個人の特定、本当に防げる? ビッグデータ、商業利用へ改正法案

参考:2015年1月8日(木) 配信 朝日新聞

「何を買ったか」「どこに行ったか」などの個人データの取り扱いを定めた個人情報保護改正案が、次期通常国会に提出されます。政府の成長戦略に沿い、ビッグデータのビジネス活用を進める狙いがあるとのこと。 情報技術の発達により、そういったデータは収集しやすくなりましたが、プライバシーの保護には技術的に限界があります。
改正案では、個人情報の範囲を拡充した。従来の氏名、住所、生年月日のほか、指紋や顔認識データ、パスポート番号や免許証番号などで、改正法ができてから政令で定める。 ただ、遺伝子検査ビジネスが広がる中、遺伝子情報の保護方法の議論は積み残された。監視役として設けられる第三者機関の「個人情報保護委員会」の具体的な運用ルール作りもこれからだ。法施行まで早くて2年ほどで、どこまで整えられるかは未知数だ。
個人の購買や行動の履歴などを分析することで、そのデータを様々な商用利用に生かすことができます。ネット通販や、検索履歴から利用者が関心を持ちやすそうな広告をパソコンに表示させる手法などが、その例です。 ほかにも、NTTドコモの「モバイル空間統計」は、基地局が把握するエリア内の携帯電話の台数と、年齢、性別、住所など契約内容を分析することで、携帯の普及率を加味して「40歳代の男性がエリア内に何人いるか」というような推計が可能です。そういったデータは商圏調査や防災計画、街づくりに活用されます。 こうしたサービスでは通例、生年月日を削ったり、住所を都道府県に限定したりすることで、個人を匿名化するように加工されています。 先月19日の内閣官房IT総合戦略室で、政府の「パーソナルデータ検討会」に示した個人情報保護法改正案の骨子では、個人が直接特定できるような氏名や住所など、現行法で定められた「個人情報」とは別に、匿名加工された購買履歴や位置情報を新たに「匿名加工情報」として扱い、提供者本人の同意がなくても利用できるという枠組みが作られました。 しかし、匿名加工の技術は万能ではなく、検討会では匿名化の手法を検討してきましたが、どのような個人情報も匿名化できる汎用的な技術はない、との結論に達しました。つまり、ネットに出回る書き込みや顔画像などと、匿名加工したデータをつきあわせることなどによって、個人が特定されることの恐れはある、ということです。 その中で、技術的な限界を踏まえ、改正案では、第三者に提供された際、他の情報との照合を禁じるなどの規定が設けられました。 また、この改正案によると、企業はデータをどこに提供したかを本人に開示する必要はありません。 検討会では「データの行方を追跡できなければ、違反があってもその事実がつかめなくなる」など、改正案の実効性への疑問が指摘されましたが、一方で、提供先は企業機密にあたるため、開示を義務付けることは過度な規制になり、ビジネス振興に支障が出るとの見方を、IT総合戦略室は展開しています。 また、利用目的を変更する場合、ホームページで周知するなどの条件を満たせば、本人が反対の意思を表示しない限り可能ともしています。 しかしながら、データは個人が主体的に入力したものばかりではなく、「防犯カメラで撮影された画像」のように、本人が意識せずに提供しているものも含まれます。 「反対の意思表示がないからと、そういったデータをマーケティングに使ってよいのか」といった意見も出ています。 データを分析することで新たに生まれるデータにも留意が必要になってくるとの指摘もあります。 行動や購買履歴の分析によって、思想信条や犯罪の可能性、フェイスブックなどから推定される人間関係など、より高度な付加価値をもったデータになり得ます。 それらが売買され、本人の知らぬうちに異なる目的に活用され、権利を侵害される恐れもあるとのことです。 個人情報保護法改正案骨子の要点は以下の通りです。
  1. (1)特定の個人を識別できる「個人情報」の定義を拡充し、政令で具体例を定める
  2. (2)個人識別につながらないようにした「匿名加工情報」は、本人同意がなくても、企業は一定の条件で利用できる
  3. (3)政府内に、企業の監視や勧告、立ち入り検査の権限をもつ第三者機関「個人情報保護委員会」を新設する
  4. (4)民間の認定個人情報保護団体は、企業による個人情報の取り扱いの指針を定め、第三者機関に届け出る
Dr.堤より 一党独裁になって、益々独走が加速する。