2020年4月15日号 マイタウン掲載 |
信じて使っていたら歯と歯肉をダメに?A |
やわらかい歯間ブラシは、プラスティックの柄で安全に思えますが、これが曲者。10代・20代で、まだ歯肉が歯肉炎程度で歯の間が下がって歯が長くなっていなくても、使い続けることで歯肉炎を余計に悪化させてしまいます。炎症が進行すると、本当に骨吸収まで起きて歯肉が下がってしまいます。これを専門用語でアタッチメントロスと言います。これは、歯の根表面と歯肉が結合している歯周ポケットの底の結合シールが、感染による炎症で破壊され、感染バイオフィルムが根表面まで入り込んで深くなることです。こうなると、歯肉炎ではなく歯周病の骨吸収で、歯並び・かみ合わせも歯のジグリングの揺れで変化し、奥歯の内傾と小臼歯・犬歯の咬耗進行により奥歯の歯周病だけでなく前歯も骨吸収が進行し、40代ではかなり歯科治療が大変になります。毎日、歯ブラシだけの手入れの人も、同じように歯周病は進行します。フロスは大事です。 |
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2020年3月15日号 マイタウン掲載 |
信じて使っていたら歯と歯肉をダメに?@ |
美白・ホワイト・ステインクリア、歯をツルツルにする粒入り・ビーズ入り、歯周病予防というコピーで書かれた歯磨き粉の成分を見て、ポリリン酸・フルーツ酸・リンゴ酸・ケイ酸類・シリカ・ゼオライト・塩化カルシウム・ハイドロキシアパタイトとあれば、これらで毎日朝晩、普通の歯ブラシで磨き続けると必ず歯肉退縮したり、歯の表面エナメル質が薄くなったりします。そして、どんなフッ素が入っていても、再石灰化した表面は削れます。殺菌剤も、トリクロサンやCPC(逆性石鹸)が入って「浸透殺菌」と言っても嘘になります。CHX以外の殺菌剤は効果が弱く浸透もしません。ましてやうがいだけで、ばい菌膜の中まで殺菌できません。洗車で水を掛けただけできれいになりますか? 洗口剤(マウスウォッシュ)は歯磨きで使うようにしましょう。ノーブラシでOK!なんて信じて、うがいだけなら、隠れ虫歯や隠れ歯周病が重症化します。
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2020年2月15日号 マイタウン掲載 |
感染と繁殖A |
口の中にいるバイ菌が増えてバイオフィルムになる前に、早めに除去します。バイ菌は食後1時間で1万倍に増殖しながら、酸とデキストランというネバネバゼリーを作り、歯の間や根元や粘膜表面にバイオフィルム膜を作ります。4時間も経つとかなり根を張って、お風呂の黒いカビ菌の根のように、除去するのが難しくなります。数時間もすると菌同士の情報交換で、より病原性や生活活性の強い活発な菌が増えます。バイオフィルムの中には、嫌気性の鞭毛菌や、らせん運動をするスピロヘーターなど、唾液中や血管内で時速換算で800キロというジェット機のスピードで移動する歯周病菌群が増え、菌たちは情報交換しているため、菌の病原性が増悪するのです。菌は川上である口の中で増え、喉・気管・食道の粘膜上に、さらには川下である胃腸・お尻までつながって悪玉菌が増えていきます。川上である口は早めに、食べたら3分以内にお手入れして流しましょう。
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2020年2月1日号 マイタウン掲載 |
口呼吸の弊害と歯並びの関係K |
医療安全を考えた予防歯科、長期耐久性longevityな、お口の中の安全を目標にした治療を! 無意識で行っている口呼吸をするための低位舌ポジションは、舌筋肉のエネルギー消費が少なくなっている状態なので、やがて舌肥満となります。舌根肥大化は咽頭気道の狭窄を招くので、誤嚥や呼吸不全を常態化します。そして、血中酸素濃度が低下することで脳や全身臓器の極小毛細血管を消失させます。よって、薄毛ハゲ、シミやシワ、頭痛など老化病の原因となります。口呼吸は、脳冷却不足で脳機能の低下を招き、視床下部・脳下垂体、前頭野の情報処理が低下するので、代謝障害、子どもの発達障害、老人の認知障害の原因にもなります。米国では、子どもの92%に呼吸不全が発生していると報告されています。幼児期から、早期の舌トレを含めたオーラルフレイルの予防が急務です。充電のため今回で休稿します。ご愛読ありがとうございました。
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2020年1月合併号 マイタウン掲載 |
口呼吸の弊害と歯並びの関係J |
医療安全を考えた予防歯科、長期耐久性longevityな、お口の中の安全を目標にした治療を受けましょう。
無意識のうちに行っている口呼吸をするための低位舌ポジション。舌筋肉のエネルギー消費が少なくなっている状態なので、やがて舌肥満となります。また、顎下の首筋に肥大舌筋が乗ることで二重顎にもなります。舌の肥大化は呼吸不全を常態化します。血液中の酸素濃度の低下は脳と全身の極小毛細血管を消失させ、薄毛ハゲを招いたり、頭痛など多くの病の原因となったりしていきます。口呼吸は、脳の機能熱の冷却不足で脳機能の低下を招き、子どもでは発達障害など総合障害を、老人でも記憶障害・認知障害を起こします。米国の調査では、子どもたちの92%にこのような状態が発生していると報告されています。幼児期から、早期の舌トレを含めたオーラルフレイルの予防が急務です。
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