子どもの貧困率16・3% 過去最悪を更新 老老介護、半数超す
厚労省、国民生活調査

 

平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」が2012年時点で16・3%と過去最悪を更新したことが15日、厚生労働省の国民生活基礎調査で分かった。前回調査の09年時点から0・6ポイント悪化した。深刻化する子どもの貧困問題に対応するため、政府は今月下旬に対策の大綱を閣議決定する。実効性ある対策の必要性が鮮明になった。

 また、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護を担うのも65歳以上という「老老介護」の世帯の割合は13年時点で51・2%と半数を超えたことも判明した。

 厚労省は子どもの貧困率が悪化した原因について「デフレ真っただ中の経済状況で子育て世帯の所得が減少したことが最大のダメージだ」と分析している。

 大人も含めて生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」は前回調査から0・1ポイント悪化の16・1%で、1985年の調査開始以降で初めて子どもの貧困率が上回った。

 厚労省は、母子世帯が10年と比べて約11万増えていることなどから「母子家庭では働いているお母さんの4割以上が非正規就業。そういった世帯の増加が反映された」としている。ひとり親など、大人1人で子どもを育てている世帯の人の貧困率は54・6%に跳ね上がる。

 経済協力開発機構(OECD)によると、加盟34カ国の10年時点の相対的貧困率の平均は11・3%、子どもの貧困率の平均は13・3%だった。

 全世帯平均の所得は11年比2%減の537万2千円。子どもがいる世帯の平均所得が同3・4%減だったことが響いた。

 65歳以上だけか、65歳以上と18歳未満の子どもが同居する「高齢者世帯」は、13年時点で過去最多の1161万4千世帯。全世帯の23・2%を占めた。

 調査は全国の世帯を対象に13年6、7月に実施。人員構成については約29万5千世帯のうち約23万5千世帯から、所得などについては約3万6千世帯のうち約2万7千世帯から回答を得た。

 ※国民生活基礎調査

 国民生活について政策立案や行政運営の基礎資料とするため、厚生労働省が1986年から毎年実施している。全国から無作為に対象世帯を抽出し、調査員が個別に訪問して世帯構成や就業状況、前年の所得などを記入した調査票を集計する。2013年は3年ごとに実施する大規模調査の年に当たり、「子どもの貧困率」や「要介護者の状況」なども公表した。

引用:共同通信社  2014年7月16日(水) 配信

2014年9月12日更新