急に立ち上がったとき、立ちくらみやめまいが頻繁に起こるようなら、起立性低血圧症かもしれない。血圧を正常に保つ神経の働きが鈍って発症する。

寝ている時と立った時の血圧の差が20以上だと、起立性低血圧症と診断される。神経の働きが未発達な子供によく見られるが、成長すればよくなることが多い。血管が弱くなる高齢者やダイエットなどで神経の働きが乱れている若い女性、高血圧の薬を飲んでいる人でも起こる。

中高年の人で頻繁に起こるようだと、深刻な病気が隠れているかもしれない。糖尿病などの早い段階で起立性低血圧症が見られることもある。北神経内科平山記念クリニック(東京・目黒)の北耕平院長は「ほかの病気の早期発見になることもある。早めに病院で検査してほしい」と言う。

起立性低血圧症と診断されると、ビタミンB1や神経の働きをよくする薬を処方してくれる。ただ生活を見直すだけでも効果はある。水分を十分とって塩分も補い、ベッドを斜めにして頭を高くして寝るようにする。立った時に血圧が下がりそうになったら「足を交差して引き締めるだけで血圧が上がり、立ちくらみは解消される」と北院長は言う。


起立性低血圧症の主な症状(立ち上がったとき)

立ちくらみ
失神
首筋から肩にかけての痛み
耳鳴り
目のかすみ




2007.6.24 日本経済新聞