酒とタバコの関係。欲しくなる理由

参考:「Drug and Alcohol Dependence」オンライン版 4月14日掲載

 アルコール依存症者の禁煙が難しいのは、大量飲酒により体内のニコチン分解が速まるせいかもしれないことが、米ロズウェルパークがん研究所(ニューヨーク州)腫瘍学助教授のMaciej Goniewicz氏らの研究で判明しました。  同氏は、「慢性的な大量飲酒により、ニコチンの代謝が速くなる可能性が示された。このことが、アルコール依存の喫煙者における禁煙率の低さに寄与しているかもしれない」と話しています。ニコチンの分解が遅い人は、ニコチンが体内に長く留まるために禁煙しやすい可能性があるといいます。  同氏らは、アルコール依存症を治療中のポーランドの男性喫煙者らを対象として、禁酒の直後および4週、7週後のニコチン濃度を示すマーカー(コチニンなど)を測定しました。その結果、アルコールはニコチンの分解を速めるように思われ、ニコチン代謝は禁酒して4週目には正常に戻ることが明らかになりました。  「本研究は、重度飲酒で禁煙が困難になることを証明するものではないが、従来の研究でも、ニコチン代謝が速いと1日の喫煙量が多く、ニコチン離脱症状が重く、ニコチン代替療法の有効性が低下すると判明しているため、重要な結果といえるだろう」とGoniewiczh氏は述べています。  また、喫煙者が禁酒するとニコチン代謝が遅くなると判明したことも重要で、これにより離脱症状が強く出にくくなるといいます。共著者の1人は、「本知見は大量飲酒者の喫煙行動を解明し、禁煙治療を改善するために重要な示唆をもたらす可能性がある」と話しています。  Goniewicz氏はPfizer社から研究助成金を受けており、共著者の1人は禁煙薬を販売する製薬企業の相談役、タバコ会社に対する訴訟の鑑定人として報酬を獲得しています。