「口が乾いてビスケットか水なしでは食べられない」「涙が出にくく目がごろごろしている」――。こうした症状に悩まされているなら、免疫異常で発症するシェーグレン症候群かもしれない。40−60歳代の女性に多く、しばしば関節の痛みを伴う。

目や口が乾燥するのは、白血球が口の中の唾液(だえき)腺や目の涙腺を攻撃するためだ。厚生労働省の調査によると国内の患者数は約4万2千人だが「潜在的な患者数はさらに10万−20万人いるだろう」(東海大学の諏訪昭・助教授)。女性患者が男性患者に比べて10倍以上多い。

唾液の抗菌作用が低下するため虫歯になりやすい。分泌液が減って気管支炎や結膜炎にかかりやすくなる。口や目の乾燥はストレスや糖尿病などほかの原因でもよくみられる症状だが、関節炎を伴うとシェーグレン症候群の可能性が高い。

根治療法はない。目の乾燥には人口涙液による点眼療法がある。口の乾燥は水分を少しずつ補給、ガムをかむことで緩和する。唾液の分泌を促進する「エボザック」「サリグレン」という治療薬もある。


シェーグレン症候群の主な症状

△口が乾き舌が痛む
△涙が少なく目やにが多い
△関節が痛む
△疲れやすい



2006.6.25 日本経済新聞