ぬるめのお風呂で半身浴


冷えに悩む女性のとって、つらい季節が近づいてきた。花王の調査によると冬に冷えで困っている女性の割合は6割を超えている。ウィメンズクリニック南青山(東京・港)の小杉好紀院長は「冷えは頭痛や生理痛、肩こりなどを引き起こす要因にもなり、冷えのせいで安眠できなければ疲労もたまる。軽く見ないで、日々解消するよう心がけてほしい」と話す。では、自宅で手軽にできる対処法にはどのようなものがあるのだろうか。

まずおすすめは入浴。方法としては「1回あたり20−30分程度を目安に、38−40度の湯にみぞおちあたりまでつかる半身浴」(花王広報部)がよいという。ぬむめの湯にゆっくりつかることで、体を休める副交感神経の働きが優位になり、体が芯から温まるとともに、リラックスもできる。あわせて、温浴効果の高い入浴剤を使用するのもいいだろう。

時間がないときや入浴できないときは「温熱シート」を使う方法もある。商品により使い方などは異なるが、蒸気や発熱成分などの作用によって40度前後の温度で体を温める仕組みのものが多い。
温熱シートを使う場合、小杉さんは「腰と首に重点を置くのが効果的」だと話す。腎臓の下にあたる腰と首の後ろに熱を作り出す働きをする脂肪細胞があり、手先や足先が冷えているときでも、ここを温めることが血行促進につながるからだ。室内でも首にマフラーを巻くなど、首や腰を暖める工夫をするのもいい。

京王百貨店新宿店で健康関連用品などを担当する竹中芙美さんも腰周りを温めるはらまきをすすめる。「最近はウエストウォーマーと呼ばれることも多く、素材もデザインも多種多様。ゲルマニウム配合といったものも人気。好みや肌質に合わせて選ぶといい」とアドバイスする。
「冷えにはストレスも少なからず影響していると言われており、緊張を解くことも重要」と小杉さんは指摘する。専門家らのアドバイスを参考に、自分の生活スタイルにあった方法を探して、この冬を乗り切りたい。
(インフィニティ  石田 美穂)

2006.11.11 日本経済新聞