高学歴の記憶低下、脳卒中4割増・認知低下で脳卒中リスク61%増

参考:2014年12月25日 配信 米国学会短信

米国心臓協会(AHA)は12月11日、記憶低下の自覚がある高学歴者は脳卒中リスクが約4割増加するという研究をStroke誌にて掲載しました。 この研究はRotterdam Study(1990-93および2000-01)の一部として、55歳以上の被験者9152人(うち95%超がロッテルダム在住の白人)を対象に、記憶に関する自覚症状についての質問票調査とミニメンタルステート検査(MMSE)を行ったものとなっています。 この研究の被験者は、教育程度によって低学歴(初等教育のみ)、中程度学歴(一般的な中等教育などまでを受けた人)、高学歴(高度職業教育または大学教育)の3グループに分類され、その結果を比較しています。 このうち、2012年までに脳卒中を発症した1134人で、記憶低下の自覚があった場合、脳卒中リスクの高さと関連がみられたとのことです。MMSEの結果は脳卒中リスクとの関連はみられなかったとのこと。 またこのうち、記憶低下を自覚する高学歴に分類された被験者は、脳卒中リスクが 39%高かったという結果が出ています。 この結果から研究者は「高学歴者の記憶低下がアルツハイマー病と関連していることに類似している」と述べるとともに、「この所見が今後の研究で確認できたら、記憶障害を自覚する人々を脳卒中のリスク評価や予防の主対象とみなすかどうかを検討したい」との考えを示しました。 また、認知の低下と脳卒中のリスクに関する研究は8月7日のStroke誌掲載の研究でも述べられています。 こちらの研究は、先ほどと同じAHAが紹介したもので、65歳以上の米国成人7217人(黒人61%、女性59%)に対し、脳卒中の前後にわたって認知機能検査を3年おきに4回行ったものです。 研究を解析した結果、認知テストのスコアが低い被験者は、脳卒中リスクが61%高いこと、脳卒中後の認知機能の低下は、脳卒中前の約2倍速くなること、認知機能低下と脳卒中が併存すると死亡リスクが高くなること、もともと認知機能低下を来している場合、黒人の脳卒中リスクは白人の5倍高くなることがわかりました。 また、脳卒中の既往のある被験者は、認知スコアのベースラインが4回のテスト全てにおいて低く、追跡期間中に78%が死亡したことから、認知低下と死亡には強い関連があることが明らかになりました。 循環器疾患患者の認知低下リスクが増加することは、いくつかの研究で報告されていますが、認知機能の低下が脳卒中発症に影響することを示したのは今回の研究が初めてとのこと。 研究者は「認知低下は高齢者の神経機能や健康についての協力なマーカーであると同時に、脳卒中のマーカーとしても役立つ」と述べています。
Dr.堤より 神経機能の低下と関連する?認知障害も