TV:「奇跡の医療 世界最前線」【6月13日放送】

参考:6月13日(月) 22時00分~22時54分/7chテレビ東京

今回は…
 今日のジパングは「奇跡の医療!!世界最前線」日本では若き名医が治療困難な心臓病の新治療で成功率100%など。

奇跡の医療 世界最前線 光を取り戻す 驚異のメガネ
 アメリカ・バージニア州のキャレン・ブラウンさんは目が不自由です。20代で目の難病と診断され34歳で失明しました。主人は3年前に亡くなり、盲導犬と暮らしています。しかし、あるサングラスをかけると盲導犬を連れずに外出し、仕分け作業などができています。この秘密に最先端医療がありました。

失明から30年…妻の顔見えた!
 アメリカ・バージニア州の施設に網膜色素変性症の患者が集まっています。網膜の細胞が死滅し視野が徐々に狭くなる病気です。現在200万人以上の患者がいると言われています。この集いにキャレンさんの姿がありました。

 サングラスを開発したのはロサンゼルスのセカンドサイト社。サングラスは「アーガスII」というシステムでメガネと肩にかける装置と人工網膜でできています。人工網膜を眼球の奥につけ、メガネには小型カメラあり、捉えた光景は映像処理機へ送られ、電気信号を人工網膜に送ります。信号を視神経が感知し脳に送ることで風景を再現します。現在200人が使用しています。ノースカロライナ州のラリー・ヘスターさんは30代に網膜色素変性症で失明しました。「アーガスII」とは2年前に出会いました。バスケットのゴールを決めることまで出来るようになりました。一方、日本でも人工網膜の研究が始まっていました。

日米が競う“人工網膜”とは
 米倉氏は、網膜色素変性症は日本でも5万人の患者がいると話しました。アーガスIIの視界イメージを紹介しました。日本ではまだこの治療は受けられないといいます。アメリカでの費用は1500万円。日本では岡山大学が「オーレップ」という人工網膜を開発しています。ポリエチレンに光電変換色素を化学結合した人工網膜で、太陽電池にも使われる技術です。ポリエチレンで手術費用は100万円です。2017年末には実用化の許可申請を出す可能性があるといいます。今回の沸騰キーワードは「日本人ならではの奇跡」としました。

難治心臓病に新治療 神の手…成功率100%
 村居千代子は散歩中に胸の痛みを感じ、大動脈弁狭窄症と判明しました。大動脈弁が石灰化し血液が送り出せなくなる病気です。潜在患者数は100万人と言われています。治療法は外科手術のみで、高齢者には負担が大きく諦めるしかありませんでした。そこで慶応大学の林田健太郎医師を訪ねました。林田医師はTAVIというフランス生まれの最新治療法を提案しました。太ももの血管から管を通し大動脈弁まで人口の弁を送り、石灰化した弁と置き換える治療法です。林田医師は日本での第一人者で、2009年にフランスに渡り技術を学びました。当初はフランスでも5人に1人が死亡する危険な治療でした。林田医師は失敗の症例を独自分析し安全な方法を習得しました。帰国依頼250例を手がけ、成功率は100%です。

 林田医師のTAVI治療の現場にカメラが入りました。まず太ももに穴を開け、直径23ミリの人工弁を細く押しつぶし、5ミリに折りたたみました。大動脈弁まで運び、膨らませ石灰化した弁を脇に押しやり人工弁に置き換えます。患者の村居さんには問題点があり、左冠動脈付近が石灰化していて、欠片が左冠動脈に詰まると命を落とす危険があります。こうしたケースをフランスで何度も見た林田医師は左冠動脈にワイヤーを待機させ、詰まった血管を治療できるようにしました。治療時間は40分で終了しました。翌日、元気な村居さんの姿がありました。TAVIは2013年に日本で保険適用をスタートしました。

日本人ならではの奇跡 模倣から革新
 TAVIは難しく、世界平均の死亡率は6.3%で、日本は2.2%に落ちています。技術開発は欧米に後れをとっていますが、イミテーションをイノベーションに昇華させ、日本の得意な分野だといいます。ダビンチというアメリカ開発の手術支援ロボットがあり、遠隔捜査で行われ3D画像を見ながら医師がアームを操作します。傷口が小さく出血量も少ない。微妙な感触がわからず、日本でダビンチを超える支援ロボット「EMARO」の開発が進んでいます。大学発のベンチャー「リバーフィールド」が開発を進め、空気圧で感触を伝える機能を搭載予定です。

病院に行かない理由 カンボジア 驚異の医療事情
 経済成長著しいカンボジアでは交通事故が多発しています。バイク事故があり、隊員は事故の本人に病院に搬送する許可を求めています。治療代の相談のため家族に連絡が取りたいといいます。カンボジアでは治療代はほぼ自己負担で骨折の治療で4万円、盲腸の手術で60万円かかります。治療代が払えず病院に行くのを拒否する患者も後を絶たないといいます。カンボジアの医療に異変が起きていました。カンボジア・ウドン地区のカエウ・メイさんは18歳の時、甲状腺に腫瘍ができ、手術を勧められましたが、治療代がなく6年放置してきました。しかし最近無料で手術する病院ができたといいます。

ニッポン式 奇跡の医療 無料の病院 驚異のシステム
 手術室で執刀するのは日本人医師で看護師も日本人でした。腫瘍はかなりの大きさになっていました。開始から1時間半で無事に終わりました。病院名は「ジャパンハート医療センター」で、日本のNPO法人「ジャパンハート」が作りました。ジャパンハートは東南アジアの僻地などで無料の医療支援を行っています。無料の治療を可能にしたこの病院には驚きのシステムがありました。

 ジャパンハートの運営は全て日本からの寄付で成り立ち、病院の建設費は5000万円で設備ひとつひとつを購入する形式をとっています。寄付総額は1億2000万円にのぼります。スタッフも短期間の休暇を使い参加しています。短期ボランティアに来た遠藤俊治さんは東大阪市立総合病院の消化器外科の部長です。腹腔鏡手術なども手がけています。過密スケジュールで食事する時間も少ない。遠藤さんは参加費など10万以上かかりますが、10万円以上払う価値があるといいます。遠藤医師は到着するなり手術と思いきや、懐中電灯で患部を明るくしていました。電力事情の悪いカンボジアでは一度に多くの電力を使うことができないためです。出番が来ると電気メスに布を巻きはじめました。ジャパンハートでは使い捨ての電気メスに滅菌カバーをつけ紐で固定しています。今回は専門外のヘルニアの手術で、助手はメスを初めて握るカンボジア人でした。

 遠藤医師は専門外のヘルニアの手術にあたりました。助手はカンボジア人の新人医師です。通訳を介し初歩的な指導をしながら手術を行いました。手術は無事に終わりました。3日間で10件の手術をしました。ここで医療の原点に帰り、医者になった頃に思っていたことを思いだし、日本の患者への医療につなげると話しています。

渡航費も自己負担 なぜ?/「iPS細胞」にも新展開!?
 米倉氏はジャパンハートは、日本版の国境なき医師団だとし、1999年にはノーベル平和賞を受賞したと紹介しました。最近ではエボラ出血熱のアフリカやシリアでの緊急医療にあたっていますが、参加のハードルが高いといいます。英語かフランス語が必須など細かい条件があり、ジャパンハートでは外国語・専門家・経験年数は不問で期間は2日からできるといいます。無給で参加費までかかるが2000人以上が参加しているといいます。寄付金の額は3.11で11年には増え、産科医療者も増加しています。先週、理研、京大などのチームが他人のiPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植する臨床研究を始めると発表しました。以前は自分の細胞から作り、費用が1億円かかっていましたが5分の1になり時間も短縮されるといいます。