日本人のDNAは、欧米人と違う発症機序?


夜間頻尿 メタボご注意 やせた人でも…日本人特有です

欧米では高齢の太った人に多いとされる夜間頻尿の症状が、日本人では、やせた人でも多く発症することが、福井大の横山修教授(泌尿器科学)の研究で分かった。欧米の研究では、高血圧、高血糖、高脂血症といったメタボリック症候群の因子を抱えた人ほど夜間頻尿になりやすいとされるため、やせた人が夜間頻尿になった場合、メタボリック症候群の因子が潜んでいる可能性があるという。

 夜間頻尿とやせ形との関連を示す報告は初めて。16日から岡山市である日本泌尿器科学会総会で報告する。

 横山教授らは、05年に福井県の健康診査を受けた女性1万8952人の検査結果を基に、肥満度と夜間2回以上トイレに起きる夜間頻尿、高血圧などの疾患の関係を調べた。

 肥満度は国際的な指標となっている体格指数(BMI)を使用。60歳以上、70歳以上、80歳以上の各年代とも、正常BMIの人に比べ、BMI25以上の「肥満」と同18・5以下の「やせ形」の人で夜間頻尿の割合が高く、やせ形の夜間頻尿の割合は、80歳以上で15%、70歳以上で9%、と肥満の各8%を上回った。前立腺検診を受けた男性3624人の分析でも、60歳以上ではやせ形ほど夜間頻尿の症状がみられた。

 横山教授は「日本人は、やせた人でも高血圧や糖尿病になると指摘されているが、夜間頻尿でも同様のようだ。夜間頻尿になったら、やせた人でもこれらの病気を疑い、医療機関などで検査した方がよい」と話している。【高野聡】


2009.4.15 記事提供 毎日新聞社