カプセルか錠剤、どちらがいいの?
サプリメントは大別するとカプセル、錠剤、そしてソフトジェルの3種類があります。

ほとんどのマルチビタミンやマルチミネラルはいろいろな栄養素やハーブなどの原材料が混合されています。まれにビタミンB群がカプセルや錠剤に含まれると、他の原材料と競合して、「漏出す」場合や変色、あるいは異臭を放つことがありますが、内容に支障をきたす訳ではありません。その点、液状でジェルに入れられたマルチビタミンはこういう問題が少ないのも確かです。

また、カプセルの方が錠剤よりも小さめで飲み易い、という人も多いのも確かです。3種類のどれがよいかは好みです。ただ、ゼラチン材質のピルの原材料は動物源(大抵が牛か豚)がほとんどですので、ベジタリアンの方はよくラベルチェックした方がいいでしょう。

こんなに入ってて、化学反応でも起こさないの?
確かに、マグネシウム、亜鉛、カルシウムは競合し、銅と亜鉛も競合することがありますが、人体はそういった競合状態をうまく吸収する機能を備えています。そのためにも、こういったビタミンやミネラル類のサプリメントは食事と一緒に摂取するようにしましょう。空腹状態で摂取すると胃もたれやかえって吸収が悪くなったりします。

ビタミンCのお話

サプリメントと言えば、まず頭に浮かんでくるのがビタミン、その中でもビタミンCでしょう。それではサプリメントの代名詞的存在となっているビタミンC、どういった働きをし、サプリメントとしてはどの位を補助して摂取していく必要があるのでしょうか?

抗酸化ビタミンの代表選手「ビタミンCといえば美白の強い味方」程度に受け取られがちですが、実は体の美白だけでなく、体の各部の老化防止や機能低下を防ぐ、非常に重要な抗酸化ビタミンなのです。「細胞が酸化する」という現象は、以前にもこのヘルシートーク欄で説明した通り、生命の維持に必要な酸素がフリーラジカル化して体内の細胞を酸化させ、いわゆる「体を錆びた」状態にしてしまうことです。ビタミンCはこの「錆び」を防ぐ効果があることから、LDLと呼ばれるいわゆる「悪玉コレステロール」の酸化を抑制し、動脈硬化を防ぐいわゆる「血液サラサラ」効果が期待できます。その他のビタミンCの役割、効果を簡単にまとめると
1、体内のコラーゲン作成に必要で、血管や筋肉などの体内の各パーツを強化、骨の形成にも大きく関与
1、傷の治癒を促進
1、天然の抗ヒスタミン効果
1、抗ウィルス効果
1、胆汁の形成を補助
1、アルコールその他の解毒作用
1、高血圧、心臓病予防効果
1、血管壁膜の強化効果
1、白内障予防効果
1、糖尿性の眼病、神経病、腎臓疾患の予防
1、重金属類の体内蓄積予防、特に喫煙による有毒重金属が血管内の蓄積を防ぐ
1、骨折後におきやすい神経性炎症の予防
1、ぜんそくの諸症状緩和
1、癌予防
1、免疫力強化
等々、さすがの代名詞、ビタミンCはよくやってくれますね。

どのビタミンCが最も優れているのか
自然の摂理から行けば、自然界に存在するビタミンC源が一番望ましいのは言うまでもありませんが、ある程度のまとまった量を摂取するためのサプリメントですから、合成(ascorbic acid)でも、ルチンやローズヒップ、アセロラなどのファイトケミカルと複合体となっているものでも最良とは言えませんが、合成の単品ビタミンCよりは吸収が優れています。

ただし、このascorbic acidを摂取する際は食物と一緒に摂取しないと胃が荒れたりすることがありますので、要注意。心臓疾患予防のためにアスピリンを常用している方はascorbic acidよりも最近開発されたエスターC(Esterified vitamin C)と呼ばれるビタミンCの方がよいでしょう。このエスターCは体内への吸収が早く、水溶性(水に溶け易い)ビタミンであるCに特有の「すぐに尿となって体外に排出される」時間が遅い、つまり長い時間、体の中の滞在してくれる優れモノです。
この他の「チュアブル」つまりキャンディのように口の中でなめるビタミンCは甘味料や着色料など無駄、あるいは有害な原料が含まれることが多いですから、お勧めできません。

米国公認栄養士(CN) エルダース栄養科学研究所学術部長 柳 エレナ

2004.7.1 EAST-WEST JOURNAL