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特集アマルガム



1.アマルガムの影響
2.米国で始まったアマルガム撤廃の動き
3.アマルガム治療に反対する
 
アマルガムの影響


2002年04月29日/英・ロンドン

 歯科医師は記憶障害や腎疾患に陥りやすい。これは充填用アマルガムに含まれる水銀に長く晒された為だとする報告があった。

スコットランドのグラスゴー・ロイヤル・インファーマリーの研究者が行った180人の歯科医師を対象にした研究で、
尿中及び爪に含まれる水銀量が最高で平常値の4倍にもなり、一般と比較して腎障害や記憶障害に陥る例が多かったことを報告。

「今回研究対象となった歯科医師と比較群との間には、健康や記憶機能に関して大きな差があったのです」と話すのは、この研究の著者、イワン・マクドナルド医師。

研究は労働環境医学誌に掲載されている。

「今回明らかになった歯科医師と比較群の差がすなわち水銀暴露に結びつくとは言いきれませんが、
高濃度の水銀への暴露で同様な健康障害が生じていることは隠しようもない事実です」と話す。

水銀は150年にわたって歯科用材料として用いられてきているが、一部の歯科医師や研究者は、水銀の入った歯科用アマルガムが有害な水銀蒸気を発生しうること、それが歯科医師や患者さんを危ぶむものであることを主張している。

水銀は体に有害で、腎臓やさまざまな臓器を侵して健康障害をひきおこし、アルツハイマー氏病のような神経疾患にもかかわるといった、歯科用アマルガムに対する批判だ。

しかし歯科医師会は、他の金属とまざったアマルガムの状態では問題はないとし、アマルガム充填と健康障害を明らかにした科学的裏づけがないことにも言及。

今回の研究では、研究者らは尿中、毛髪、爪の水銀レベルを比較したほか、精神活動能試験、反応時間試験、言語記憶能とあらゆる健康問題をチェック。対象になった歯科医師は180人、比較群も180人とした。

結果、
歯科医師の体内にはさまざまな金属が高濃度に検出され、健康問題も多かった。また、さまざまなテストの結果も比較群と比べて明らかに低下していた。


もちろん、この水銀を使った、アマルガムをお口の中に入れられた患者さんはそれ以後、ず〜と、放射能半減期もなく、水銀イオンに体内が被曝され続けるのですから、歯科医師の体内汚染どころでは、ないのです。
 

体内水銀を排泄するには?(今できるアンチエイジング医学)
 
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米国で始まったアマルガム撤廃の動き

1999年


水銀50%の歯科充填物、人体への毒性を危惧
充填者の血中には
6倍の水銀

現在アメリカは、歯科用充填材「アマルガム」を撤廃する方向に進んでいる。アマルガムに関する規制や訴訟問題はあとをたたない。昨年末には「アマルガム充填の危険性を広く喚起し、5年を目途に歯科界から撤廃する」法案を米国議会に提出するとの報告がなされた。これはアマルガムに関する連邦レベルでの初の法案となる。

 

■米国で起こった新たな訴訟
 

米国カリフォルニア州で今年3月、6歳の自閉症児ダニエル・ガレアノちゃんの両親が、カリフォルニア州歯科医師会を訴えた。母親の口腔内に施された9箇所のアマルガム充填が、子供の自閉症の原因になったとするもの。アマルガムの毒性成分が胎児に移行し、予測できないダメージを与えたという。

アマルガムには重量%で50%の水銀が含まれているが、
水銀は、人体に有害な物質の中でも最も神経毒性が強い。自閉症は神経失調で生じる発育不全症状のひとつだ。

被告側には、カリフォルニア州歯科医師会のほか、アマルガム充填材料を供給する20社を超す歯科材料会社も含まれる。主訴は「患者の安全を脅かし、毒物をおもむくままに販売し続けたこと」「そのような不当な治療を続けたこと」「商法上の詐欺罪にあたる」など。

水銀毒性の権威、ケンタッキー大学化学教室ボイド・ハーレー教授は「この件でアマルガムと自閉症の因果関係が明らかになり、訴えが認められる可能性は大いにある」と話す。すでに
アマルガム充填を受けた患者の血中や尿中には、充填を受けていない人の5倍から6倍もの水銀が検出されていることがわかっている。

 

■相次ぐ規制・訴訟問題
 

カリフォルニア州歯科医師会にとってこのようなことは今回が初めてではない。昨年6月にも消費者団体により同様の訴訟を起こされた。水銀を使用した歯科材料を「銀の詰め物」と偽って使い続けたとするものだ。実は9年前、すでにアマルガムを危惧する消費者団体から歯科医師会は対応を迫られていた。にもかかわらず、カリフォルニア州歯科評議会はこの間報告書を提出せず、対応を見送っていた。この怠慢に評議員のリコール要求が出され、カリフォルニア州立法府は昨年9月、リコールを採決。評議員を総入れ替えした。カリフォルニア州議会は大荒れだったという。

そしてついに、11月初め、カリフォルニア州知事は水銀撤廃の法制化に向けて法案を提出。法案には、水銀を使用した体温計の撤廃も含まれる。
「水銀は地球上の生物に蓄積する持続的毒性の高い毒物である」としている。

このほか、
コロラド州ではすでに数年前から、アマルガム充填の制限が法制化されている。また、2000年にはメーン州、アリゾナ州で「歯科医師は水銀の潜在リスクに関する詳しい情報を患者に提供すること」が義務化された。

ロードアイランドでは今年、コストが高い水銀不使用(ガリウムを使用)のアマルガムを用いた治療への保険適応を要求し始めた。

 

■安価で使いやすい材料アマルガム
 

アマルガムは修復材料として14世紀という長い間使用されてきた。充填後の硬化傍聴による問題や、水銀毒に関する危惧は、1830年頃の米国上陸時から指摘されており、米国口腔外科医学会ではアマルガム使用を禁じる動きも見られた。しかし、使用賛同者が多い米国歯科医師会が優勢を極め、1859年のアマルガム安全宣言に手伝って米国での使用が一般化した。アマルガムが歯科治療に定着した理由として、材料が安く手に入れられた事、治療への応用が簡単だった事が挙げられる。

現在使用されているアマルガム充填物の組成は、水銀50%、銀35%、スズ9%、銅6%、少量の亜鉛。1970年代には年間100トンのアマルガムが使用されていたが、現在は70トンとなっている。特に臼歯部の充填処置に、歯科医師は依然好んで選択している。その割合は92%と高い。

 

■アマルガム賛否両論
 

1億人を越す米国人の口腔内にある、最も普及した充填物アマルガム。反対派は「歯科医師が、水銀を使用した材料のリスク情報を抑えてきた」と訴える。

一方で、アマルガム充填が有害だと
言い切ることはできないとする歯科医師もいる。「確証が無い。自分自身の口にも、子供の口にもアマルガム充填がある。問題を自覚したなら、使うわけがない」と話す。

 

■撤廃の動きは全米に
 

とはいえ、歯科用アマルガムが撤廃され、アマルガム充填が過去の遺物となる事はもはや間違いないようだ。現在、あらゆる医療から水銀使用を撤廃しようという動きがあり、対象は、体温計、ワクチン、消毒剤も含まれる。政策的に見ても、医学的に見ても、この流れの中、口の中でそれが使われ続ける事は矛盾している。

日本経済新聞

 

■ノルウエーが歯科用アマルガム(銀・水銀合金)を禁止
 
Norway Bans Dental Amalgam

Norway has acted in the New Year to discontinue the use of dental amalgam. The action was part of a sweeping effort to restrict the use of mercury and was done so largely for environmental reasons. It’s possible that Sweden may have taken a similar action, but we have not been able to adequately verify this with reliable information at this time (we will provide additional information next week if the issue flares up in the media). No new scientific studies or other new data have been cited as calling for this sweeping action.

The ban is not expected to have any economic impact in these countries because of their national health care systems ? for example, Sweden’s health care system stopped paying for amalgam fillings years ago.

Norway’s announcement has not made news in the United States yet.
Should the media pick up on this story, you may receive inquiries from your
patients. We encourage you to be prepared by visiting ADA.org.

Patients may also want to visit the public side of ADA.org for credible oral health information.

ADA this week posted a new patient education brochure (free of charge)
about dental restorative materials, which you may want to download and have
available for your patients.

Dental Fillings Facts (Abstract)
Dental Fillings Facts (Full)

 

アマルガムによる修復をセラミッククラウンで再修復した例セラミックインレーで再修復した例

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アマルガム治療に反対する


2012年11月30日/クリニカル・M・リポート新聞

 1820年、フランスで窩洞充填用に使用可能な合金が紹介され、1826年にはA.Taveauが銀アマルガムを開発し報告した。

その後すぐに、ふとどきなCrawcour兄弟が、アマルガムを驚異の新材料と称し米国に持ち込んだ。しかしながら、全く知識がなかったことから窩洞形成をすることなくアマルガムを歯間部に押し込むように充填したことから、多くの
歯肉炎や骨欠損を引き起こすことになった。

エリエザーは彼の臨床経験から、ニセ歯科医師たちによるアマルガムの誤用、そしていわゆる歯科医と呼ばれている人たちでも疑いを持たない患者にアマルガム充填が、
根尖膿瘍を引き起こし結果的に抜歯に至ることを示した。

このことからエリエザーは、あらゆる金属アマルガムや銀ペーストの修復材料の使用に対し激しく反対し、米国におけるアマルガム治療の中心的な反対者となった。

そしてエリーシャ・ベーカー、ソリマン・ブラウン、チャピン・ハリス、ジャヒールらとともに委員会を立ち上げ、正式に反対を表明していった。


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