手足は細いが腹は出てるビヤ樽体形に効果的な方法は


運動不足で腹部肥満の高齢者には抵抗運動と有酸素運動の組み合わせがもっとも適している

これまで運動不足で腹部肥満の高齢者におけるインスリン抵抗性と身体機能制限を同時に低減させる運動戦略としては、抵抗運動と有酸素運動の組み合わせが最適である

Laurie Barclay

【2月5日】今まで運動不足で腹部肥満の高齢者のインスリン抵抗性と機能制限を同時に改善するには、抵抗運動と有酸素運動の組み合わせが運動方針としてもっとも優れているという試験結果が『Archives of Internal Medicine』1月26日号に発表された。

「高齢者の慢性疾患と生活機能障害のリスク因子の低減において、抵抗運動と有酸素運動が不可欠であることを識者は推奨している」とLance E. Davidson, PhD(クイーンズ大学、カナダ、オンタリオ州キングストン)らが記している。「しかし、抵抗運動と有酸素運動を組み合わせることで、疾患や生活機能障害のリスク因子に対する効果がそれぞれの運動手法単独よりも増大するかどうかについてはよく判っていない。」

2002年9月30日から2006年11月15日までの期間でクイーンズ大学において、運動不足で腹部肥満の高齢者(男女)総数136例を募集し、ランダム化して、6カ月間の抵抗運動、有酸素運動、抵抗運動と有酸素運動(組み合わせ運動)、運動をしない対照の4群に割付けた。主要エンドポイントは、高インスリン正常域血糖クランプ法によるインスリン抵抗性の変化と、4種の検査の変化の平均(平均zスコア)で見た運動制限の変化である。分析はintention-to-treatで行った。

インスリン抵抗性は、年齢、性別、試験開始時の値で調整すると、有酸素運動群と組み合わせ運動群は対照群よりも改善したが、抵抗運動群は改善しなかった。組み合わせ運動群の平均値は、抵抗運動群よりも改善したが(毎分骨格筋1 kgあたり9.2 ± 1.3対1.8 ± 1.3 mg/mL/μIU×100、[P < 0.001])、有酸素運動群に比べると有意ではなかった(毎分骨格筋1 kgあたり9.2 ± 1.3対6.5 ± 1.3 mg/mL/μIU×100、[P = 0.46])。

機能制限は、すべての処置群が対照群に比べて有意に改善した。組み合わせ運動群の改善の程度は、有酸素運動群よりも有意に大きかったが(0.5 ± 0.1対-0.0 ± 0.1、スタンダードユニット、zスコア、P = 0.003)、抵抗運動群に対しては有意でなかった。抵抗運動群と有酸素運動群の改善は有意差がなかった。

この試験の限界としては、腹部肥満のサンプルが白人の男女が多くを占めていて一般化に問題があることと、すべての運動セッションを指導下で行い、個別化した食事プランの順守を奨励することで被験者が動機付けられるという理想的な条件で行われたことが挙げられる。

「これまで運動不足で腹部肥満の高齢者におけるインスリン抵抗性と身体機能制限を同時に低減させる運動戦略としては、抵抗運動と有酸素運動の組み合わせが最適である」と著者らは記している。「抵抗運動と有酸素運動によって、疾患と生活機能障害の確立したリスク因子であるインスリン抵抗性と身体機能制限を同時に軽減することを高齢者に奨励することが医療提供者には求められる。」

この試験は、カナダ保健研究機構の支援を受けている。共著者のRobert Ross, PhDは、M&M Mars社、Roche Pharmaceutical社、sanofi-aventis社、Human Kinetics社との間にさまざまな金銭的関係があることを開示している。

Arch Intern Med. 2009;169:122-131.

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape

2009.2.10  記事提供 Medscape