北大など確認
北海道大学などの研究グループはワカメやコンブに含まれる成分に、動物の代謝を活発にし、脂肪の蓄積を抑える肥満抑制効果があることを確認した。脂質の一種である「フコキサンチン」の働きによるとみられる。詳しいメカニズムの解明を急ぐ。
研究グループは北大大学院水産科学研究科の細川雅史助教授らと食品、化成品メーカーの理研ビタミン(東京・千代田)。
実験はマウスを使い、ワカメの脂質をエサに混ぜ、体重変化を調べた。エサの中に大豆油7%を入れて3週間飼育したところ、20グラム弱だったマウスの体重が約平均39.7グラムになったのに対し、大豆油5%、ワカメの脂質2%を混ぜた場合は平均34グラムとなり、約14%体重が少なかった。
脂肪組織の重さに差が出たとしており、ワカメの脂質が体内に吸収した脂肪分を蓄積するのを抑えるとともに、細胞中の脂肪の燃焼を助ける効果があったとみている。
また、ワカメの脂質に微量含まれる成分、フコキサンチンを脂肪細胞に添加する細胞実験では、油の分解を促す遺伝子の働き具合が通常より増加した。フコキサンチンが脂肪細胞中の脂肪を燃やし、代謝を強めている可能性が高いこともわかった。細川助教授は「ワカメの脂質の機能を応用できれば、脂肪を効率的に燃やして肥満を防ぎ、病気予防にもつながる可能性がある」と話している。
2004.9 日本経済新聞