自閉症傾向の脳の特徴 MRIで確認


自閉症傾向の脳の特徴 MRIで確認 福井大など

 自閉症やアスペルガー症候群など「自閉症スペクトラム障害(ASD)」がある人は、脳の前方と後方の二つの領域の連結が弱いことを、福井大や名古屋大、金沢大などがMRI(磁気共鳴断層撮影)を使った共同研究で確かめた。英国の自閉症専門科学誌の電子版で発表した。

 福井大子どものこころの発達研究センターの小坂浩隆特命准教授らの研究チームは、19〜35歳の男性21人と、ASDの症状がある16〜40歳の男性19人に目をつぶって何も考えないようにしてもらい、それぞれの脳の活動をMRIで調べて比較した。

その結果、通常は相手の心を理解する際に活動する脳前方の「内側前頭前野」と、他人との違いを考える際に活動する脳後方の「後部帯状回」が同調するが、ASDの症状がある男性群では二つの脳領域のつながりが弱い傾向があった。

二つの脳領域は、他者と視線を合わせない、他者の気持ちが理解できないなどの社会的行動に深く関係するとされ、研究チームは「連結の強弱がASD傾向にあるかどうかを示す指標になる可能性がある」とみている。

 ASDの診断法はまだ確立されておらず、小児科医や精神科医らは臨床経験にもとづき、行動観察や家族からの聞き取りなどで総合的に判断しているのが現状だという。18日に記者会見した小坂特命准教授は「この手法は簡便で、幼少児への検査もしやすい。被検者を増やして数値化できれば、客観的な診断材料になる」と話した。(堀田浩一)

引用:朝日新聞 2014年6月19日(木)

2014年6月26日更新