桑の葉で糖尿病予防


桑の葉で糖尿病予防、昭和薬科大大学院・小野寺敏准教授

 14日は「世界糖尿病デー」。世界中で急増する糖尿病の予防を呼びかける日として国連が定め、都庁など国内146カ所の建物がシンボルカラーの青色にライトアップされる予定だ。町田市の昭和薬科大大学院准教授の小野寺敏さん(59)=病態科学=は約15年間、桑の糖尿病予防効果を研究。「桑を生活に取り入れることで糖尿病の予防につながる」と呼びかけている。【斎川瞳】

 厚生労働省の統計では、国内の糖尿病と予備群は約2210万人に上り、成人の4人に1人以上に糖尿病の危険があるという。網膜症や神経障害、腎症などの合併症を起こしやすく、最近の研究では認知症の危険が高まることも分かっている。

 小野寺さんは、桑の葉に含まれる「1―デオキシノジリマイシン」が血糖値の上昇を抑えることに着目。桑の葉をベースとした自然食品で血糖値の抑制を目指している。玉川大農学部(町田市)の八並(やつなみ)一寿教授(食品機能)らとの共同研究で、桑の葉のエキスとプロポリス(蜂の巣から抽出した健康食品)を混ぜた「桑ポリス」の開発にも成功した。

 全国の研究者や医師と行った臨床実験では、食事と一緒に桑ポリス0・7ミリリットルを溶かした水を糖尿病患者12人に1カ月間飲用させた結果、ほとんどの患者の血糖値が低下。目立った副作用も確認されなかった。小野寺さんは食事時に桑茶を飲むことを勧める。「飲んですぐに劇的な効果が出るものではないが、普段から飲み続けることで確実に糖尿病が予防される」と話している。

〔多摩版〕


  2013年11月14日 提供:毎日新聞社