大腸がんと腸内細菌の関係、簡易な解析手法

参考:2016年7月8日 (金)配信朝日新聞

 大腸がんと腸内の細菌の関係を調べている国立がん研究センターなどのグループは7日、従来は凍結していた研究試料の便を室温で保存しても解析できる手法を確立したと発表しました。この手法も使い、5千人規模の調査をして、大腸がんの予防法の発見につなげたいといいます。 腸内には約1千種類の100兆個の細菌がすみ、栄養素を作ったり、免疫系にかかわったりしています。最近のDNA解析技術の進歩で、腸内細菌を集団のままゲノム(全遺伝情報)解析をして細菌の種類を調べることができるようになり、病気とかかわりを調べる研究が盛んになっています。 ただ、便には1グラムあたり1千億個の細菌が含まれ、排便後すぐに雑菌が増えるので、直後にドライアイスなどで冷凍保存することが必要で、より簡単な保存方法が求められていました。グループは、微生物の繁殖を抑える溶液を使って、室温保存ができないか検討。8人の凍結便と室温保存便でゲノム解析の結果を比べたところ差が少ないことを確認しました。 グループは、大腸の内視鏡検査を受けた5千人の患者の腸内細菌のゲノム解析をし、生活習慣のアンケートなどと合わせて大腸がんの原因を調べます。グループの谷内田(やちだ)真一さんは「食事などの生活習慣と、腸内細菌、大腸がんの関係を詳しく調べて、がんの予防法を見つけたい」と話しています。(瀬川茂子)