海藻で機能性食品開発 廣貫堂、
アカモクの効果確認



廣貫堂(富山市梅沢町、飯田光孝社長)は、富山湾をはじめ日本沿岸各地に自生する海藻「アカモク」を用いた機能性食品を開発している。動物実験などで、アカモクの成分がインフルエンザやヘルペスウイルスの増殖を抑制したり、血糖の上昇を抑える効果があることを確認。来年度末までに、アカモクを配合した製品を発売したい考えだ。 (経済部・荒木佑子)

アカモクはホンダワラ科の海藻で、一部地域で食用とされている。氷見市では「ナガラモ」と呼ばれ、近年は「海とろめし」の食材として注目されている。

廣貫堂は、病気の予防につながる健康食品の開発を強化しており、さまざまな素材を研究する中でアカモクの機能性に着目。2011年3月から富山大大学院医学薬学研究部と開発研究を始めた。

実験では、アカモクから抽出した多糖「フコイダン」をインフルエンザに感染したマウスに投与すると、投与しないマウスと比べ肺や気道内のウイルス量が減った。その後、ウイルスの感染力を中和する抗体が増えたことから、再感染を防ぐ作用も期待される。ヘルペスウイルスでも同様に、増殖や発症を抑える効果があることを確認。これらの結果を基に特許を出願した。

県立大、石川県立大との研究で血糖上昇抑制作用があることも実証した。研究はいずれも、ほくりく健康創造クラスターと県の支援を受けた。

有用性が実証できたことから、アカモクの効果的な抽出・調整方法や剤形などを検討し、早期の商品化を目指す。


2013年11月11日 提供:北日本新聞