みぞおちやのどが焼けるような激しい胸焼けは「逆流性食道炎」の代表的な症状だ。胃液が食道へ逆流して起こる。暴飲暴食による単なる胸焼けと軽視していると、慢性化して腺がんというタイプの食道がんになる可能性もあるので注意したい。

逆流性食道炎は、胃の内容物が逆流するのを防ぐため食道とのつなぎ目にある括約筋と呼ぶ筋肉の機能が弱まることで発症することが多い。これまで患者の大半が高齢者だったが、虎の門病院健康管理センターの星原芳雄部長は「最近、30−40代の患者も増えている」と言う。

どうして若年化しているか、詳しくはわかっていない。食生活が欧米スタイルになったり、不規則な生活が続いたりすると発症しやすくなるとみられる。

胃・十二指腸かいようを患いヘリコバクター・ピロリ菌の除菌処置を受けると胃酸が出やすくなって逆流性食道炎になるケースもある。

胃酸の分泌を抑える市販薬を飲んでも症状が改善せず、何度も深刻な胸やけに悩むようであれば、一度、病院で内視鏡検査を受けよう。


逆流性食道炎の予防策

○脂肪分が高い物、刺激物、甘い物を食べ過ぎずバランスよい食事を心がける
○就寝前に食べない、食べたらすぐ横にならない
○間食しない
○飲み過ぎない
○胃が上がりやすくなるので前かがみにならない
○肥満にならない
○ベルトを強く締めない


2005.5.8 日本経済新聞