性感染症「梅毒」の患者がいま、急増している

参考:2016.04.03 産経デジタル

古くから知られる性感染症「梅毒」の患者がいま、急増しています。昨年は前年比1000人増、今年だけでも800人を超えています。国が注意喚起をしていますが、専門家はコンドームの使用だけでは万全ではないと警鐘を鳴らしています。
《梅毒》 梅毒感染者との性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症。原因は「梅毒トレポネーマ」という病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来する。感染すると全身に様々な症状が出る。

梅毒患者が増えている

今年4月3日時点で800人超…過去最悪のペース 国立感染症研究所(感染研)によると、梅毒の患者数は今年4月3日の時点で、すでに883人に上っています。1999年以降で過去最悪となった昨年の同時期を500人近く上回るペースで、感染研は注意を呼びかけています。 年間では1600人→2600人に急増、目立つ若い女性の感染 感染研によると、日本の梅毒患者は2010年から増加傾向に転じ、2015年には前年1671人から2638人と急増しました。女性の増加が目立ち、15年10月時点では前年同期比2倍の574人に。このうち76%を15~35歳が占めています。

梅毒感染、女性が倍増 妊娠中なら胎児に影響も〔2016年2月16日 朝日新聞〕

妊婦が感染すると、死産や胎児に障害が起きる恐れ 厚労省によると、特に20代前半の女性の感染が前年同期比2.7倍と増加が著しいです。妊婦が感染すると死産や胎児に障害が起きる可能性があり、同省はチラシを配布するなど啓発を強化しています。

女性の梅毒感染急増=昨年の2倍、啓発強化へ-厚労省〔2015年11月28日 時事通信〕

厚労省は啓発リーフレットを作成

女子の梅毒、増加中!〔厚生労働省(pdf)〕

なぜ増えたか不明…「昔の病気」という意識で感染に気付かない? 古くから知られる性感染症「梅毒」がなぜ増えているのか、背景ははっきりしていません。「昔の病気」という意識もあって自分の感染に気付いていないケースや、治療が不十分で人に広げているケースもあるとみられる、と共同通信は指摘しています。

梅毒、なぜか急増〔2014年5月27日 共同通信〕

感染研「不特定多数との性行為が増えていると推測するしかない」 感染研の大西真・細菌第一部長は「細菌の感染力が急に強くなったり、薬が効かなくなったりしたという報告はない。同性間、異性間を問わず不特定多数との性行為が増えていると推測するしかない」と語っています。

梅毒感染、女性が倍増 妊娠中なら胎児に影響も〔2016年2月16日 朝日新聞〕

梅毒の症状・治療は

局部のしこり、全身に赤い発疹…重症化すると麻痺も 梅毒は感染したその日には症状は出ず、約3週間後から発症するのが一般的です。性器や唇などにしこりやただれが起き、進行すると全身に赤い発疹ができ、重症化すると麻痺などを起こすこともあります。

女性の梅毒感染が2倍?!梅毒ってどんな病気?〔2016年2月18日 mamari〕

症状は3期までに分かれ、徐々に重症化する
  • 第1期(感染後約3週間)…感染した部位(陰部、口腔内等)にしこり、股の付け根部分のリンパ節が腫れる。痛みがなく数週間で自然に消える。
  • 第2期(感染後数か月)…治療せず3か月以上を経過すると病原体が広がり、手足や体全体に赤い発疹が出る。数週間で消える場合があるが、再発を繰り返すことも。
  • 晩期顕性梅毒(感染後数年)…皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍が発生。心臓、血管、脳などに病変が生じ、場合によっては死に至る(※現代ではここまでの進行はほぼない)

梅毒に関するQ&A〔厚労省〕

感染したかどうかは医師の診察と、血液検査で判断する 梅毒に感染したかどうかは医師による診察と、血液検査で判断します。どの医療機関でも検査は可能です。第1期の最初の数週間は抗体検査をしても陽性反応が出ないことがあるため、感染してから十分な期間(約3週間)をおいて、検査結果を確認する必要があります。

梅毒に関するQ&A〔厚労省〕

治療はペニシリン系の抗菌物質の服用。再感染もあるので要注意 治療は1日3回、ペニシリン系の抗菌物質の服用を2~8週間続ければ、感染拡大や病気進行の可能性がない「治癒」の状態になります。ただし、一度治っても何度でも感染するので油断できません。男性は皮膚科や性病科、泌尿器科。女性は皮膚科や婦人科へ。

増える梅毒の感染者 26年ぶりに2000人を上回る〔2015年12月22日 東京新聞〕

コンドームでは完全に予防できない

キスやペッティング・オーラルで感染も…リスクは軽減されるが完全ではない 梅毒の原因「梅毒トレポネーマ」は目に見えない病原体で、感染者の性器などの患部に多く存在し、粘膜や皮膚の小さな傷などから侵入します。オーラルセックスで咽頭部(のど)、アナルセックスで直腸に感染する。コンドームでリスクは軽減できますが完全に防ぐことは難しいです。

女子にも増加…「梅毒」は今の病気です〔2015年12月11日 読売新聞〕

「可能性がある人に検査を受けてもらうことが第一歩」と専門家 国立国際医療研究センターの堀成美看護師(感染症対策専門職)は、「梅毒が広がりつつあることをまず知ってもらい、可能性がある人に検査を受けてもらうことが第一歩」と話しています。

梅毒、なぜか急増〔2014年5月27日 共同通信〕

梅毒リスクから身を守る5カ条
  1. 不特定多数の人との性交渉をしない
  2. 最初から最後までコンドームを使用する。オーラルセックスも安全とは限らない
  3. 不安行為があれば、パートナーに伝染さないために時期をみて検査を受ける
  4. 決して「この人に性感染症はない」と思い込まない
  5. 感染・発症を繰り返さぬよう徹底治療を

他人事ではない!急増中の「梅毒」から身を守る方法〔2016年2月14日 AllAbout〕

性感染症は他にも

女子の梅毒、増加中!〔厚生労働省(pdf)〕