風邪ウイルスも怖い病原菌も薬を使わず
自力で治すのがイチバンだ!

風邪をひきやすい人、ひきにくい人、
その分かれ目は、体の抵抗力=免疫力の強さにあるのです。
手軽に使える10種の食品で、基礎体力をアップ。
“敵”が侵入してきても、
ガツーンとやっつけるパワーを身につけましょう。


ウイルスや病原菌が体内にはいってきても、必ずしも病気になるとは限りません。それは、体内にある白血球、マクロファージ、NK細胞が協力し合って異物をやっつけ、感染するのを防いでくれるからです。
だから、免疫力を高めるには、白血球などの細胞がいつも元気に働けるよう、細胞の酸化(老化)を防ぐことが大事。

抗酸化食品はいろいろありますが、これからの季節なら大根がイチ押しです。辛み成分であるイソシアシアネイトに抗酸化の働きがあり、皮との間に多く含まれているので、よく洗って皮ごと食べるのが○。
また、大根はジアスターゼなどの消化酵素も豊富。食べたものを速やかに消化し、効率よく吸収する助けをし、効率よく吸収する助けをし、代謝のアップにも役立ちます。
ただし、これらの成分は熱に弱いので、『大根おろし』がおすすめメニュー。ほうれん草やトマトを加えると、抗酸化力がトリプルになり、さらに強力!


長いものヌメリに含まれるムチンは、たんぱく質の分解を助ける成分。たんぱく質は細胞の材料となる栄養素なので、免疫力を高めるためには、毎日きちんと補給する必要があります。
長いもは、そのほかにも多くの消化酵素を含み、食べ物の消化吸収をよくし、新陳代謝を上げるので、昔から“精がつく食べ物”といわれてきました。
最近では、抗酸化成分を含むこともわかっています。
こういった長いもの成分を100%生かすには、すりおろさないことが大事。
『長いものせん切り』は昔からある定番メニューですが、良質のたんぱく質を含む鶏肉を混ぜれば、免疫力はさらにアップ。
抗酸化成分を含むのりを散らし、同じく抗酸化の働きがあるわさびを混ぜて、風味よく、ピリリと辛くするのもおいしいもの。お酒の肴にもピッタリです。


狂牛病の騒ぎで、すっかり株の上がった鶏肉ですが、鶏肉はもとよりたんぱく質が豊富で、しかも低脂肪という優れた食品なのです。
さらに最近、アミノ酸の一種であるカルノシンやアンセリンに抗酸化抗力があることがわかり、これらを含む鶏肉はますます注目株。たんぱく質を効率よく利用するために、たんぱく質の代謝をよくするビタミンB2と合わせて食べましょう。
たとえば、中華の『鶏のカシューナッツ炒め』はナッツにビタミンB2が豊富なのでおすすめ。同じくビタミンB2が多いきのことの炒めものは、家でも簡単につくれるメニューです。


よく「腸内環境」という言葉が使われますが、免疫力を高めるためにも、善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えることが必要です。それによって、消化吸収をよくし、基礎体力をアップさせることができます。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内でビフィズス菌を増やす働きをし、便秘の解消にも役立ちます。ヨーグルトにはカルシウムやたんぱく質なども豊富なので、毎日積極的にとりたいもの。
バナナを加えると食物繊維がプラスされて整腸作用が強まり、りんごを加えると抗酸化作用が加わって、よりヘルシーに!


そばは「1日1食は食べるといい」といわれるほどの健康食。それは、そばにはルチンという抗酸化成分が含まれており、動脈硬化や高血圧の予防にも抗力を発揮するからです。 ところが、同じそばでも抹茶を加えた茶そばは、抗酸化ビタミンのA・C・Eも含むため、抗酸化力がさらに強力に。そばを食べるなら、茶そばのほうがおすすめというわけなのです。
だったら、そばを食べて、抹茶を飲んでも同じでは…と思いがちですが、それでは茶そばと同じ抗力が得られないことが実験でわかっています。
やっぱり、ツルツルっと茶そばで食べるのが、効果大なのです!


冬になると青々としてくる小松菜は、緑色の成分であるクロロフィルとビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品です。
そのうえカルシウムや鉄分などのミネラルも豊富なので、免疫力アップのためだけでなく、骨粗鬆症や貧血が気になる女性には、とくに積極的にとることをおすすめします。
小松菜は、ほうれん草のようにアクがないので、下ゆでしたり、水にさらしたりする必要なし。サッと炒めるだけで食べられます。
免疫力を高めるためには、良質のたんぱく質を含む、卵や鶏肉などと組み合わせるのがベター。油を使うことで、ビタミンA(カロチン)の吸収もよくなります。
小松菜を粗みじん切りにしてご飯と炒め、溶き卵を混ぜて、塩、こしょうで調味する『小松菜のチャーハン』や『小松菜と卵の炒めもの』も手軽にできるおいしいメニューです。


納豆などの大豆製品には、イソフラボンという、胃がんを予防する成分が含まれており、これが強い抗酸化力をもっています。体内にはいると、女性ホルモンに似た働きをし、代謝をよくする効果もあります。
また、納豆にはビタミンK2も含まれており、カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨を丈夫にします。骨を健康的に維持することで、基礎体力がアップします。
納豆は手軽なうえ、植物性たんぱく質も豊富。免疫力アップのためには、毎日でもとりたい食品。よくかき混ぜて、ネバネバにして食べましょう。
もともと消化のいい食品ですが、たんぱく質の消化吸収を助ける長いもと組み合わせるとさらにベター。ともにネバネバ同士で、味の相性もピッタリです。


梅干しは昔から薬効の多い食品として知られていますが、有効成分の1つがクエン酸。代謝をよくすることで疲労を予防・解消し、元気な体を維持します。
もう1つの有効成分は、梅干しを焼くことで生まれる特効成分。まだ詳しいことはわかっていませんが、これには強力な抗酸化作用があり、免疫力をアップすること間違いなし。
梅干しをアルミ箔に包み、オーブントースターで、ちょっと焦げ目がつく程度に焼きましょう。そのまま食べてもおいしいですが、お茶に入れて飲むと、お茶に含まれるビタミンもとれて、さらに効果大。疲れているときの疲労回復にも役立つので、毎日の習慣にするとGOOD!


免疫力を高めるには、体内にはいった栄養素が、エネルギーとして効率よく燃える必要があります。
エネルギーの素である、糖質の代謝に不可欠な栄養素はビタミンB1。そのビタミン1の働きを助けるのが、にらに含まれている、硫化アリルという成分。
だから、「硫化アリル+ビタミンB1+糖質」の組み合わせがベスト。ビタミンA・C・Eの抗酸化力も免疫力を高めます。外食なら『にらレバ定食』がイチ押し。家でつくるなら、にらを卵でとじた『にら卵』にご飯をつけましょう。『にらと豚肉の炒めもの』+ご飯もおすすめ。


にんにく特有の匂いも、硫化アリルが含まれています。硫化アリルは加熱しないほうが、より強力に作用するので、『にんにくのしょうゆ漬け』をつくりおいてはいかが。にんにくをしょうゆに漬けて、1週間から10日置くだけ。にんにくの臭みが消えるので、生でもおいしく食べられます。
これをスライスして、サラダやカレーの仕上げに入れたり、使い方は自由自在。豚肉など、ビタミンB1を含んだ素材と合わせるとベター。しょうゆのほうも、つけダレに使えます。

(女性セブン)