舌がピリピリ、ヒリヒリと痛む舌痛症。実は患者の中には、強いストレスにさらされているなど心に問題を抱えているケースが多い。

従来の歯科領域に収まらないため、心のケアまでカバーして歯の治療にあたる心療歯科や口腔(こうくう)診療科などを早めに受診するのが得策だ。

舌痛症は舌の先端部や側縁部などに痛みや違和感があるが、食事中は逆に痛みがなくなるか軽くなる。原因を探しても見つからず、歯科医師から「何ともない」「気のせい」などと言われることも少なくないという。納得できない患者は舌がんを疑ったり、いくつもの病院を訪ね歩いたりする。

きちょうめんで物事にこだわりすぎる性格の人がなりやすい。患者は50−60代の女性が多い。昇進をきっかけにうつになった男性が発症した例もある。

日本歯科大学付属病院心療歯科センターの長谷川功講師は「原因を突き止めて、患者が納得するまで説明すると症状が軽減することが多い」と解説する。趣味を持つなどなるべく気をそらすのも効果


舌痛症の主な原因

・強いストレス
・うつや神経症を発症
・舌がんに対する不安や恐怖
・治療した歯などがきになって舌で確かめる癖がついてしまった


2006.9.17 日本経済新聞