膀胱炎(ぼうこうえん)と診断され、抗生物質を服用しても症状が一向に良くならない――。こうしたケースは、原因不明の間質性膀胱炎にかかっている可能性がある。

患者は推計20万−40万人で、およそ9割が女性だ。膀胱の壁の筋肉が硬くなって柔軟性がなくなり、ためられる尿の量が減る。大腸菌などの感染によって発症する急性型と異なり、原因はまだよくわからない。アレルギーがかかわるともいわれる。

治療は対症療法しかない。尿道から膀胱に水を入れる水圧拡張術で症状をやわらげる。トイレに行くのを5−10分ずつ我慢して膀胱が少しずつ広がるよう訓練、治療効果を保つ。進行すると最悪、膀胱を全摘出しなければならない。

適切な治療をすれば病状の進行を食い止められる。ただ、抗生物質で直る急性型と症状がよく似ており、医師でも判断を誤ることもある。東京女子医科大学付属第二病院泌尿器科の巴(ともえ)ひかる講師は「急性ではなく間質性ではないですか、と医師に質問することも大事」とアドバイスする。



間質性膀胱炎が疑われる主な症状

○尿が膀胱にたまっていくと痛みや違和感が増す
○昼夜関係なく頻尿
○尿量が多い朝でも350cc以上出ない
○強い尿意があっても尿量が200cc以下
○抗生物質を2週間以上服用したが症状が消えない
○酢の物やかんきつ類を食べて半日くらいすると膀胱にしみるような痛みがある





2005.7.31 日本経済新聞