アレルギー性鼻炎、睡眠に影響

歯並びにも影響があります。口呼吸の場合、顎の回転癖の開口状態で、前突や前歯のフレアが発生します。また、顎位の後退も起きてきます。
頭がい骨の重さの負担がすべて頸部の後半に架かり、僧帽筋硬化から肩甲骨動作不全で、四十肩、頸椎ヘルニアにも、

 花粉症の季節がやってきた。くしゃみや鼻詰まりが続く日中も苦しいが、寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めたりした経験はないだろうか。専門家によると、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎と睡眠には密接な関係があるという。

 ●無呼吸症候群が悪化

 「アレルギー性鼻炎は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の悪化要因の一つです」。国立病院機構福岡病院(福岡市)の中野博・睡眠センター長は言う。同病院では、1998年からいびき外来を設け、これまでに4500人以上を診察した。ほとんどがSASと診断され、うち3分の1がアレルギー性鼻炎を患っていたという。

 SASは睡眠時に咽頭(いんとう)部分が閉塞(へいそく)し、呼吸が停止することを繰り返す睡眠障害の一つ。低酸素状態を反復することで睡眠が途切れて浅くなり、日中の体のだるさや強い眠気、集中力の低下などの症状が出る。

 咽頭部分が閉塞する原因には、肥満によって喉に付着した脂肪や、下あごの後退が多い。さらに鼻詰まりが起きると、鼻腔(びくう)から上気道への空気の通りが悪くなり、気道内の圧力が大気圧よりも下がって、一層閉塞しやすくなる。中野センター長は「鼻詰まりがあると必ずSASになるわけではないが、SASの症状が強く出る」と指摘する。

 症状を改善するには、鼻詰まりの治療も必要になる。SASの治療では、マウスピース(歯科装具)や、鼻から空気を送り込んで気道を広げる「CPAP療法」があるが、鼻の通りが悪いと十分な治療効果を得られない。このため、まず点鼻ステロイド薬や抗アレルギー薬などによる治療をする。

 ●鼻詰まりで日中眠気

 一方、鼻詰まりそのものが睡眠を妨げるという調査結果もある。産業医科大(北九州市)などが1459人の勤労者を対象に、アレルギー性鼻炎と鼻詰まり、眠気との関係を調べた結果、アレルギー性鼻炎があっても鼻詰まりがなければ日中の眠気が強くなることはなかったが、アレルギー性鼻炎の有無にかかわらず鼻詰まりがあると日中の眠気が生じることが分かった。SASはなく鼻詰まりだけがある患者に、鼻詰まりの治療をすると日中の眠気がなくなることもあるという。睡眠障害によって免疫力が下がれば、アレルギー症状も悪化しやすくなる。

 鼻詰まりの原因には、副鼻腔炎やポリープなどもある。中野センター長は「鼻の通りを良くする点鼻薬などが市販されているが、使い方を誤ると薬剤性鼻炎を起こして治りにくくなることもある。耳鼻咽喉科を受診してほしい」と勧める。【金秀蓮】

2014年2月20日 提供:毎日新聞社