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新しい、プロフィーの進歩

歯の着色を綺麗に、スムースに除去するプロフィーという器具があります。
WF当院ではかねて、PMTCのクリーニングや、治療の接着効果促進の為などに、ドイツKaVo社のものを10年間使用してきました。使用感、使用後の歯の状態などが安定して、好評です。
それに加えて、新しいエアフローによる歯のクリーニングをおこなっています。
EMS社 エアフロー用パウダーも、ご紹介いたします。



EMS社 エアフローパウダー
エアフローパウダー 歯面研磨剤です。

■ぺリオ
歯肉付近の歯面やインプラント周辺の清掃、バイオフィルムの除去に・・・
グリシン95%以上配合
平均粒径:25μm

■ソフト
軽度のステイン除去。矯正装置周辺の清掃に・・・
グリシン95%以上配合
平均粒径:65μm

主成分グリシンって!?
アミノ酸の一種で、コラーゲンなどに多く含まれている成分です。
甘味があり、食品添加物として広く用いられています。
重曹に 比べて、グリシンの清掃力は低いですが、面が滑沢に仕上がります。 エアフローパウダーのぺリオとソフトはグリシンパウダーです。
 
ドイツKaVo社プロフィー
衛生士レポート

新しいプロフィーですが、以前のものと比べかなり使い勝手は良いです。先が180度回転するため、歯芽の表面の角度に容易に合わせやすいですし、把柄部がコントラ同様に細いので、握り易く疲れません。パウダーも一回使用して余っても容器をわざわざ詰め替えることなく使用できますので。パウダー自体も今までのかなりしょっぱい味と違いミントの味なので、患者様からも好評です。前回のものにはあった術後のヒリヒリ感もさほどないようです。パウダー自体の粒子が更に細かくなっている様ですので、それも一つの要因かと思われます。ポケットが深い部分へ直接の吹き掛けは浮腫の原因となるので、取り扱いには注意です。以前のもの同様にプロフィーしたあとはRDAの低い研磨剤でのラバーカップでの研磨は必須です。とにかく以前のものと比べての欠点はないかなと思います。
2007.11.18 トーマス陽子
 
新言葉説明
衛生士レポート(2011.9.28)
新しい技術や言葉、器機について当院の衛生士がレポートしました。

デブライドメント

(歯周病の原因となる歯肉縁下のプラーク、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織を除去すること)
ピエゾンを使うことにより、縁下歯石除去を従来のハンドスケーラーでガリガリやるのに比べて、約3分の1の時間できれいにすることができるようになる。術後の知覚過敏は大幅に減少するとの事。

参考論文:SPT におけるデブライドメントの効果所沢市開業 内山 茂

インフェクションコントロール

細菌、ウイルスに対する院内感染予防対策のこと。

歯周インフェクションコントロール

歯周インフェクションコントロールは、生体と細菌のバランスで炎症疾患が起こらない程度に感染を制御すること。
すなわち歯肉縁上・縁下の感染コントロールである。
従来は、プラークコントロールという言葉が用いられてきたが、プラークを全てに除去しなくても、炎症を引き起こすまでに至らない程度であれば臨床的にはコントロールされていることから、現在では歯周インフェクションコントロールという言葉に日本でも移行していくであろう。
WFでは、すでに20年以上臨床で、このインフェクションコントロールを行ってきています。プラークを除去するケアではなく、プラークにしない予防ケアを指導に取り入れて あらゆる炎症の発祥を元から押さえる3AMフロスケアを提唱しています。
歯周病の原因となる細菌から感染を予防することを言う。
ようやく、ここ2001年くらいから、ヨーロッパの歯科医師の間で広く認識されている。

プラークは、多種の細菌と代謝物質物などが絡みあったもので、歯面や歯石の上にたやすく付着するもので、プラークコントロールをすることができれば、歯周病にならないということである。

コントロールするには。。。
1セルフケアーの確立(プラークコントロールが自分で出来ること)
2歯科医院への定期的な来院(プロによる定期的なプラークの除去を受けること)


この2つによって歯の健康と予防につながる。


プロフィラキス( profilaxis)

プロフィラキシス(予防処置。攻め込まれる前に、予め防御措置を整えておくこと)
バイオフィルムは、普段の歯磨きでは取り除くことができない。
バイオフィルムが病気を起こす前に、縁下・縁上のバイオフィルムを取っていく。
プロフィラキシスにより病気の源である、バイオフィルムは初めて取り除くことができる。
プロフィラキシスできれいになった歯にフッ素処理をするとバイオフィルムが付きにくくなることがわかってきた。虫歯予防だけでなく歯周病予防にも効果的である事がある。

WFではすでに20年以上臨床で、この予防的ケアを指導して効果をあげています。
毎食後の3AMでの3Dフロスケアでは、バイオフィルムの根源を除去することで、通常のハブラシ清掃部位のプラークさえもハブラシなしに消失させます。


バイオフィルムを除去するには、重炭酸パウダーや微細粒子のグリシンパウダーを併用し除去効果が高く歯面を傷つけることが少ない事が立証された。

ピエゾ式スケーラー
ピエゾンマスター600
ピエゾンマスター600(EMS)

〈超音波スケーラー〉 モード選択に修復ボタン、ペリオボタン、エンドボタンを備え、2本のボトルを装着できる超音波スケーラーです。歯肉縁下デブライドメントに使うチップを組み合わせることにより、手用スケーラーでは到達の難しい部位 にも簡単にアクセスができ、やさしく効果的な歯周治療が行えます。ボトルが2本あることによって、知覚過敏の人には温水で、もう1本には殺菌液希釈液を入れるなどして、スイッチ1つで操作できる。


WFのDHの見解

デブライドメンドについては、調べてみてわかりましたが 一通り歯周治療を終え、リコールに入る時や、 全身疾患により、観血処置ができなかったり、重度の歯周病の方にはとても良いと思いました。リコールで毎回超音波でスケーリングするのではなくポケット洗浄や、バイオフィルム除去を中心に、そのためにはペリオモードができる、ピエゾンマスターや、細かい粒子のグリシンパウダーでのエアーフローは必要であると思います。 (迫田 )

矯正装置(ブラケット)やインプラント周辺の歯肉にもあてられる エアフロー(グリシンP)は良いと思います。
ピエゾンとエアフローを兼ね備えた器機も使ってみたいです。健康なセメント質の温存、それに伴う歯周組織の再生や知覚過敏、 根面齲触の予防は必要不可欠で歯肉縁上および縁下のデブライドメントを位置づけることの重要性を再認識させられました。(志田)

デブライドメントの重要性。
近代の歯周治療は、プラークコントロールよりも生体の反応へ方向転換し、歯周インフェクションコントロールへと移行していくということ。
ピエゾンやエアフローは、それにおいてとても有効的な器械だ。
ヨーロッパではかなり認識されているようだが、アメリカではどうなのだろう?と思いました。(竹中)

歯の仕上げ研磨に使う製品
〜過大なトルクを掛けない安全装置が付いているので、安心して研磨できます!〜

エンドメイトTC & タスカルウィズ
ENDO-METE TC&TASKAL Wizard

トルクコントロール&オートリバース

エンドメイトTCの説明

トルクコントロールとオートリバース(エンドメイトTCのみ)

設定したトルク値を超えるとオートリバースがかかり、約1秒間逆回転した後、正回転に戻ります。(オートリバース後、約1秒後に停止するモードもあります。)

6ポジション式ヘッド

ヘッドの取り付け角度は6通り、部位に応じてヘッドの向きを変えたり、押しやすい位置にON/OFFボタンをセットできるので、操作性が大幅に向上します。

9段階のスピードセッテング

接続したギア比によって、9段階の回転数から選択することができます。

1時間半の充電で1時間の連続使用が可能です。
軽量、コンパクトで手にフィットするデザイン 。
様々なヘッドをすぐに交換できるクイックジョイント。
 

ナカニシ独自のマイコン技術を応用、微細なトルク設定による根管ちりょうから、トルクの必要な歯面清掃まで、幅広い治療が可能です。ヘッドの回転数は、9段階から治療に合った最適なスピードを選択できます。3種のギア(1:1、4:1、16:1)を組み合わせることで、125〜10.000rpm(min-1)までの広範囲な回転数が選択できます。

 
 
デブライドメントについての参考論文

SPT におけるデブライドメントの効果所沢市開業 内山 茂

■SPT
SPT(Supportive Periodontal Therapy) とは、「動的な歯周治療の後に開始される治療」のことであり、歯周治療後のメインテナンス時に適用されるだけでなく、「歯周疾患に罹患しているにもかかわらず、全身状態やその他の理由で歯周外科処置が受けられない患者」にも適用される1)。

その具体的術式としては、スケーリングやルートプレーニング、専門家による歯面清掃のほかに、各種歯周検査に基づく患者自身による口腔清掃の再教育、補助療法、化学療法などが適宜追加される。

本稿では、SPT 時における炎症抑制の観点から、とくに歯肉縁上および歯肉縁下のデブライドメントの効果について報告する。

■ペリオドンタル・デブライドメントペリオドンタル
デブライドメントという用語は、
「歯周炎の原因である非付着性および付着性のプラークや歯石を除去する行為」を総称して用いるが、単にデブライドメントというときは、「柔らかい沈着物(プラーク)を除去する」という意味で用いられることが多い。
また単に病原性プラークの除去という意味でディプラーキングという言葉を用いる場合もある。
また、従来の根面をガラスのように滑沢になるまで研磨するルートプレーニングと対比して、根面に付着しているエンドトキシンを一層取り去るだけでセ?メント質を意識的に残す方法を、特にルートサーフェス・デブライドメントということもある。

歯周病のメインテナンス期においては、歯肉縁上および歯肉縁下213mm の歯根表面にバイオフィルム状の成熟したプラーク、壊死セメント質や歯石,エンドトキシンなど,再付着を妨げるさまざまな因子が存在している可能性が高いために、これら各デブライドメントの概念は、SPT の手法を組み立てる上でとりわけ重要と思われる。

■デブライドメントの意義
歯周治療における炎症のコントロールでは、徹底した SRP(scalingroot-planing)が不可欠であるが、初期治療の段階では、ブラッシングなどのセルフケアとあわせ専門家による歯肉縁上のデブライドメントを行うことで歯肉の炎症が著しく改善することも少なくない。

また、歯周治療後のメインテナンス期においてなお SRP をくり返し行うことは、歯根面を必要以上に傷つけてしまう(over instrumentation)可能性も指摘されている5。これらデブライドメントおよび SRP の特質を考慮すれば、歯肉縁下の歯石がほぼ取り去られた後の SPT 時のメインテクニックとして「歯肉縁上および縁下のデブライドメント」を位置づけることは、健全なセメント質の温存、それに伴う歯周組織の再生、知覚過敏・根面齲触の予防などの観点からきわめて意義深いことと考える。

■デブライドメントと PMTC
歯周治療後のメインテナンスにおいては、患者のセルフケアと術者のフォローアップ(おもに歯肉縁上のデブライドメント)が継続して行われる必要がある。筆者らは、歯肉縁上および歯肉縁下約 3mm までのデブライドメントを行う上で、専門家による機械的清掃(PMTC*)がきわめて有効であることを再三にわたって報告してきた。

文献的にみても、これまで SPT における PMTC の効果は?多くの研究により実証されている。
* PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)「専門教育を受けた歯科衛生士、歯科医師らが、歯肉縁上および歯肉縁下1〜3mmのプラークを機u的清掃用具とフッ化物配合研磨剤を用いて取り除くこと8」歯周病の原因となる成熟したプラークを、細菌バイオフィルム(複数の細菌が産生した菌体外多糖のなかで、細菌がコロニーを形成した状態)ととらえれば、歯周治療の原則はバイオフィルム自体の機u的除去であり、
PMTC によるデブライドメントは、メインテナンス時においてバイオフィルムを破壊するために不可欠な行為といえる。

なお、近年インスツルメント類の改良が加えられた超音波スケーラーによるイリゲーションが、そのキャビテーション効果により歯根を傷つけずにデブライドメントを行う方法として有効であることも報告されている。

■SPT 時におけるデブライドメントのポイント
歯肉縁からの出血、アタッチメントロスなど歯周病の再発が疑われるケースでしばしば認められる歯根表面の比較的軟らかいプラークに対しては、ワンタフト系ブラシや探針の先、刃先の柔軟なスケーラーなどで歯肉縁上および縁下のディプラーキングを慎重に行い、ポケット内洗浄を念入りに行う。

歯石の再沈着に対してはすみやかに SRP を行うが、この際にキュレットの刃が根面を傷つけたり、過度のルート・プレーニングでセメント質を損傷しないよう気をつける。

その後付着の回復を待って PMTC に移行する。なお、セメント質表面のざらつきや歯肉縁下の歯石の有無を確認するには、目盛り付きのプローブよりも先端が球状になった WH( のプローブを用いると、より繊細な感覚が得られて便利である。

動揺歯の PMTC は研磨時の振動に気をつけ、歯±を指、ミラー、バキューム等で支えて、各種ツールを押し付け過ぎないように十分注意する。歯周治療後の歯肉退縮で露出した歯根面へのフッ化物塗布は毛先の柔らかなワンタフト系のブラシを用い、根面齲?の予防をはかる。

知覚過敏が著しい場合は、各種含嗽剤をぬるま湯に溶かしてミニュームシリンジなどでゆっくりと水圧を加減しながらポケット内を洗浄する。これを繰り返し、症状が軽減したあと各種デブライドメントに移行する。
知覚過敏にはフッ化物塗布が効く場合も多いが、フッ化第一スズ含有のジェルは塗布時にしみる場合があるので注意を要する。
その際にはフッ化ナトリウム含有のジェルを用いる。なお、フッ化第一スズのもつ抗菌作用は歯肉炎の軽減にも有効とされている。

「歯周疾患に罹患しているにもかかわらず、全身状態やその他の理由で歯周外科処置が受けられない患者」などでしばしば起こる歯肉の腫脹、痛み等の急性症状は、投薬、切開、咬合調整、抗菌剤入り軟膏のポケット内注入などにより症状の改善を優先させ、その後、ディプラーキング、ポケット内洗浄を頻繁に行う。

■十分な歯周治療が行われた場合の SPT における PMTC
いったん歯周治療が終了した後の歯周病管理における PMTC は、リコールへの動機づけ,歯周病を再発させないための歯周環境の整備、爽快感・予防効果による患者との信頼関係の確立を目的として行う。

初期・中等度の歯周病は、本人の自覚が乏しい場合が多く、継続した管理を続けるためには、リスクを十分説明し、体系付けた歯周治療と合わせて PMTCを行っていくことが大切である。

■重度歯周病の進行抑制・緩和ケアとしての SPT における PMTC
歯周病管理を目的とする PMTC では、原則的に SRP、Curettage、歯周外科などにより縁下のプラークおよび歯石が完全に除去されている必要があるが、例外として「プラークの付着抑制による延命効果を期待した重度の歯周病の管理」がある。

さまざまな理由で縁下の歯石が十分除去できないケースや、骨吸収の量が多すぎて歯周外科が功を奏さないと思われるケースにおいても、頻繁なポケット内洗浄と併せて PMTC を行うことで,症状を緩和し,歯±の延命ができた例を多く経験している。医科にターミナルケアがあるように,歯科においても苦痛緩和,精神的援助をも含めた(歯の)延命治療があってもよいと考えている。

■おわりに
筆者は以前から長期的な観点で、歯周病を「易再発性」の疾患ととらえ、継続した口腔ケア(SPT)の必要性に着目してきた。
つまり,生活習慣病としての色合いがきわめて濃厚な歯周病に一時的な治癒を求めるのではなく、進行が停止した状態を末長く維持していくためのシステム作りを通して、治療と再発の絶え間ないせめぎ合いにピリオドがうてないものかと模索を続けてきた。

今回紹介した SPT 時のデブライドメントのテクニックは、歯周治療の予後の安定に深く寄与するだけでなく、インプラントや補綴物装着後のメインテナンス、高齢者・有病者の口腔ケアなどにも十分応用が可能なものである。

文献
1. アメリカ歯周病学会:AAP 歯周治療法のコンセンサス、クインテッセンス出版、IX-34、1989
2. 加藤久子:プロフェッショナル・スケーリング・テクニック、医歯薬出版、2,2001
3. 北川原健ほか:歯肉縁下のプラークコントロール、医歯薬出版、20、2002
4. 山脇健史ほか:歯肉縁上のプラークコントロールの効果、歯界展望 Vol.97No.5 2001-5,1018
5. 石川烈ほか:歯科医のためのスケーリング、ルート・プレーニング、クインテッセンス出版、111,2003
6. 内山茂:口腔ケアと PMTC、日本歯科医師会雑誌、Vol.51 No.12、28,1999
7. 新田浩、小田茂、石川烈:SPT における PTC の科学と意義と実際、歯科衛生士、Vol23No.6/1999、20
8. Axelsson. P.:臨床予防歯科の実践、EIK( C(RP(RATI(N,東京、84.1992
9. 恵比須繁之ほか:現代臨床におけるプラーク・コントロールの考え方(T);細菌バイオフィルムとしてのデンタル・プラーク.the ,uintessence.vol.16No.11.176.1997
10. 品田和美;歯肉縁下処置の実際、歯肉縁下のプラークコントロール、医歯薬出版、92、2002
11. 島田昌子;デブライドメントの実際、歯肉縁下のプラークコントロール、医歯薬出版、101、2002

12. 内山茂、波多野映子、長縄恵美子:PMTC、医歯薬出版、東京、62,1998



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