2倍超の流行、CHX液はノロウイールスに有効

 嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す感染性胃腸炎の患者が急増していることが、国立感染症研究所の集計で20日、分かった。ほとんどはノロウイルスが原因とみられる。この時期としては過去10年で2番目に多く、昨年の2倍以上に上る。

 同研究所感染症情報センターの安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「予防には、せっけんを使って手洗いをしっかりすることが大事だ。子どもを中心に感染が広がるため、嘔吐や下痢の症状がある場合は保育園や幼稚園、学校に行くのを控えてほしい」と話している。

 全国約3千の小児科から報告された感染性胃腸炎の患者数は3週連続で増加。7歳以下が70%以上を占める。今月1〜7日の1週間は、1カ所当たり5・3人。過去10年で最多は2006年の7・1人で、昨年は2・4人だった。

 都道府県別では、山形が19・8人で最も多く、次いで大分19・1人、新潟11・5人、山口11・4人、長崎10・7人と続く。新潟、山口、福岡、長崎、大分の増加が目立っている。8日以降さらに増えている地域もあり、全国集計は今後も増加しそうだ。

 流行は12月にピークを迎えることが多い。

 ノロウイルスは、主に患者の嘔吐物や便を介して感染し、感染力は非常に強い。症状が続くのは数時間から数日と比較的短いが、特効薬はなく、水分補給が欠かせない。嘔吐物や便などを処理する際は周囲に広がらないように注意し、塩素系消毒剤による消毒が効果的だ。



2010.11.22 記事提供:共同通信社