性感染症 ならない・負けない・広げない 大切、四つの予防策

参考:国立国際医療研究センター感染症対策専門職・堀成美 2016年5月10日 (火)配信毎日新聞社

 私は看護師ですが、今の職場では「感染症対策専門職」の肩書で仕事をしています。病院は病気の人をケアする場所ですが、感染症の問題が起きないようにすることや、感染症対策を知りたい人・組織・地域を支援することも重要で、私の仕事の一つはそうした情報の収集と発信です。  感染症予防の仕事を志したきっかけは、性感染症の患者さんたちから「病名は聞いたことがあったけど、何が危ないのか、どうすれば防げるのかを教えてもらっていない」という話を何度も聞いたことです。日常生活で予防の工夫ができるのに、残念な話です。  性感染症とその予防は、中学校で学習することになっています。でも実際には、学校や担当した先生によって内容にばらつきがあります。性交開始年齢はここ数年上がっているので、中学生や高校生で「すぐに困る」人ばかりではないのですが、学校を卒業した後に正確な情報を教えてくれる人を見つけるのは簡単ではありません(英語だったら駅前の英会話教室で学び直しができますが……)。リスクと回避法、それでも事故が起きたらどうするのかを学べば、慎重になったり準備を整えたりできます。支援の軸はここにあります。  性感染症はさまざまな種類がありますが、基本的に皮膚や粘膜、体液が密に触れ合うことで感染します。予防策は四つあります。  まず「延期」。例えばデートの際にコンドームを忘れてしまった時は、次の機会にする。お互いを思いやれるかどうか、です。二つ目は直接触れないようにする「バリアー法」。日本で入手できるのは一般的に男性用コンドームですが、面積の限界があるため、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヘルペス、梅毒などを完全に防ぐことはできません。また、着けるタイミングを間違えると予防にならないので注意しましょう(射精の前ではなく、接触する前に装着します)。三つ目は「ワクチン」。B型肝炎ウイルスやHPVについては、医療機関で相談できます。最後は「検査と治療」。一部の検査は保健所などで無料・匿名で受けられます。 コンドームだけでは100%の予防ができない
  • オーラルセックスでの感染予防をどうするか
  • 症状がなくても感染している可能性がある
といったことも前提に、対策を考える必要があります。
 学生さんには保健所の保健師や大学の保健管理センターのスタッフに相談し、勉強会を開くことも提案しています。