「血管年齢」を若く保つことで
健康な毎日を過しましょう

自分の「血管年齢」を知っていますか?「精神年齢」や「肌年齢」という言葉があるように、血管にも「血管年齢」があります。血管年齢を知ることで血管の老化度がわかり、さまざまな生活習慣病の早期発見につながります。今回は、東京医科歯科大学八王子医療センターの高沢譲二先生に「血管年齢」について具体的に伺いました。

「血管年齢」を高める大きな原因

「血管年齢」とは血管の硬さで決まるもので、硬ければ硬いほど血管年齢は高いということになります。血管が硬くなる原因の第一は血管の素材そのものが硬い場合。血管はもともと軟らかく弾力があるものですが、年齢とともに硬くなり、栄養の偏った食事や運動不足などの生活習慣によって、血管の内側にコレステロールがたまって血液が流れにくくなり、血管が「硬い・厚い・狭い」状態になってしまうのです。

一方で、血管の素材そのものは軟らかくても、高血圧やストレスによって圧力がかかり血管が硬くなることがあります。軟らかいゴム風船も空気を入れてふくらませると圧力がかかってパンパンに硬くなるでしょう。そして空気を抜くとまた軟らかいゴムの状態になる。高血圧はまさにこのふくらんだ風船と同じ状況といえます。たとえ柔らかい血管であったとしても、その時点での体調によって血管の硬さは大きく変化してしまうものなのです。

どちらの原因にしても血管年齢は生活習慣によって大きく左右されるもの。高血圧やストレスの多い生活を続けていると内側から硬くなってしまいます。加齢は避けられないとしても、生活習慣を見直すことで、血管年齢を若々しく保つことができるのです。

「血管年齢」で知る生活習慣病の危機

血管年齢を調べることは、自分の体の状態を知り、生活習慣を見直す大きな手がかりとなります。たとえば実年齢が40歳でも血管年齢が60歳であれば、高血圧や糖尿病、高脂血症、さらには心筋梗塞、脳卒中などを起こす危険性が高まっています。けれどもこの時点で生活習慣を見直せば、その危険を回避することが可能です。

50代、60代で多く発症する心筋梗塞にしても、実は突然起こるものではなく、20代、30代のころから蓄積されたさまざまな原因によって血液の流れが悪くなり、発症するのです。小さなゴミでも長年にわたって捨て続ければ目の前をふさぐほどの大きな壁になるでしょう。要はそれと同じこと。心筋梗塞や脳卒中はある日、突然起こるように思われがちですが、実は長年にわたる生活習慣を背景に、血管が少しずつ硬くなり急にふさがってしまった結果の症状なのです。

生活習慣を改善して血圧をコントロール
血管を守るためには血圧を上手にコントロールすることが大切です。それには生活習慣の見直しが欠かせません。ひとことで言ってしまえば「腹八分目でよく歩け」。さらに付け足せば、睡眠をよく取り、ストレスをためないこと。睡眠は体にとって究極のごちそうです。疲れを感じたときはぐっすりと眠り緊張して硬くなった血管をやすめましょう。そして日ごろからよく笑うことも大切です。そしてたまには思いっきり泣いてストレスを発散させることも必要です。また、血管の収縮を抑制する特定保健用食品を活用することも、血圧が高めの方にとっては有効な手段といえるでしょう。

生活習慣の改善は「あまり難しく考えず、かといって甘くみないこと」が大切。まずは食事、運動、睡眠のバランスを意識して、毎日をほがらかに送ることが肝要です。


日常生活から高血圧を防ごう

1.上手に改善 食生活
緑黄色野菜たっぷりの食生活を中心に、魚、大豆などを日々の食卓にバランスよく取り入れるように心がけましょう。
2.上手に継続 有酸素運動
ウオーキング、ジョギング、水泳など好きな運動を楽しく続けることが大切です。歯を食いしばって行う激しい運動より、気負わず気楽に汗をかく適度な運動をおすすめします。
3.上手に解消 脱ストレス
強い緊張やイライラ状態にときは血圧が上がります。半身浴で好きな本を読んだり、音楽を聴いたりゆったりと釣りを楽しむなど、自分流のリラックス法を身につけましょう。
4.上手に活用 特定保健用食品(トクホ)
特定保健用食品《トクホ》とは、健康の維持・増進に役立つと、厚生労働省から認められた食品です。「アミールS」は、血圧が高めの方に適したトクホとして安心してお飲みいただけます。


2005.9.24 日本経済新聞