外食や弁当にスパイス

人が1日に消費するエネルギーは生命活動を維持するための基礎代謝、体を動かすための生活活動代謝、食事に伴う代謝(食事誘導性体熱産生=DIT)の3つがある。ダイエットなどのため代謝をアップさせるなら運動で筋肉を維持することが最も効率的だが、運動の時間を日々確保するのは難しいかもしれない。そこで手軽に取り組め、DITを高めることが期待できる食事について管理栄養士の牧野直子さんのアドバイスをもとにまとめてみた。

レモンやオレンジ、グレープフルーツなどのかんきつ類、梅干し、酢に含まれるクエン酸は、食事でとった糖質や疲労時に生まれる乳酸、体脂肪などをエネルギーに変える働きを高める。忙しい朝でも、梅干しやオレンジジュースなら手軽にとれるだろう。

トウガラシやこしょう、カレー粉などのスパイス類は、交感神経を刺激して体温を上げる。料理に活用するほか、外食や弁当の場合には携帯して使うという手がある。タマネギ、ニンニク、ネギなどの香味野菜にも同様の効果がある。おいしいと感じたり、よくかんで食べたりすることも交感神経を活発にするので、食事はゆっくり楽しみたい。

タンパク質は炭水化物や脂肪に比べて食後の熱産生が大きいのが特徴だ。筋肉を構成する栄養素でもあり、夜は必ずとりたい。タンパク質と同時にビタミンB群をとると、スムーズにエネルギーに変えることができる。豚肉はタンパク質が豊富なうえ、100グラムで大人が1日に必要とするビタミンB1をとることができるおすすめ食材だ。

(リアルシンプルジャパン編集部)
2007.4.1 日本経済新聞