動脈の血管がもろくなったり、内壁にコレステロールなどの物質が付着したりする動脈硬化は、まず血管の内皮細胞がいたむことで起き、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病によって促進される。このメカニズムに関与しているのが酸化ストレスという現象だ。

酸化ストレスをもたらす主要な物質が活性酸素。たんぱく質や脂肪など体内の様々な物質を酸化、変成させ、本来の働きをなくしてしまう。もともと体内にはビタミンEなど活性酸素の働きを抑える抗酸化物質が減少している。

例えば高血圧症患者の場合、血管壁に物理的な圧力がかかり、血管壁を引き伸ばそうとする。機械的刺激が活性酸素を増やし、酸化ストレスを増加させると見られる。だからこそ、生活習慣病の予防が大切なのだ。

(2001.7.7 日本経済新聞)