先どり きょうの健康「これって高次脳機能障害?」【5月14日放送】

参考:2016年05月14日(土) 04時15分~04時30分/NHK総合

 今週は「高次脳機能障害」を扱います。この障害は人間ならではの高度な脳の働きを失ってしまうもので、外見上は目立ちにくいため気づいてもらいにくいです。詳しい話は東京慈恵会医科大学附属第三病院の渡邉修教授に伺います。  高次脳機能障害と診断されたAさんは、6ヵ月前の交通事故による前頭部への損傷を受けたことによる外傷性脳損傷が原因と考えられます。入院中は日常生活の介助があり、記憶や判断の必要がありませんが、退院・職場復帰したことで、人間関係・仕事内容などが複雑化で、イライラや仕事の効率が悪いなどの障害が発覚します。高次脳機能障害を起こす原因で、最も多いのが脳卒中で、外傷性脳損傷、低酸素脳症、脳腫瘍、脳炎など。そのほか、脳性麻痺、発達障害、うつ病などもあるが、診断基準による対象は、脳卒中、外傷性脳損傷などに限定され、対象となる病気の特徴は、基本的に進行しないものとしています。  高次脳機能障害と診断されたAさんについて、脳の損傷部分により症状が異なり、前頭葉(注意・思考・感情のコントロール)、海馬(記憶の中枢)、頭頂葉(触覚)、側頭部(聴覚)、後頭葉(視覚)となっています。具体的な症状として、ぼーっとしていることが多いなどの注意障害、約束を忘れるなどの記憶障害、効率的に仕事が出来ないなどの遂行性機能障害、怒りっぽくなったなどの社会的行動障害があり、これはうつや引きこもりの原因になります。  高次脳機能障害で注意すべきなのは、うまく話せないなどの失語症や食卓の左半分を食べ残すなどの左半側空間無視。治療は症状に合わせたトイレ、入浴などのリハビリを行います。これらの取り組みをして症状がよくならない場合は薬を使って症状を和らげます。Aさんが仕事に復職した場合高次脳機能障害であることがわかった場合、家族や職場の人たちが理解する必要があります。それぞれの症状について対応していき職場に戻るというケースがあります。 Aさんの症状への対処法
  • 対処法1.ぼーっとしていることが多い症状については、休息を十分にとり作業は静かな場所で行うなど。
  • 対処法2.約束を忘れるという症状については、メモをとる、スケジュールを記入し確認するという週刊を身につける練習をする。
  • 対処法3.効率的に仕事ができない症状については仕事の内容を順序立てて掲示するなど。
  • 対処法4.怒りっぽくなったという症状について、周囲が原因を理解することが必要。 脳損傷は重い人の場合は時間をかけながら回復していくので、地域で行政などが連携を作って支援していく取り組みが必要。
Dr.堤より 最近の新生児の中にも、先天的な脳機能の欠陥があって、起きるものが多い、また、ゴミ屋敷問題、隣人のいざこざなど、犯罪につながるものもここに起因している場合も