老化抑制物質 臨床研究、病気予防応用に期待

参考:2016年7月12日 (火)配信朝日新聞 2016年7月12日 (火)配信読売新聞 2016年7月12日 (火)配信毎日新聞社

 慶応大と米ワシントン大は11日、動物実験で老化を抑える可能性が示された物質「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」の安全性を確かめる臨床研究を始めたと発表しました。病気の予防や健康長寿に役立つ栄養食品として効果を調べていくといいます。 NMNは、体内のエネルギー代謝に欠かせない「ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド(NAD)」に変化します。マウスの実験では長寿にかかわるサーチュインと呼ばれる遺伝子を活性化させることや糖尿病の治療効果などが示されています。NADは人の体内で作られていますが、加齢に伴い様々な臓器で減少するとされています。 まずは40~60歳の健康な男性10人にNMNを摂取してもらい、安全性や吸収のされ方を調べます。慶応大の伊藤裕教授(内科学)は「安全性が確認されたら、加齢とともに少しずつ低下する臓器の働きを上げる効果があるのか、科学的な検証をしていきたい」と話しています。(瀬川茂子)

老化抑制が期待される物質、初の臨床研究開始

慶応大は11日、老化を抑える効果が動物実験で判明しつつある物質「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」を健康な人に投与し、安全性などを調べる臨床研究を、米ワシントン大(ミズーリ州)と共同で始めたと発表しました。 NMNの臨床研究は世界初。安全性が確認された場合、老化予防効果の有無の調査を始めます。 NMNは、あらゆる生物の体内に存在する物質で、マウスに長期間投与すると老化が抑えられ、目立った副作用はないことが明らかになりつつあります。 臨床研究は、6月27日に開かれた慶応大の倫理委員会で承認されました。40~60歳の健康な男性10人にNMNを摂取してもらい、数か月~半年かけて安全性を調べます。

老化抑制物質 臨床研究、病気予防応用に期待 慶応大など

慶応大と米ワシントン大の研究チームは11日、老化抑制の効果が期待される「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」と呼ばれる物質を人に投与する臨床研究を開始したと発表しました。 NMNは体内のさまざまな臓器で作られ、「ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)」と呼ばれる補酵素に変わります。NADは「サーチュイン」という老化抑制に関わる酵素の働きを活性化する一方、加齢とともに減少することで目や代謝などの機能低下のほか糖尿病などを引き起こす原因になることが分かっています。 マウスに投与した実験では、糖尿病の症状が改善したり、血管や神経などの劣化を抑制したりする効果が確かめられています。チームは40~60歳の健康な男性10人を対象に臨床研究を開始しました。約半年間かけて、同じ人に異なる量のNMNをカプセルで投与し、血液、体温や血圧などを検査して、安全性などを調べます。チームの伊藤裕・慶応大教授(内分泌代謝学)は「体内でNMNの産生量が減るのを補う食品やサプリメントなどにできるのではないかと考えている」と話しています。【藤野基文】 ………………………………………………………………………………………………………
■ことば ◇ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN) 人をはじめさまざまな生き物の体内に存在し、体の機能を維持するのに必要な化合物。重要な物質のため体内で代謝された後も再利用され、食品に含まれるビタミンB3からも合成される。
Dr.堤より 動物実験では、NMNが神経など一部の器官を若返らせる効果などが確認されている。人へ投与する研究は世界初で、安全性などが確かめられれば、加齢に伴う病気の予防や治療に役立つことが期待される。