女性性器がかゆくなる病気の1つに膣(ちつ)カンジダ症がある。普段は何の問題もないカンジダ菌と呼ぶ常在菌が増殖して発病する。命に別状はないがかゆみ止めの軟こうを塗っても治らない。早めに婦人科などで診てもらうことだ。

カンジダ症は抵抗力が落ちると症状が出やすい。菌は湿った環境を好むため、口の中や大腸などで増えることがある。

女性性器が痛がゆくなるほか、ぽろぽろしたチーズのようなおりものが出ることが特徴。顕微鏡で調べると他の病気と確実に区別できる。膣洗浄や塗り薬で治療することになる。

菌を持っていなくても性交渉によってうつることもある。感染後何年も症状がでないこともあり、感染源を特定することは難しい。男性は症状が出ても軽く、すぐ治ってしまう。

膣カンジダ症は再発することが多い。女性の健康の啓蒙(けいもう)活動する日本家族計画協会会長で医師の松本清一氏は「抗生物質を飲むとほかの常在菌とカンジダ菌とのバランスが崩れ、かゆくなりやすいので気をつけてほしい」とアドバイスする。


女性性器の主な感染症

膣カンジダ症 かゆみ、チーズのようなおりもの
膣トリコモナス症状 かゆみ、黄緑色のおりもの
細菌性膣炎 かゆみ、白や黄色っぽいおりもの

他に淋病、クラミジア、性器ヘルペス、梅毒など



2006.3.26 日本経済新聞