ちょっとリラクゼーション

衰えを知らない「癒し」ブームにも象徴される、現代人の疲れ。精神的な疲労も肉体疲労も、早めに対処して毎日元気でいたいもの。そこで今回のテーマはずばり「疲労回復」。身近な「食」にしぼってそのコツを伝授しましょう。

疲労と回復のメカニズム

疲労の原因は、筋肉内に乳酸が蓄積するため−ということをご存知の人は多いのではないでしょうか。乳酸はいわば、不完全燃焼を起こしたエネルギーの燃えかす。これが増えてくると、体がだるくなったり肩こりしたり、疲れを感じるのです。また、乳酸が蓄積する状態が長く続くと、さまざまな代謝機能が阻害され、心臓病や糖尿病等の慢性病の引き金になることも。そこで覚えておきたいのが、摂取すると素早く働き体内のエネルギーの代謝機能を効率よく再始動させ疲労物質である乳酸を分解してくれるというありがたい成分、クエン酸。また、人の体は弱アルカリ性に保たれていると血液の循環もよくなり自然治癒力や抵抗力も強まるといわれますが、クエン酸には人の体を弱アルカリに保つ働きがあります。つまりこれを不足させないことが疲労を避けるよい方法になり、疲労した時にもこれを補給することで回復が早まるというわけです。

すっぱいものは身体にいい

クエン酸を含む食品は、酢をはじめ、みかんやレモンなど酸味のある果物、梅干しなど。つまり「すっぱいもの」です。もちろん栄養はまずバランスよく摂ることが重要で、すっぱいものだけを大量に食べていれば安心というわけではありませんからご注意を。ともあれ、最近疲れ気味という人は、意識して毎日の食生活にクエン酸をとり入れてみてはいかがでしょう。

乳酸の蓄積を予防するものとして、こんな栄養素にもご注目
【タウリン】
栄養ドリンクの宣伝でもよく耳にするタウリンは、貝類に多く含まれる栄養素。血圧やコレステロールを下げる、視力低下を抑制するなどの働きも。
【ビタミンB群】
エネルギーの供給や老廃物の代謝に働くビタミン。主食を玄米や胚芽米、全粒粉のパンに変えてみるなどの工夫で、不足解消に。少量でたっぷり摂れる優等生は豚肉です。

 

(雑誌記事)