変異80倍のマラリア原虫 群馬大院作製…治療法確立も迅速に


大きさが違うけど似た、口腔内のスピロヘーターだって変異しているし、毎年、新しい菌が口の中からみつかる。
20年前に300種で、今は600種にせまる。

変異80倍のマラリア原虫 群馬大院作製…治療法確立も迅速に

 群馬大大学院の平井誠講師(分子寄生虫病学)らの研究グループは26日、通常の約80倍の速さで突然変異を引き起こす特殊な「マラリア原虫」の作製に成功したと発表した。マラリアの原因解明、治療法確立のスピードアップに役立つことが期待されるという。

 マラリアはハマダラカという蚊が運ぶ「マラリア原虫」が引き起こす感染症。高熱や下痢、頭痛などの症状が出て、年間約200万人が死亡すると推計されている。

 研究グループは、ネズミに感染するマラリア原虫の一部を遺伝子操作。原虫が持っている修復機能を部分的に低下させた上で、実験用マウスに感染させた。投与を繰り返すと、従来のマラリア薬が効かないマウスが出てきた。解析した結果、遺伝子操作を施した原虫は、通常より約80倍のスピードで突然変異を引き起こしていたことがわかった。

 平井講師は「マラリア原虫が、薬に対する耐性を獲得するメカニズムを、短時間で再現することが可能になる。新薬開発に貢献できる」と期待している。

2014年3月27日 提供:読売新聞