家を出る前、鍵をかけたかどうかは気になるもの。しかし、度がすぎて何回もチェックするうちに、仕事に遅れたり外出できなくなったりする人は、強迫性障害と呼ぶ心の病が疑われる。

強迫性障害になると、不合理だとはわかっていても、不安をうち消すために何度も同じ行為を繰り返す。明治製菓のインターネット調査によると15歳以上の男女のうち5.6%に「疑いあり」という結果がでた。年代別だと「15−19歳」が10%強と最も高く、高齢になるほど割合が低くなった。

放っておいてもほかの病気を併発する心配はまずない。また、程度の差はあるがよく似た症状はだれにでもある。ただ、長引くと仕事への意欲が低下し人間関係の悪化などを招くといわれている。

発症の仕組みは未解明だが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンに関係しているということが分かってきた。薬物療法で症状が緩和する人も少なくない。

仕事に支障がでるなど生活の質(QOL)が著しく低下したら、専門外来などで一度診てもらうのがよい。


強迫性障害の兆候


★外出時、鍵を閉めたかどうか何度もチェックする
★1日に何回も手を洗わないと気が済まない
★嫌な考えに取り付かれて、なかなか頭から離れない
★時間通りに進めようと思うが、結果的によく遅れる
★ささいなことでも、「これでいいのか」と思う

※多く当てはまると要注意



2005.5.1 日本経済新聞