
逆に代謝活動が活発に働けば、脂肪がどんどん燃えるのです。
体内の酵素をムダ使いせず、生のものから酵素をたっぷりと取る食事にチェンジしていくことが大切です。

ファスティング(断食)とは、食事をしない・・ということではなく、
消化酵素の使用を控えてゼロにし、普段消化酵素で使用している分を代謝酵素にまわすことである。
そうすることで、代謝が促進され、脂肪にたまった毒素を取り除き、宿便もでるので、腸の浄化につながりお肌がキレイになる。また、血液浄化、免疫力の回復、肝臓の浄化、活力の回復、脂肪燃焼、味覚の正常化、明瞭な思考能力の向上等、ファスティングは得られる事がとても多い。

2.摂って良い油と悪い油
脳の細胞膜は脂肪量が多く出来ていて、体脂肪の60%を占める。
油の良し悪しは、脳に影響を与える。
良い油を積極的に摂取するように心がける。

【良い油】身体の細胞膜での代謝活性を正常化してくれる。
有機亜麻仁油 光に弱く酸化しやすい性質なので黒いビンに入っているもの。
40度以上に加熱してはダメ
オメガ3 系脂肪酸。
血管を柔らかくする。体内炎症を抑制して細胞代謝を正常化する。
戦後50年、現代はオメガ6系の油、脂が90%以上の摂取になり脂肪細胞が太り、その細胞から炎症性物質が体内に出て、体内炎症が広がっている。このバランスを替える。オメガ3を増やす。
血管を硬くするアゲ物油と1:1で取る。
取りすぎも良くない。バランスが大切、無理をしない程度に。

血管拡張作用もあり血のめぐりが良くなる。
EPA  30cm以下の青魚に多く含まれる成分。

ただ、近年はカドニウム・水銀などの問題もあって、食連鎖の頂点にある大きな30センチ以上の魚食に不安がある状態。 魚からのみ上記成分を摂取することは難しい。

炒め物にはオリーブ油(黒いビンに入っているもの)
オリーブ油(オレイン酸)を使う。
コーン油(リノール油も良くないオメガ6。

α―リノレン酸は違う身体に良い。オメガ3です。

【悪い油】
トランス脂肪酸という精製加工油脂である。
マーガリン・ショートニング
プラスチックと同じ分子構造をもつ油。消化酵素が分解しない。
細胞に蓄積されるので、体に負荷をかける。
また、バターとマーガリンをお皿の上にのせて放っておくと、バターはすぐにハエやアリが群がるのに対して、マーガリンは3年経っても何も変化なしという結果です。
このようなものを体の中に取り入れる事は絶対にしない方がいいです。

ビスケット、ファストフード、ポテトフライなどに含まれている。ショートニングはサクサクしているものに含まれている。あげ物、あげ菓子、サクサクしているものは毒。
取るとダルイ、すっきりしない。
また、小麦に含まれるグルテンという粘りを出す成分が反応することで、さらに細胞毒として働く。
胃腸のアレルギー反応を起こす。食べると、体調が弱る。
サンドイッチ マーガリンではなく、オリーブオイルが良い。
リノール油は良くない。

韓国やアメリカでは、食べ物のパッケージに、トランス脂肪酸の含有可否・含有量が表示がされており、トランス脂肪酸を含まない食品を選択して購入できるようになっている。
しかし、日本では食品の安全性について対応が遅れていて、トランス脂肪酸の含有表示はされてない。
日本の対応は遅れている。物を買う時は何が入っているか、注意する癖をつけた方がいいです。たとえばトランス脂肪でできているショートニンクを含むサクサクしたもの、クッキーやパンなどに多く含まれていますが、これらも体に良くないので、なるべく避けた方がいいです。

例)0g trans oil Notrans
トランス脂肪酸をたくさんとると、血液中のLDL(悪玉)コレステロール濃度が上昇し、HDL(善玉)コレステロール濃度は減少するため、冠動脈性心疾患の発症リスクが高まると言われています(※1)。日本での平均的なトランス脂肪酸摂取量は、諸外国に比べて少なく特別な基準ももうけられていません(※2)。しかし、ミスタードーナツはいち早くこの課題に取り組み、2007年12月から全店でトランス脂肪酸値を大幅に抑えたオイルを採用しています。

トランス脂肪酸の低減方法として、オイルのほかに「ミックス粉」「コーティング素材」といった原材料についても研究・開発を重ねました。その結果、ドーナツ1個当たり平均1〜1.5g含まれていたトランス脂肪酸を、平均約0.25gまで低減させることに成功(※3)。研究・開発にあたっては、これまでお客さまに愛されてきたミスタードーナツの「味」「食感」「風味」を維持することにこだわりました。

諸外国でも油脂の摂取に関しては注意喚起が行われています。これまでは特に飽和脂肪酸のとりすぎについて注意が行われてきましたが、近年ではこれに加えて健康に悪影響を及ぼす可能性があるトランス脂肪酸のとりすぎについても注意が行われている場合があります。一部の国や海外の都市では、飽和脂肪酸及びトランス脂肪酸について、加工食品の栄養表示項目への追加や、トランス脂肪酸の食品中の含有量の上限値の設定等が行われています。

油脂や脂肪酸ってどんなもの?
 
油脂や脂肪酸ってどんなもの?あぶらには、常温で液体のあぶら(油)と固体のあぶら(脂)があります。これをまとめて、油脂(ゆし)と呼んでいます。この油脂は、脂肪酸グリセリンという分子からできています。この油脂や脂肪酸、グリセリン、コレステロールなどをあわせて脂質と呼んでいます。
脂肪酸は、炭素(C)の原子が鎖状につながった分子で、その鎖の一端に酸の性質を示すカルボキシル基(-COOH)と呼ばれる構造を持っているのが特徴です。脂肪酸は人間のからだの細胞を作るために必要なので、食品を通してバランスよくとる必要があります。また、エネルギー源としても使われます。
油脂や脂肪酸ってどんなもの?脂肪酸には、鎖の長さや炭素の二重結合の数と位置によってたくさんの種類があり、炭素の二重結合がない飽和脂肪酸炭素の二重結合がある不飽和脂肪酸の2種類があります。
・グリセリンは脂肪酸のカルボキシル基と結合することができる手を3本持っていて、グリセリンに脂肪酸が3個つながったものは「トリアシルグリセロール(またはトリグリセリド)」と呼ばれています。私たちが普段食べている油脂の成分の多くはこのトリアシルグリセロールです。エネルギー源として使われる脂肪酸は、私たちの体内でトリアシルグリセロールとして蓄えられています。健康診断の項目にある血液中の「中性脂肪」とは、このトリアシルグリセロールを測定したものです。

トランス脂肪酸ってなんだろう?
 
不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。
トランス脂肪酸ってなんだろう?シスcis)とは、“同じ側の、こちら側に”という意味で、脂肪酸の場合には水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんで同じ側についていること表しています。トランスtrans)とは、“横切って、かなたに”という意味で、脂肪酸の場合では水素原子が炭素の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についていることを表しています。
・天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素の二重結合がすべてシスcis)型です。これに対して、トランスtransの二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸trans-fatty acid)」と呼んでいます。

食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれているの?
 
トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。

・天然にできるもの
天然にできるもの天然の不飽和脂肪酸はふつうシス型で存在します。しかし、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に天然に微量のトランス脂肪酸が含まれています。

・油脂の加工・精製でできるもの
油脂の加工・精製でできるもの常温で液体の植物油や魚油のから半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つである「水素添加」によってトランス脂肪酸が生成する場合があります。
 
水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれています。
また、植物から油を絞る際には、精製する工程で好ましくない臭いを取り除くために高温で処理を行います。この際に、植物に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができるため、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸にはどんな種類があるの?
 
不飽和脂肪酸には、鎖の長さや二重結合の数と位置によってとてもたくさんの種類があります。トランス脂肪酸も同じで、「トランス脂肪酸」という名の脂肪酸が一種類だけあるのではなく、トランス型の二重結合を持つたくさんの種類の不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸と呼んでいます。
・例えば、食品に含まれる主なシス型の不飽和脂肪酸と鎖の長さが同じで、かつ、炭素の二重結合の数と位置が同じトランス脂肪酸の数は次の表のようになります。

シス型不飽和脂肪酸の
名称と構造式
炭素の
炭素の
二重
結合数
対応する
トランス
脂肪酸の数
オレイン酸
オレイン酸
18 1 1
リノール酸
リノール酸
18 2 3
α-リノレン酸
α-リノレン酸
18 3 7
γ-リノレン酸
γ-リノレン酸
18 3 7
アラキドン酸
アラキドン酸
20 4 15
イコサペンタエン酸(EPA)
イコサペンタエン酸(EPA)
20 5 31
ドコサヘキサエン酸(DHA)
ドコサヘキサエン酸(DHA)
22 6 63

※リノール酸、α‐リノレン酸は、どの文献でも、食事から摂取しなければいけない必須脂肪酸とされています。

トランス脂肪酸と呼ばれるものは、主なものだけでも多くの種類があることがわかります。現時点では、食品に含まれているすべてのトランス脂肪酸の量を精確に測定できる方法は確立されていません。そのため、食品に含まれているトランス脂肪酸の表示をしなければいけない国では、測定が可能なトランス脂肪酸、または主要なトランス脂肪酸の合計量を表示すればいいことにしています。

トランス脂肪酸が体に悪いって本当?
 
脂質は三大栄養素の一つであり、食品からとる量が少なすぎると健康リスクを高めることがあります。一方で、脂質は炭水化物(でんぷんや糖類)、たんぱく質に比べて、同じ量当たりのエネルギーが大きいため、とりすぎた場合は肥満などによる生活習慣病のリスクを高めることも知られています。そのため、飽和脂肪酸やある種の不飽和脂肪酸には、食品からとる際の目安量や目標量が定められています。
トランス脂肪酸が体に悪いって本当?トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。具体的には、トランス脂肪酸をとる量が多いと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えて、一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減ることが報告されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高めることが示されています。
・トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、トランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません。
・油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類があるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては、十分な証拠がありません。

トランス脂肪酸の目安量はどのくらい?
 
・国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)は、食品からとる総脂肪、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の目標値を2003年に公表しました。
・その中で、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。日本人の場合は、一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します。

脂質や食塩のとりすぎにも気をつけて!
 

トランス脂肪酸を日常生活でとりすぎた場合には生活習慣病になる可能性が高くなりますが、食品に含まれている栄養素には、同じようにとりすぎによって健康に悪影響を及ぼすものがあります。
脂質や食塩のとりすぎにも気をつけて!・日本人において、一番の問題と考えられているのは、食塩のとりすぎです。厚生労働省の調査では、日本人の男性で約6割、女性で約7割が目標量(成人男性10グラム未満、成人女性8グラム未満)を超えていることが示されています。食塩をとりすぎると高血圧やがん、脳卒中のリスクが高くなることが示されており、減塩はこれらの生活習慣病の予防に有効であると考えられています。
・人間はエネルギーを脂質、炭水化物、たんぱく質からとっています。総エネルギーのうち、脂質から得られるエネルギーの割合は「脂肪エネルギー比率」と呼ばれています。この脂肪エネルギー比率が高くなると、肥満やメタボリックシンドローム、心臓病のリスクが高くなるとされています。脂肪エネルギー比率が高いと、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸もとりすぎている可能性があります。厚生労働省の調査では、日本人の男性の約2割、女性で約3割が目標量の範囲を超えて脂質を摂取していることが示されており、この脂質をとりすぎている人の割合がだんだん増えていることが報告されています。
・トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸などを含めた脂質のとりすぎ、食塩のとりすぎにも十分に注意してください。

日本では何をしているの?
 
・農林水産省が実施した調査研究(2008年)から、日本人が、一人一日当たり食べているトランス脂肪酸の平均的な量は0.92〜0.96グラムと推定されます。これは平均総エネルギー摂取量の0.44〜0.47%に相当します。 食品安全委員会は、2007年にトランス脂肪酸に関するファクトシート[外部リンク](PDF:247KB)を公表しており、その中でも日本のトランス脂肪酸の摂取量は平均総エネルギー摂取量の0.3〜0.6%と見積もられると報告しました。
・日本人でも食事からとる脂質の量が多い場合には、トランス脂肪酸をとる量も多くなることが報告されています。そのため、食塩や脂質を控えめにし、いろいろな食品をバランスよく食べるという食生活指針の基本を守れば、トランス脂肪酸によって心臓病のリスクが高まる可能性は低いと推定されます。 健やかな食生活を送るためには、トランス脂肪酸という食品中の一成分だけに着目するのではなく、現状において日本人がとりすぎの傾向にあり、生活習慣病のリスクを高めることが指摘されている脂質そのものや塩分を控えることを優先すべきと考えています。
・最近では、日本でも食品事業者による自主的な努力によって、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されています。天然にあるトランス脂肪酸を減らすのは難しいと考えられていますが、油脂の加工でできるトランス脂肪酸は新たな技術を利用することで低減することができます。食品事業者は、食品に含まれている油脂の加工由来のトランス脂肪酸をできるだけ減らすとともに、同時に飽和脂肪酸についても減らしていくことが望まれます。
・現時点では、日本において食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。また、トランス脂肪酸だけではなく、不飽和脂肪酸飽和脂肪酸コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値はありません。
・厚生労働省が、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的に定めている「日本人の食事摂取基準」では、脂質に関しては、総脂質飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸コレステロールについて目標量や目安量の基準を定めています。トランス脂肪酸については、「摂取すべき範囲として表すことが困難」として、目標量の基準は定められていません。

外国ではどんなことをしているの?
 
・生活習慣病の予防のため、先進国の多くは飽和脂肪酸トランス脂肪酸などを含めた脂質の取りすぎについて注意喚起を行っており、バランスのとれた健康的な食生活を推奨しています。
・トランス脂肪酸をとる量が多く、生活習慣病が社会問題となっている国では、加工食品に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などの含有量の表示の義務づけや、食用油脂に含まれるトランス脂肪酸の上限値の設定をしているところがあります。
例えば、米国では、加工食品の栄養表示において、脂質に関しては、総脂肪、飽和脂肪酸、コレステロール、トランス脂肪酸の4種類の含有量の表示を義務づけています。
・トランス脂肪酸には多くの種類があって、そのすべての合計量を測定するのは難しいため、国によって表示すべきトランス脂肪酸や規制の対象とするトランス脂肪酸の範囲を指定しています。

例えば、
米国では、多くの食品に適用できる分析法を指定(AOAC Official Method 996.06)し、この分析法で測定したトランス脂肪酸の総量をまとめて表示するよう定めています。

デンマークでは油脂の加工でできる炭素の数が14から22までのトランス脂肪酸を規制の対象としており、天然にできるものは除いています。

・トランス脂肪酸の摂取量が少ない国々では、トランス脂肪酸について表示の義務づけや、上限値の設定は行わずに、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の総量を自主的に低減するように事業者に求めています。
アメリカでは2006年から、一食あたり0.5g以上のトランス脂肪酸をふくむ加工食品等に関して、 トランス脂肪酸量を表示することを義務付けました。
●カナダでは2003年より栄養ラベルへの表示が始まり、2005年に表示を義務化しています。
●デンマークでは2004年より、食品中のトランス脂肪酸の量を全脂質の2%までとする 罰則規定のある行政命令を施行しました。

海外の大手ファーストフード店では、トランス脂肪酸の含有量を大幅に減らしたり、揚げる際の高熱で発生したトランス脂肪酸の増加に関しても管理するなど、進んだ対応がなされています。
しかし日本では、トランス脂肪酸に関する表示義務や規定は全くありません。

海外ではトランス脂肪酸を規制管理しているファーストフード店と同じチェーンが、日本では規制管理せずに営業しているところがほとんどです。 日本では対応が遅れている「危険な油」トランス脂肪酸、いったい何が危険なのでしょうか。

トランス脂肪酸とは、実や種子に含まれる脂肪分や、それを自然な形で低温圧搾した植物油にはほとんど含まれていません。 常温で液状の植物油に水素を添加すると、固まって(硬化して)、マーガリンやショートニングなどに加工できます。 水素を添加して油を硬化させる際に、トランス脂肪酸が発生します。また、もともとトランス脂肪酸が含まれていない油でも、高温で油を精製する際や、炒め物や揚げ物で高温になった際に、トランス脂肪酸が発生します。

トランス脂肪酸を多く摂取すると、悪玉コレステロールを増加させ心臓疾患のリスクを高めること、認知機能の低下に関連があることが指摘され、海外では使用規制が進んでいるのです。

簡単に見分ける方法としては、植物油を材料として水素添加して作られたマーガリンやショートニングを避けること、高温圧搾法や溶媒抽出法で搾った油を避けること、があります。 <br>
高温圧搾法や溶媒抽出法で搾られた油には、わざわざその表記はありませんが、低温圧搾法で搾られた油にはその表記があることが多いので、表記に注意して購入するとよいでしょう。

【よい食べ物】
オメガ3 30cm以内の青魚
まぐろは大きいので、水銀、カドニウムが多く含まれている。
あまり良くない。
亜麻仁油 大さじ1〜2はい(40度より低く)
便秘が良くなる。
納豆・豆腐


現代人の脂質バランスを整える、安心・安全なサプリメント!
ESSENTIAL SOURCE OMEGA-3 (オメガ3系脂肪酸)
        
ESSENTIAL SOURCE OMEGA-3オメガ3とは...
人体の基本調整物質や細胞膜を作る材料になる不飽和脂肪酸, 体温の低い魚類に含まれ、人間の身体の中では固まらない油 (牛肉 豚肉は人体の中で油が固まってしまう飽和脂肪酸)

EPA,DHAの働き (オメガ3系の中で 特に重要)
脳や心臓の健康に関与___生活習慣病の予防(ガン、心臓病、脳卒中、糖尿病、他)
アレルギー疾患の改善、細胞膜をやわらかくするので、美肌を作る作用や脳の活性化に関与__悪玉コレストロールを減らし、善玉コレストロールを増やす働き___消炎効果(関節の痛み、ガンなど)

オメガ3とオメガ6は1:1が理想のバランス
現代人は 1:30〜40が実情 このアンバランスが身体の中で混乱をひきおこす原因:オメガ6(とうもろこし、穀物等)の過剰摂取。
  家畜の飼料にトウモロコシなどが多用されるので、牛肉、乳製品は過剰にオメガ6を含有。特に米国産の食品の多くにコーンシロップやコーンオイルが多用されている。 
  コーンオイルをスプーン1杯作るのにトウモロコシを100本使う。 コーンオイルには、大量のオメガ6が含まれ、ビタミン、ミネラルはほとんどない。

できれば食べ物から摂りたいけれど...
オメガ3は、体内で作れないので外からの摂取が絶対に必要、植物性のナッツなどに含まれるオメガ3は、体に入ってから変換プロセスされないと吸収できない。魚に含まれるEPAやDHAは直接効率よく吸収される。養殖魚は餌に大量のオメガ6が入っているので、それが魚肉に残留している。天然魚は汚染された海や川で育つので、水銀やダイオキシン等の有害金属の心配がある。つまり、魚を食べるだけで十分で安全なオメガ3の摂取はむずかしい。

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*経済的で効率よく 安全に最高品質のオメガ3を摂取できる
*環境を汚さないことを重視した特別な処理方法で製造。
*フィルターを2回通し、不純物を徹底的に除去している。
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  ・ GMP=GOOD MANUFACTURING PRACTICES  
  医薬品製造に適応される高レベルの適正製造規格のこと。

*さわやかなレモンフレーバーで魚の味や匂いがない。

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脂肪酸のいろいろ

3.粗食が何故よいのか
食べ過ぎは→消化酵素が大量に消費する 疲れる→寿命がはやく終わる
(粗食)
品数:ごはん、納豆、青魚、サラダ
腹八分目で食べる

江戸時代は1日2食だった。
トーストを売るために、朝はパン という宣伝をした。
空腹になった時は、脳のブドウ糖がなくなっているので、フルーツをとればOK
バランス良く、ちょくちょく取る。
消化酵素が使われると疲れるので、腹8分目にする。

玄米 皮がかぶっている。無農薬玄米。
添加物、防腐剤 含まれていないもの。

消化酵素が使われると疲れるので、腹8分目にする。

サーチュイン遺伝子→長生き遺伝子 offのまま亡くなる。
Onにするためには、粗食にする。
腹8分目 脳の活性化
老化細胞からonにしてくれる。若返る。ストップ→125歳まで生きられる。
休みの日は食事を軽めに。

粗食 → 食べ過ぎた翌日は酵素ジュースのみにしてプチ断食をする。

放射性物質を浴びた場合、

日本の醗酵食品が良い。玄米・みそ汁など、生存率が高い。
ビタミン、ミネラルを含む食品を体にいれておくと、放射性物質が体に入りにくい。

玄米 皮がかぶっている。無農薬玄米。
添加物、防腐剤 含まれていないもの。

4.究極のデトックス「ファスティング」

ファスティング合宿、道場
五感が冴える
不妊症が治る
デトックス、腸の浄化、免疫力回復、血液浄化、肝臓の浄化、味覚の正常化、肺の浄化、活力回復、細胞レベルからリセットできて、代謝酵素を高めるのがファスティング。
体重が落ちる。肌がきれいになる。便秘が治る。
がまんして、ストレスをためるより、食べたほうが良い。

牛乳・・ 牛の乳 牛は何を食べているかわからないので、あまり良くない。
ラクターゼ(牛乳の分解酵素) 日本人の身体は3歳までしかない。変わりに豆乳を飲む。カルシウムばかり摂取していてもダメ。同じ量のマグネシウムやビタミンDをを取る。
肉類・・動物は体温が人間より高い。
そのため、ヒトが肉を消化するには、消化酵素を使うので、なるべく控える。

(ファスティング実践例)
ファスティングの開始前に準備期間1日もうけ、胃腸に負担のかからないものを食べる。消化の良い食事をする。1〜2日 粗食
ファスティング3日間 酵素ジュースのみで過ごす。
胃が小さくなる。
終了後に回復期間3日もうけ、ゆっくりといつもの食生活に戻すようにする。
その後もすぐに食事をせずにおかゆなど、柔らかいもの、くだいたもの。
一気に消化酵素が使われてしまうので。

腹8分目 脳の活性化
老化細胞からonにしてくれる。若返る。ストップ→125歳まで生きられる。
休みの日は食事を軽めに。

(酵素関連ダイエット)
・腸ダイエット・・・食物繊維たっぷりの食事で腸内環境を整え、腸をマッサージして本来持の消化、吸収力をサポート。
・マクロビオティック・・・雑穀や玄米を主食に、野菜や豆腐、海藻類、発酵食品を摂取する。
・ローフードダイエット・・・果物、野菜、スプラウトなどを加熱せずとることで、食物内の酵素やビタミン類を効率よく吸収。免疫力、代謝力がUPする。
・朝ジュースダイエット・・・朝、旬の野菜や果物を使った手作りジュースを飲む。むくみ解消、便秘解消、美肌になるなど美容効果絶大。
・プチ断食・・・胃腸を休めるために、水分と塩分で過ごしたり、酵素入りのファスティングジュースを活用し、腸内のリセットと代謝を高める。

※これらのダイエットのキーワードはすべて酵素です。食物から酵素をたっぷりとって、体内で酵素の活性化を高めるというものです。

5.まごわやさしい
ま  豆類
ご  ゴマ、ナッツ
わ  わかめ、海藻
や  野菜
さ  魚 特に30センチぐらいまでの青さかな
し  しいたけ きのこ類
い  イモ類


「ココロとカラダの健康セミナー」 迫田

「ココロとカラダの健康セミナー」 竹中

「ココロとカラダの健康セミナー」 山平

トランス脂肪酸使用減少 洋食に多く、心疾患の原因

2011年10月11日 提供:ココロとカラダの健康セミナー 講師 窪山 佐和子 様

「ブレイン オブ ファイヤー」
Dr.Sears講演Webinar 2011.8.22〜

Victor B.Heiserの書いたものからの引用ですが、
「人類に対する食物の効果に関する知識というものが非常に豊富になってくると、栄養素の価値ということがよくわかるようになってきて、そのことによって病気になるというハンディキャップを減らすことが出来ます。そして、生命を長くすることができ、また将来の仙人リーダーとなることが出来るのです。」ということを言っています。
食物が人間の体に及ぼす影響というものを、より深く知れば知るほど長生きができ、病気から解放され、そして社会改善の将来の仙人リーダーとして生きられるのですというようなことを言っています。
Dr.Searsはオメガ‐3関係について非常に豊富な知識をお持ちのドクター。ボストンの医科大学のドクターです。またMITのドクターでもあります。30年くらい脂肪についての研究をしてきたドクターであり、13件の特許を持っています。
また「ゾーン・ダイエット」という著書でも有名な方です。この本は200万部も売れ、NYタイムズではベストセラーになったこともあります。
最も新しい著書は「毒性のある脂肪」という本です。テレビなどでも取り上げられ、CBSとかCNN、ABCなど数多くのテレビに出演されています。

私のこれからの説明は、ある特別な人間の器官について、特に炎症についての話をしたいと思います。それは「脳」についてです。
脳に炎症が及ぼす影響というものがどのようなものかということで「The Brain on Fire」という題をつけました。「脳が火事である」。そんなテーマでお話しをしたいと思います。炎症との闘いというもの、いろいろな神経的な障害との関係についてお話します。
これからお話しすることをよく理解することによって、この火事を消すためにダイエット、つまり栄養素による解決策というものを皆さんにお話ししようと思っています。

火事を消すのが栄養素(サプリメント)なのです。

炎症ということの重要性というものが、社会の中でよくわかってきました。医療関係者の間でも、また一般の人の間でも同じような状況が起きてきました。
数年前のTIMEの表紙には 「THE SECRET KILLER」、「秘密の殺し屋」というテーマが掲載されました。炎症と心臓発作、がん、アルツハイマーとの驚くべきつながり、関係が示されました。これらのことに対して我々はどのように対処したらよいかというような特集が組まれました。
今の人間の健康問題にはいろいろな問題点があり、その多くが炎症に関係することがわかってきました。
慢性の病気というものの理由をよく考えてみると、その原因として炎症というものが存在しています。

炎症というのはいったいどういうことなのでしょうか。それを考えてみましょう。
古代のギリシャではこんなふうに言われていました。
身体の内部で起きている火事ということを考えてみて下さい。(Internal Fire)
古代のローマ人はこのように行っていました。炎症というものを次のように表現しました。

・Heat・・・・・熱
・Pain・・・・・痛み
・Swelling・・・腫れ
・Redness・・・赤くなる

これは現代でも多くの医師たちが炎症を表現する時に、このような表現を使っています。
従って、この2000年間ほどはこの炎症についての表現があまり変わっていないということが出来ます。
炎症とは何かということを考えてみると、複雑な相互作用みたいなものなのですね。炎症を促進する作用、炎症を抑えようとする作用は複雑で複合的な現象なのです。
炎症を上げようとすることと、抑えようとすることとは複雑な組み合わせなのです。それがバランスがとれている状態のことを「健康である」というのでしょう。

炎症が拡大することを止められない状況が続くことによって慢性病につながっていくということになります。
炎症というのは痛みと関係があります。炎症というのは非常にユニークなホルモンであるエイコサノイドというホルモンによって調整されています。それはどういうところでわかるかというと、いわゆる炎症を止める薬というものがたくさんありますが、典型的なものとしてはアスピリン、NSAID’S(ノンステロイド)、COX-2 inhibitors(コレステロール)、ステロイドなどがありますが、炎症を止めるということにおいては、エイコサノイドというホルモンを調整するという目的を持っています。それによって痛みを和らげるという作用です。

炎症反応を促進するというようなものの原因としては、次のようなものが考えられます。
1.細菌の侵入
2.ケガというのも強い炎症反応を引き起こします

3.食事
炎症には二つのタイプがあります。
1つは、本当に気が遠くなるほどの痛み、叫び声をあげるほどの痛みを伴うものです。
人間の持っている組織が痛い、関節が痛むなども1つの炎症です。こういうことが起きると炎症が起こっていることがすぐにわかります。
ところがもっとわかりにくい炎症(

2つ目は、Silent Pain)、痛みのない炎症のことで、これは細胞レベルでの炎症です。先ほどのTIMEの表紙に「SILENT KILLER」とありましたね。これに属するものです。
細胞レベルの炎症です。痛みがありません。
これは静かに徐々に組織を破壊していきます。何年もかけ、場合によっては十数年にわたってコンスタントに人間の体に傷害を与えていきます。これを我々は慢性病と呼んでいます。

細胞レベルの炎症というものについて話をする時に、
測定方法というものを考えるべきだと思います。そのためには血液中のマーカーが使われていました。8年ほど前に見つかった方法です。
High Sensitivity C-reactive protein という方法ですが、これはあまりいい方法とは言えませんでした。具体的ではないし、炎症によっては数値が変化してしまうこともあるのです。いいマーカーではありませんでした。
それに代わって我々が推薦しているマーカーは AA/EPA Ratio といって二つの脂肪酸の比率、AAとEPAという脂肪酸の比率を使うマーカーです。AAとはアラキドン酸のことです。AAは炎症反応を促進させるような(アラキドン酸由来の)エイコサノイドの産生を促進するもので、もう一つはEPAと呼ばれているものです。EPAは炎症反応を抑える(EPA由来の)エイコサノイドというホルモンを産生する脂肪酸です。
この二つの脂肪酸のバランスが皆さんの細胞の中のバランスを表わす脂肪酸ということになります。これが炎症反応を測定するために非常に良いマーカーとなっています。この比率が小さければ小さいほど細胞レベルでの炎症反応が少ないということになります。また比率が高ければ高いほど炎症反応が高く、慢性病になっている可能性が高いことを示しています。これはより詳細なマーカーであり、信頼性の高いマーカーとして使われています。
High Sensitivity C-reactive proteinというマーカーは炎症が起こってから数値が変化するという性質がありますが、こちらのマーカーは炎症が起きる前に変化を告げてくれるマーカーであるということが出来ます。

こういうもので炎症を測定するとして、
細胞レベルでの炎症と関係しているものにはどんな病気があるのでしょうか。
アメリカでは非常に大きな問題となっていますがObesity、肥満、それとU型糖尿病という病気があります。細胞レベルでの炎症の典型的なものです。
心臓病やがんと炎症との関わりについて。
今日は特に精神的な疾患について話したいと思います。
アルツハイマーやADHDについて特に力を入れて話したいと思います。またパーキンソンについてです。

世界でのAA/EPAの比率はどのようになっているでしょうか?
日本人・・・・1.5
アメリカ・・・15
とアメリカは日本の10倍になっています。
日本は世界でも長寿国であり、健康寿命も長く、うつ病の割合は世界で一番低く、コレステロールの比率はアメリカと同じですが心臓病が少ないです。AA/EPAの比率が低いということはこういうところにも表れています。
アメリカはAA/EPAの比率は日本の約10倍の15となっています。これは炎症がたくさん起きていることを示しています。従ってヘルスケアが必要になってきたということです。

小さい頃からの細胞の炎症反応は重大な問題を引き起こします。AA/EPAの比率を見てみると
このような数値になりました。
・うつ病・・・・20
・ADHD・・・25
・脳に障害が起きたことのある人・・・40

私は300人以上の人々を診てきましたが、このAA/EPAの比率はアメリカ人の将来の健康を占う指標になっていると思います。
では、何がこのような事態を引き起こしているのでしょうか?

それは食事です。
食事の何が問題なのでしょうか?これには単純な解決策というものはありません。原因となっているものを考えてみましょう。それには3つの要素があると思います。
@オメガ‐6脂肪酸の摂取が増えていること。
オメガ‐6脂肪酸はアラキドン酸(AA)を多く産生し、細胞の炎症が増えます。一般的に販売されている植物油、例えばトウモロコシや大豆、サフラワー、ひまわりなどを原料とする油です。アメリカの食事においては最も低価格でカロリー源になるからです。
Aさらに悪くしていることは白砂糖、精製したパン、白米がこれらはGI値が高くインスリンレベルを上げます。この二つのことによってアラキドン酸の生成を増やしていること。
Bそれらをオメガ‐6脂肪酸によって調理することによってさらに悪くしているのです。火に油を注ぐような状態になっています。

この状況を改善するためにはオメガ‐3脂肪酸を摂取することでEPA比率を上げることです。残念ながら、ここ100年の間オメガ‐6脂肪酸が95%を占めているような状態でした。
1日に125mgのEPAが必要なのです。
この長鎖脂肪酸EPAの摂取は極端に減ってしまいました。オメガ‐3脂肪酸の減少は言ってみれば原子炉の制御ができなくなりメルトダウンを起こした時と同じような状況なのです。
過去40年の間にオメガ‐6脂肪酸の摂取、白くなった炭水化物(白パン生地)の摂取、オメガ‐3脂肪酸の摂取の減少という3つのことが同時に起こっています。これが細胞の炎症を引き起こしているのです。40年前から始まり、今や世界中が同じような状況にあります。

細胞の炎症を増大させる通り道というのがあります。
オメガ‐6脂肪酸が代謝経路を通るのです。リノレン酸と言われるものですが。
1.
リノレン酸は<デサチュラーゼ:デルタ6>という酵素によってアラキドン酸に変換されま
すとインスリンが活発になりますが、
DHAによってそれが抑えられます。

例えば植物油+白くした炭水化物でインスリンレベルが上がり、AAへの変換が進みます。
植物油と炭水化物はアラキドン酸の前駆体と考えていただければいいと思います。
2.
<デサチュラーゼ:デルタ5>という酵素もアラキドン酸を生成するのですが、EPAも生成し、このEPAがエイコサノイドを産生し、またアラキドン酸の生成を抑制するのです。
アラキドン酸は割脂肪酸の代表のようなもので、細胞の中で炎症反応を起こすものです。
皆さん家が火事になった時にはどうしますか?日を消そうとしますね!そのために消防署に電話をし、消防車を呼びますよね。消防車が到着するとホースで水をかけ日を消してくれます。
この働きをしてくれるのが魚油なのです。現在起きている炎症を消してくれるのです。高濃度の魚油が大切です。かけつけた消防車は火を消してくれて、火事はおさまりました。でも家はどのような状態でしょうか?火は消えたけれども家はボロボロの状態になっていますね。この家を再構築しなければなりません。火事が再び起こらないように、つまり炎症が再び起きないようにしなければなりません。
私は抗炎症ダイエットというものを提唱しています。それが「ゾーンダイエット」です。
炭水化物:脂肪:タンパク質を 40:30:30 にするのです。
炎症が再び起きないようにするにはこの食事法と。そして魚油を摂り続けることが大切です



アラキドン酸

(Arachidonic acid)は、不飽和脂肪酸のひとつ。カルボン酸で、ω-6脂肪酸に分類される(20:4, n-6 と略される)。
細胞膜中のリン脂質(特にホスファチジルエタノールアミン・ホスファチジルクロリン・ホスファチジルイノシトール)として存在し、なかでもに多く含まれる。 アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。

アラキドン酸
はほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられている。アラキドン酸はリノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することができないか、あるいは全く生産する機能を持たない。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。主に肉、卵、魚、母乳などに含まれており、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。


脳の火事、炎症を止める、
二つの脂肪酸、アラキドン酸とEPAの形は殆ど同じ構造をしています。非常に似ているために酵素が同じように作用することがあります。ですからこのあたりをうまく利用して薬を作ります。アラキドン酸を抑える、つまり炎症を抑える薬の副作用は深刻です。心臓へのリスクが高くなり時には死にいたる場合もあります。アメリカでは毎年抗炎症薬の副作用で5万人もの人が亡くなっています。この数字はエイズで死亡する人の数を上回っています。
アラキドン酸には炎症反応を促進し、EPAにはそれを抑制するという作用があります。
EPAは炎症を起こすホルモンを抑える働きがある。
このことを昔から私達はわかっていました。しかし我々はそれをうまく使うことをわすれていました。そのために炎症が起きているのです。アラキドン酸とEPAの比率は我々の将来を暗示しています。
アラキドン酸は2つの酵素による代謝経路(アラキドン酸カスケード)をもっています。
1. COXが作用するとアラキドン酸カスケードに入りプロスタグランジンが作られる。
2. LOXが作用するとロイコトリエン合成系に入りロイコトリエンが合成される。

これらのCOX/LOX酵素の働きを阻害するために、薬や医療ではステロイドや非ステロイド治療薬を使用しています。しかし有効である半面、危険な副作用を伴うのです。
私は30年ほど前からこんなことを考えています。もっと上流に働きかけることによってアラキドン酸の精生成を抑えることが出来れば、はるかに効果的だと思うのです。しかし、今のところ上流に働きかけるものはありません。
アラキドン酸は100%食事から作られます。

解決策は我々のキッチンにあります!

アラキドン酸が作るプロスタグランジンには3つの種類があります。
1.PGE2
2.TXA2 これらは非常に細胞の中の炎症を起こしやすいもの。
3.LTB4
これらに対しては強力な抗炎症薬がありますが、死へつながることもあります。
薬の副作用は大きく、長期に渡って、危険があります。

アラキドン酸カスケード(-さん-)とは、細胞膜を構成するリン脂質由来のアラキドン酸を原料としてプロスタグランジン(Prostaglandin,PG)類やトロンボキサン(Thromboxane,TX)類などの脂質メディエーターを作る代謝経路である。

リン脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、その構造中には親水性基と2本の疎水性基を持つ。この疎水性基をリン脂質から切り出す酵素であるホスホリパーゼA2(PhospholipaseA2,PLA2)により細胞膜から遊離した脂肪酸(アラキドン酸)が、その後シクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase,COX)によりプロスタグランジン類やトロンボキサン類に変換される。一方、リポキシゲナーゼ(Lipoxygenase,LOX)によりロイコトリエン(Leukotriene,LT)類に代謝され、これらの代謝物は種々の生理活性を示す。これらの代謝物を総称してアラキドン酸代謝物及びエイコサノイドと呼ぶ。
トロンボキサン: thromboxane, TX)は、血小板の凝集や、血管壁の収縮を引き起こす物質である。
TXA2:血小板凝集作用、血管・気管支収縮作用(TX受容体)
TXB2:上記のTXA2に1分子のH2Oが付加されて生成する。

プロスタグランジン (prostaglandin, PG) は、プロスタン酸骨格をもつ一群の生理活性物質[1]。アラキドン酸から生合成されるエイコサノイドの 1 つで、様々な強い生理活性を持つ。プロスタグランジンとトロンボキサンを合わせてプロスタノイドという。


プロスタグランジンの種類と主な作用]
・PGA:血圧低下作用のみ
・PGB:血圧低下作用のみ
・PGC:血圧低下作用のみ
PGD2血小板凝集作用・睡眠誘発作用(PDD受容体)。
PGE1動脈管を開存させる働きがある。
PGE2
 ○平滑筋収縮作用(PDE受容体EP1サブタイプ)
 ○末梢血管拡張作用(PDE受容体EP2サブタイプ)
 ○発熱・痛覚伝達作用(PDE受容体EP3サブタイプ)
 ○骨新生・骨吸収作用(PDE受容体EP4サブタイプ)。
PGF2α黄体退行・平滑筋(子宮・気管支・血管)収縮作用(PGF受容体)。畜産業界では繁殖関連で重宝する。
・PGG:血圧低下作用・血小板凝集作用
PGH2:血小板凝集作用
PGI2:血管拡張作用・血小板合成阻害作用(PDI受容体)。
・PGJ:抗腫瘍作用のみ
 
プロスタグランジン(PG)とトロンボキサン(TX)より成るプロスタノイドは,刺激に応じて局所で合成され,局所のホメオスタシスの維持や種々の病態形成に関与する生理活性脂質である.プロスタノイドの作用は,標的細胞上に存在する各々のプロスタノイドに特異的な受容体を介して発揮される。
従来,プロスタノイドは,炎症のメディエーターとしての役割が良く知られている.しかし,生体内でプロスタノイドが果たす役割や,それを仲介する受容体の種類については,充分には解明されていない.その原因として,通常,組織には複数種のプロスタノイド受容体が発現しており,各プロスタノイドは,特に外来性に投与された場合,それに固有の受容体以外の受容体に作用する可能性が挙げられる.また,従来各プロスタノイド受容体に特異的なリガンドとして,ごく限られた種類のアゴニスト•アンタゴニストしか開発されていないことも挙げられる.このような状況の中で,最近受容体ノックアウトマウスの解析により,プロスタノイドが果たす種々の生理的・病態生理的な役割が解析・評価されつつある


アラキドン酸は少なくすることができます。
 
私ならば薬に頼りません。
では、魚油についてお話しましょう。

高濃度の魚油の働き:
・アラキドン酸の生成を抑える
・細胞の膜にある過剰なアラキドン酸を外に出してくれる
・細胞膜にEPAが多くあるほど放出する量は増える
・魚油はDNAを変化させる可能性がある
・細胞膜の流動性を変えてくれる
・細胞膜イオンチャンネルを変化させてくれる
ほかにもたくさん良いことがあります。

大事なことはバランスですよね。バランスは健康全体、脳の健康にとても重要です。
なぜ魚油が必要かと言いますと、脳は作ることが出来ないのです。アラキドン酸やDHA、EPAを血液からとりこむことしか出来ません。血液は狭い関門を通って脳へ運ばれますが、血液に含まれるアラキドン酸やDHA,EPAの量でコントロールされます。
大きな問題は半減期です。アラキドン酸は2年半、DHAは2年半、EPAは何と2週間で半減します。非常に短期間で酸化されるのです。従って、脳にEPAが見つからず早くなくなってしまうからです。
血液中のAA/EPAの比率の改善には高濃度のEPAをたくさんとって脳の再構築をする必要があります。

ハーバードのデータ
2004年 肥満(炎症が多い状態)の人々を2つのグループに分け、種類の食事をしてもらいました。
1. USDA(アメリカ農務省規格)のフードピラミッドに基づいた食事のグループ
2. ZONEダイエット 炭水化物40:脂肪30:タンパク質30の食事のグループ
どちらのグループも体重の減少が見られました。

しかし炎症の度合いは10倍の差がありました。ZONEダイエットは過剰な炎症を抑えることが出来ました。

2006年 6週間のテスト
アトキンスダイエット(低炭水化物ダイエット)やフォトジェニックダイエットではAA/EPAの比率は2倍くらい高くなりました。
食事の比率を決めることはとても重要です。ZONEダイエットは難しいという声をよく聞きますが、それほど難しいものではありません。

お皿を3つの部分に分けます。
まず3分の1には低脂肪のタンパク質90g、男性で120gくらい
(片手くらいの量)おきます。
残りの3分の2には溢れんばかりの野菜や果物をおくのです。
ほんのちょっとですよね!

良い選択というのはオメガ‐6系脂肪酸(飽和脂肪酸)を少なくすることです。最悪なのはオメガ‐6系脂肪酸が豊富な食事です。

それでは私のこれまでの経験の中から私の患者さんの臨床例をお話します。
2007年のものです。

(Dr.Searsは生化学者であり、医者でもあります)
CTスキャンで脳血流を観ることができます。赤い部分は血流が多く、活動部分であります。
ADHDの子供(多動性)ZONEダイエットの食事と高濃度のEPA摂取をしてもらったところ炎症が少なくなり、異常な脳血流が正常になりました。スキャンの映像では異常な脳血流を示す赤く光る部分が少なくなっていることがおわかりだと思います。
 
ADHDの子供たちに高濃度オメガ‐3とZONEダイエットの食事をしてもらうとAA/EPAの比率はスタート時には30だったのですが1カ月後には下がり、その後同じ食事を続けた場合、その状態を維持することが出来ました。
続ければ維持できるのです。
オメガ‐3を摂らなくなるとまた比率が上がることもわかりました。

心理学者にテストを依頼したのですが、その子供たちの心理状態は全般的によくなっており、薬の弊害も少なくなっていました。これはADHDとアラキドン酸には深い関わりがあることを表わしています。子供の状態とAA/EPAの比率とは正比例しています。比率が低くなると改善されているということです。
高濃度のオメガ‐3の大量使用は意味があるのです。
1日に15gです。

外傷性脳損傷について
アメリカでは子供や若い人達が、一生のあいだ寝たきりや死亡する人が非常にたくさんいます。また、イラクからの帰還兵の中にもそういう人が多く、その人たちには一生にわたり問題が続くのです。アメリカでは毎年150万人もの人が脳損傷に合っています。自転車事故、野球、爆発、フットボールなどによって23万人もの人に重大な障害が起きているのです。そうした中で毎年5万人ほどの人々が亡くなっています。
これは5年前の臨床経験ですが、お正月に炭鉱で爆発による事故が起きて13人が閉じ込められました。懸命な救助活動により41時間後、救出されました。しかし12人は亡くなられ、RANDYという男性一人が助けられました。しかし、深刻な心臓の異常、腎臓や肝臓は機能せず、頭も傷害を受けていました。一酸化炭素中毒になっていました。
MRIの画像では炎症によってほとんどの部分が障害されていることがわかりました。ウェストバージニアの神経外科医は、私の所に「一体、どうすればいいのだろうか」と言って電話で問い合わせて来ました。私は「高濃度の魚油を与えて、火事を消そう」と提案しました。
1日に15gの魚油をどうやって与えたらいいだろうかということになり、経菅栄養という形で2カ月間この長鎖脂肪酸を与えました。2カ月後に彼はこん睡状態から脱することが出来ました。その後、口から食べる事ができMRI画像でも炎症部分が非常に少なくなっていることが確認出来ました。EPAとDHAを2:1の割合で食べさせました。

「頭の火事」を消すこと、これはEPAがしてくれます。AA/EPAの比率を1.5に保つことは大切です。なぜならば日本人の比率だからです。
毎週、血液検査をしながらしっかりと調整しながら与えました。2カ月後、RANDYは退院し、自宅に帰ることが出来ました。“死んだ男”と呼ばれたRANDYは心臓の機能も、腎臓や肝臓の機能も正常になり、CNNのインタビューに応じることが出来たのです。記者に答えて彼は「奇蹟だと思う」と言いました。しかし、これは奇蹟などではないのです。脳の火事を消したということなのです。頭を再構築し、再び生活を取り戻したのです。

事故から9カ月後、ウェストバージニアの神経外科医と私は、彼と彼の奥さんに会いました。その時の写真を見て下さい。彼の奥さんは妊娠していました。素晴らしいですね!
奇蹟ではなく魚油をうまく使って、そしてハイテクの機器によって管理し快適な状態を維持したのです。RANDYと同様に回復する可能性があるのです。

例えば

26歳の一酸化炭素中毒になった炭鉱夫、40歳の消防士、12歳の野球少年などなど・・・

ネガティヴな要素などないのです。こういう事は時間がかかりますが、医療の在り方を変える可能性を持っています。シンプルではありません。魚油を体に入れる作業は複雑なのです。しかしこういうことは薬によっては出来ません。EPAのレベルを保つことによってリカバリーできるチャンスがあるのです。
我々の人生の将来は?ということを考えてみましょう。
痴呆やアルツハイマーなどといったリスクはどうでしょうか。正常な人、アルツハイマーの人、少し痴呆が始まった人、どのような状態の人もAA/RPAの比率を低く保つことは非常に重要なことです。日本人のようにね

外傷性でない脳震盪を起こした人の例を見てみましょう。
ホッケーの選手が脳震盪を起こしました。その時のAA/EPAの比率は41でした。これまでに彼は4回も脳震盪を起こしたことがあり、みんなは“彼の人生は終わった”と思いました。ボストンの医者も今回は難しいだろうと判断しました。18カ月間何の変化もなく、ひどい頭痛に襲われ、エクササイズも思うように出来ませんでした。しかし私は言いました。「こういう事は長い時間がかかるんだよ」と。そしてホッケーの選手だった彼が私の所にきました。AA/EPAの比率は41でした。これを下げることが出来たら改善するよと言いました。
一日に7.5gの魚油を与えました。(RANDYの2分の1の量です)
2カ月後、AA/EPAの比率は3に下がっていました。頭痛もなくなり感覚も戻ってきました。時間はかかりますが徐々に変化していきました。「脳の火事」を消したからです。大量の魚油の摂取によって「脳の火事」を消すことが出来ました。そのことが改善へとつながっています。

12年前、ハーバード大学での例です。

双極性うつ病の患者に一日9.6gの魚油を与えたところ3カ月で大きな変化が起こりました。
魚油を使った時と、使わなかった時とでは大きな差があります。あまりの差の大きさに倫理的に問題ではないかと思うほどでした。なぜならば使える人と使えなかった人とにあまりにも大きな差があったからです。
同じような子供の場合です。
AA/EPAの比率は200とか300という非常に高い数値でした。脳にはEPAを見つけることができないほどでした。血液中にEPAがないということは脳にもないということです。これでは炎症を止めることが出来ないのです。
10年前のデータです。
多発性硬化症ですが、AA/EPAの比率は6でした。2年後にこの比率は1.5になりました。この病気は脳の中枢神経系に起きるリウマチのようなもので体のあちらこちらが痛みます。
魚油と薬が大きく違うのは、薬は炎症の起きている所へ到達出来ないということです。脳関門を通ることが出来ないのです。ですから状態は徐々に悪くなっていきます。この病気を改善させる薬は存在しません。
機能障害も2.2から1.6になったことで回復してきました。
「こんな事は聞いたことがない」という人がいますが、この回復はまさにオメガ-3が脳関門を通ったという証拠なのです。
EPAが脳に届くと、脳は再構築され、軽くない症状は改善していくのです。

前のローマ法王、私のよく知っているヨハネ・パウロ2世の場合です。パーキンソン病を患っていました。ぜひ大量のオメガ-3を摂るようにと提案しました。2年間、びっくりするほどの改善がみられました。奇蹟的でした。状態が良くなった彼は「世界中をまわって福音を
伝えたい」という計画を立てました。私は「それはいい計画ではないよ。84歳という高齢だし、まだパーキンソンも残っている」と言いましたが、彼の意思は固く「福音を説いてまわりたい」と世界ツァーに出かけました。
この旅行は大きなストレスとなりました。2カ月後、徐々に悪くなってしまいました。ローマにいて大量のオメガ-3を摂っていた時は非常に状態はよかったのですが。
ここまでは人間の話をしてきましたが、次に
動物の話をしたいと思います。私は動物のこういう実験は好きではありません。なぜならば殺してしまうことも多いからです。しかし、人間のためにこうした実験は欠かせないのです。
ネズミを使った脳の実験です。
ネズミに脳震盪を起こさせ、鉄を埋め込んで物を落として脳に衝撃を与えます。脳に障害を与えるわけですね。神経系統にダメージを与えます。
そうしたネズミを3つのグループに分けて観察しました。
@プラセボ
Aオメガ-3を10mg 与える
Bオメガ-3を40mg 与える
3カ月後、
@のグループのネズミはAA/EPAの比率が高く炎症は全体に広がりました。
神経細胞の端っこの方にβアミロイドプレカーサープロティン(βAPP)が溜まって集まっていました。これはアルツハイマーの初期に見られる症状です。
オメガ-3をたくさん与えたグループのネズミにはこのβAPPの凝集は見られませんでした。あるいは見られなくなりました。RANDYのケースのように炎症が消える、「脳の火事」を消すということなのです。
βAPPの凝集だけを見ると@グループでは高く、Aグループ、Bグループでは低く、まるで傷害を受けていないかのような状態でした。
オメガ-3は火事を消すのです。私の言いたい事は、議論ばかりしているのではなく「使ってみろ!」ということです。
心臓病でも、糖尿病でも、肥満でもとにかくAA/EPAをテストしてみることです。
私の実験室のデータです。132人の普通の人を対象にAA/EPAの比率を調べました。
オメガ-3を普段から摂取している人よりも、摂取していない人の方が高い細胞の炎症レベルを示していました。
特に症状は出ていなくても細胞の炎症レベルは高いのです。
12
日本人との比較
・アメリカ人 2.6
・オメガ-3を摂っているアメリカ人 2.0
・日本人 1.5
・オメガ‐3を摂っている日本人 0.8
オメガ‐3を摂っている人は細胞の炎症レベルが下がるということです。そして食べ続けている人はさらに下がり、よりよい結果を出せるということです。
2010年に栄養関係の雑誌にこのような記事が掲載されました。

<乳がんのリスクが高い人のAA/EPAの比率の変化>
オメガ‐3を与えない場合 12
一日に800mgを与えた場合 4.2 1.5 1 と比率は下がっていった
胸の細胞は時間と共に元に戻るのです。大事なことは継続して摂るということです。
ホッケーの選手のように60日、120日と時間はかかります。しかし大量摂取を続けることでいい結果が出るというのが医者の臨床例です。
第4回目:9月26日
AA/EPAの比率は血液の状態がどんな状態かに関わらず、安定した数値、一定の数値を示します。比率が低い場合も、ほぼ安定した数値を示し、室温で1週間経過した血液であっても変化することがありません。また、比率が高い場合も同様です。
ということはAA/EPAの比率は簡単に調べることができ、採血して数日たった後でも安定した数値を示すということなのです。
病院で血液をとって宅配便などで検査に送ってからでも調べることが出来るのです。この比率によって炎症の度合いを知ることができ、検査も簡単で、しかも安価なのです。
これによって非常にエキサイティングなことが起こります。それは、この検査は予防薬ではなく病気を予測出来るということだからです。
将来、どのくらいの期間で病気になるかということが予測できます。心臓病でも、がんでも、また神経系などの慢性病について予測する事が出来ます。
AA/EPAの比率は実際に症状が出る前の変化を知ることが出来ます。
CRPなどの変化よりもずっと先に将来起こる病気を予測して対策をたてられるのです。
将来を予測して対策を考えるのです。細胞の炎症をコントロールすることによって将来起こりそうな病気のための対策を考えることができます。
このような事は食事によってのみ可能です。薬には出来ません。炎症を抑えるための食事やサプリメント、EPAを含むサプリメントは非常に強力です。炎症を元に戻すことが出来るからです。
慢性病というのは氷山のようなものです。氷山は海面の上に出て見えている部分よりも、中にある見えない部分の方がはるかに大きい(サイレントペイン)のです。私達はこの見えない部分が病気になっているのです。神経系の病気、心臓病、がんなど様々な病気です。
病気というものは別々のもののように見えますが、実は氷山の中でつながっているのです。それは細胞でつながっているという意味です。

細胞の炎症は食事で変化します。私は薬を全否定しているのではありません。食事は薬として使えるということを申し上げているのです。食事を薬として使う事によって、もっと薬を効果的に使うことが出来ます。薬を少なくすることが出来るからです。薬を少なく出来るということは副作用を少なくすることが出来るということですね。
今まで細胞を測定するということは出来ませんでした。しかし今はそれが可能になりました。簡単に調べる事ができ、しかもとても安い値段で調べることが出来ます。
細胞の炎症を減らせば減らすほど、氷山の中は小さくなります。薬を使う機会を減らす事が出来ます。
細胞の炎症は特に神経系の中に潜む大きな要因です。これは大量の魚油で炎症を減らす事が出来ます。そうする事によって、どの程度の量が必要かがわかります。
脳の再構築は火事を消すということです。家事を消すための食事を続けることが重要です。
これが私の話の要約です。


オメガ3

EPAエイコサペンタエン酸

エイコサペンタエン酸
IUPAC名 (5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ- 5,8,11,14,17-ペンタエン酸20:5(n-3)
分子式 C20H30O2
分子量 302.451
CAS登録番号 [10417-94-4]
SMILES CC/C=C\C/C=C\C/C=C\C/C=C\C/C=C\CCCC(=O)O

、Eicosapentaenoic acid、EPA)またはイコサペンタエン酸(Icosapentaenoic acid)は、ω3 脂肪酸の一つ。ごく稀にチムノドン酸(Timnodonic acid)とも呼ばれる。EPAは、5つのシス-二重結合をもつ20炭素カルボン酸である。

EPAは、プロスタグランジン、トロンボキサン-3、ロイコトリエン-5(すべてエイコサノイド)の前駆体である多価不飽和脂肪酸の1つである。 ヒトでは、体内で合成できないα-リノレン酸から体内でEPAを合成するため、広義では必須脂肪酸となる。医療用医薬品としては閉塞性動脈硬化症、高脂血症治療薬である。商品名としてはエパデール・イコサペント酸エチル粒状カプセルなどとして販売されている。また健康食品にもDHAとともにサプリメントとして用いられている。

EPAは、魚油食品、タラ、ニシン、サバ、サケ、イワシ、ナンキョクオキアミから得られる。また、母乳にも含まれている。
EPAは、動物以外にもスピルリナマイクロアルジェからも得ることができ、マイクロアルジェは商業用に開発されている[1]。EPAは、ふつう高等植物では見られないが、スベリヒユで微量確認された[2]。
 
大規模臨床試験「JELIS」studyにおいて、EPAは冠動脈疾患を優位に予防したと報告された。[3]
 
EPA(エイコサペンタエン酸) -「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
・EPAは、1960年代にエスキモー達の健康調査を行った事で、発見されました。

いわし・彼らは、アザラシや魚が主食で、野菜を口にすることが、ほとんどありません。
・このような食生活にも関わらず、健康な高齢者が多いことがわかり、調査が始まりました。
・研究の結果、血液のEPA濃度が、デンマーク人に比べて、35倍も高い事がわかったのです。この事実は瞬く間に広がり、世界中でEPAの研究が始まり、血流を良くする効果や、さまざまな効能が発見されたのです。
・脂肪酸には、主に牛や豚のから摂られる『飽和脂肪酸』と、いわしなどの魚油から取られる『不飽和脂肪酸』の2種類があります。
・さまざまな疾病との関連が疑われている『飽和脂肪酸』と違い、EPAを含む『不飽和脂肪酸』は、中性脂肪の低下や記憶力の向上といったすばらしい効果が報告されています。
EPAの効果を解説。
・近年、注目されているEPAの効果の一部をご紹介します。
動脈硬化の改善。
・EPAは、動脈硬化の原因である、血小板の凝集を抑制する効果があり、予防や改善に役立つとされています。
特に、心筋梗塞や、虚血性心疾患の原因とされる、心臓に近い血管である冠状動脈に効果があり、死亡リスクが低減するという報告があります。
花粉やアトピーの改善。
・EPAには、炎症やアレルギーを改善または、軽減する効果があるとされています。EPAが、炎症やアレルギーの原因となるプロスタグランジンやロイトコリエンといった物質を抑制するためで、これは、成人病予防にもつながります。
中性脂肪を減らす。
・EPAは、血液をサラサラにする効果を持っていますが、特に、中性脂肪を減少する効果が強いとされています。中性脂肪が高いと、高脂血症や血栓症、高血圧などさまざまな疾病の原因になるとされています。
さらに詳しく知りたい場合は、EPAの効能をご確認下さい。
EPAを多く含む食品。
・魚に多く含有されるEPAの可食部100g中に含まれる量を紹介します。

EPAを多く含む食品。

魚などから摂取したい方は、魚から摂取する時の注意点をご確認ください。
EPAとDHAの違い。
・EPAとDHAは、同じ不飽和脂肪酸の仲間で、さらに、多価不飽和脂肪酸のオメガ-3脂肪酸という種類の仲間であり、非常に近い存在です。
・お互いに似た効能を持っており、動脈硬化などの生活習慣病を予防しますが、それぞれで得意分野が違います。コレステロールの減少にはDHA、中性脂肪の減少にはEPAがより効果を発揮します。
・さらに、DHAは脳に到達し、脳神経を活性化する働きがあります
EPAの上手な摂取方法。
・EPAの明確な摂取量は日本では定められておりませんが、アメリカでは、DHAとEPAを合わせて1日2gを超えない程度という指針があるようです。
・食品から摂取する場合は、いわしなどの青魚から摂取するのが良いのですが、魚(特に大きな魚)には、水銀が含まれる場合があり、妊婦さんなどは多量の摂取は避けるように言われています。これは、水銀の胎児に与える影響を考慮してものです。
・水銀の問題や、好き嫌いなどで、魚からの摂取が難しい方は、サプリメントを上手に利用するのも良いでしょう。サプリを利用する時のポイントは、DHAです。


DHAドコサヘキサエン酸

ドコサヘキサエン酸
IUPAC名 (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸
別名 DHA、セルボン酸
分子式 C22H32O2
分子量 328.49
CAS登録番号 [6217-54-5]
形状 無色油状


ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエンさん、Docosahexaenoic acid、略称 DHA )は、不飽和脂肪酸のひとつ。6つの二重結合を含む22個の炭素鎖をもつカルボン酸 (22:6) の総称であるが、通常は生体にとって重要な 4, 7, 10, 13, 16, 19 位に全てシス型の二重結合をもつ、ω-3脂肪酸に分類される化合物を指す。
・魚油に多く含まれ、日本人は魚類を食べることによって多く摂取していたが近年は減少している。 ヒトでは、体内で合成できないα-リノレン酸から体内でDHAを合成するため、広義では必須脂肪酸となる。健康増進効果があるとされ、EPAと同様にサプリメントや食品添加物として利用されている。

魚やその他の生物に含まれるDHAの多くは、ラビリンチュラ類の1属である Schizochytrium 属などのような海産の微生物によって生産されたものが、食物連鎖の過程で濃縮されたものである。多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてDHAを生産することができるが、その生産量は極めて少ない。
ヒトでは、DHAは食品から摂取される以外に、2つの経路によって代謝生産される[1]。どちらも出発原料はα-リノレン酸であるが、中間生成物が異なる。
・ひとつはエイコサペンタエン酸 (20:5, ω-3) を原料とし、鎖長延長酵素によって2炭素増炭されドコサペンタエン酸 (22:5 ω-3) がつくられた後、Δ4-不飽和化酵素によって水素が引き抜かれて生成する過程である。
・もうひとつの経路は、ペルオキシソームあるいはミトコンドリア中で進行すると考えられているもので、エイコサペンタエン酸が2回2炭素増炭されて (24:5 ω-3) となった後、不飽和化されて (24:6 ω-3) となり、その後β酸化によって炭素鎖が切断されDHAが生成する。この経路は"Sprecher's shunt" として知られている。
DHAは精液網膜リン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分である。DHAの摂取は中の中性脂肪(トリグリセライド)量を減少させ、心臓病の危険を低減する。また、DHAが不足すると脳内セロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告がある[2] 。アルツハイマー型痴呆[3], [4]やうつ病などの疾病に対してもDHAの摂取は有効であるといわれている。
 
DHAとは、EPAとともに主にマグロやイワシなどの青魚の脂に多く含まれている不飽和脂肪酸と呼ばれている栄養素です。
(不飽和脂肪酸については、EPAの効果で解説しています。)
では、DHAとEPAは、一体なにが違うのでしょうか?
EPAとDHAは血液の流れを良くし、動脈硬化などの生活習慣病を予防するなど、似ている効果を持っています。
しかし、中性脂肪を減少させる効果についてはEPAの方が高く、コレステロールを下げる効果についてはDHAの方が高いと言った、それぞれの得意分野も持っているのです。
すばらしい効果を解説。
みなさんが、一番気になるDHAの効能について記載しておきますので、食品やサプリメントを上手に利用して、日々の健康に役立てて下さい。
子供の脳の発達を促進させます!
DHAは、脳の発達段階において必要不可欠な栄養素であるため、成長期にしっかり摂取することで、健全な脳が育ちます。
外国の研究者の中で、欧米諸国と比べて日本人の子供の知能指数が高いのは、DHAを多く含んだ魚をよく食べるからとも言われています。
また、胎児の頃から脳は少しずつ成長していますので、妊婦さんにもしっかりと摂取していただきたい栄養素です。
脳の活性化に役立ちます!
頭の回転が遅い人と、早い人との違いには、脳内における情報伝達の役割を果たしているシナプス(神経細胞)の量に差があると言われています。
DHAは、シナプスで神経の伝達を活性化する働きを持っているため、判断力や集中力の向上だけでなく、痴呆症の防止効果にも期待されます。
また、脳が柔軟になると脳力がUPすると言われていますが、DHAには細胞膜を柔らかくする効果もあります。
脳卒中や動脈硬化などの生活習慣病を予防します!
DHAは血液中のコレステロールを下げ、血液をサラサラにします。
また、中性脂肪を下げる働きもありますので、脳卒中や動脈硬化をはじめとした生活習慣病の予防に役立ちます。
DHAは視力の向上にも役立ちます!
目の中には、脳以上に高濃度のDHAが存在しており、網膜や視神経に重要な栄養素であるため、しっかりと摂取することで、視覚からの情報をスムーズに脳に伝えることができると言われています。
アトピー性皮膚炎を改善に役立ちます!
アレルギー反応の抑制に役立つDHAは、アレルギー疾患の代表であるアトピー性皮膚炎の改善に役立ちます。
過去にアトピー性皮膚炎患者を対象に有効性を検証したところ、50%に上る改善傾向が見られたとの報告もあります。
妊婦さんにも大事な栄養素です。
妊娠中には、葉酸をはじめ様々な栄養素が必要になってきますが、上記でも記載しているとおり、DHAも胎児の健全な脳の発育に関与しているため、妊婦さんには大事な栄養素なのです。
オーストラリアの医学誌「Archives of Disease in Childhood」によれば、魚油を摂取した妊婦から生まれてくる子供は、視覚と手の協調関係が優位に優れていたことを掲載しています。
また、妊婦さんには下記の栄養素が必要だと言われています。
・葉酸
・ビタミンB12
・カルシウム
・鉄分
・亜鉛
魚で摂取する際の注意点。
今現在妊娠中の方、又はこれからお子さんが欲しいと思っている女性にとっては、妊娠中にDHAを多く摂取することの大切さがお分かり頂けたと思います。
しかし、魚からDHAを摂取する場合には下記のような注意が必要となります。
実は、DHAを多く含むマグロ等の大型魚には水銀が含有されていることがあり、たくさん食べ過ぎると、生まれてくる赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
このことは、厚生労働省から発表されていて、注意を呼びかけているところですので、安全性のために、サプリメントを利用することも大事です。

脂肪:主な脂肪酸
飽和脂肪酸
(斜体は揮発性)
C1 蟻酸 - C2 酢酸 - C3 プロピオン酸 - C4 酪酸 - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C12 ラウリン酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ツベルクロステアリン酸 - C20 アラキジン酸 - C22 ベヘン酸 - C24 リグノセリン酸
不飽和脂肪酸 ω-3脂肪酸 α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
ω-6脂肪酸 リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸
ω-9脂肪酸 オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体


2011年8月22日 提供:Dr.Sears講演