浴槽内死亡は動脈硬化患者で多い (日本法医学会調査報告書)
日本法医学会企画調査委員会は3月18日、浴槽内死亡事例の調査報告書をホームページ上で公開した。学会賛助機関に対しアンケートを行い、浴室で発見された死亡例で、法医解剖と死体検案に付された1441例を収集、分析し、原因や予防法を検討している。
報告書によると、浴槽内死亡の6割以上が溺死で、696例(48%)に死因に関連する傷病が認められた。動脈硬化症(112例)、冠動脈硬化症(99例)、その他の心疾患(85例)、高血圧症(75例)といった循環器疾患が多く見られ、外傷(34例)や脳出血の割合は低かった。
委員会は、今回の結果を踏まえた浴槽内死亡の予防対策として、(1)高齢者で高血圧や動脈硬化の既往のある人には、特に冬季の入浴に注意を促す、(2)女性より若年で死亡するケースが多い男性に注意を促す、(3)飲酒直後や睡眠導入薬服用直後の入浴は避けるよう指導することを提案している。
【関連リンク】
日本法医学会課題調査報告(浴槽内死亡事例)