乾癬との関連

参考:乾癬ネット

乾癬の原因はなんですか?

本来ならば体を守るための機能である、皮膚の免疫機能が異常をきたし、乾癬を発症することが明らかになってきました。
免疫に異常を起こしやすい体質の人に、外的な刺激(ストレスやケガなど)、内的な因子(糖尿病や肥満など)が加わることで、乾癬を発症すると考えられています。

乾癬は、免疫の異常(自己免疫反応)が起きやすい体質の人に、気候、ケガや感染症、薬剤、ストレス、不規則な生活などからの刺激(外的な因子)と、糖尿病や高脂血症、肥満など体内の変化(内的な因子)が加わって、発症するのではないかと考えられています。

これまで、なぜ乾癬を発症するのか、原因は明らかにされていませんでした。しかし、最近の研究では表皮細胞の異常な増殖と、これに免疫の異常が加わることで炎症が起こり、乾癬を発症することがわかってきました。

最近、特に注目されているのが、免疫の異常です。免疫は、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防ぐ大切な防御システムですが、何らかの原因でこのシステムが異常をきたすと、異物ではなく自分自身に対して攻撃し、炎症を引き起こしてしまいます(自己免疫反応)。

乾癬の患者さんの中では、このような免疫の異常が起きていること、その免疫の異常にはさまざまな生体内の物質がかかわっていることが、相次いでわかってきました。乾癬の発症に影響する生体内の物質には、腫瘍壊死因子・炎症サイトカイン(TNF-α)というタンパク質や、Th17と呼ばれる細胞(リンパ球)があり、現在、これらの因子を抑える薬が治療に用いられています。


皮膚を掻くなどの物理的な刺激や、薬、感染症、ストレスなど、さまざまな理由で乾癬の皮疹は起こりやすくなります。皮疹は全身のどこでも起こりますが、特に、連続して刺激を受けやすい部位や日光のあたりにくい部位に出やすいという特徴があります。

乾癬の皮疹は、皮膚をこすったり、掻いたりしたときの刺激や、かぜや扁桃炎などの感染症、血圧を下げる薬や痛み止めなどの薬、ストレスなど、さまざまな理由で起こりやすくなります。

皮疹の出やすい部位皮疹は、全身のどこにでも出ますが、連続して刺激を受けやすい部位や、日光の当たりにくい部位に出やすいという特徴があります。具体的には、頭皮や髪の生え際、肘、膝、腰のまわりなどです。特に頭皮や髪の生え際は、毛髪が皮膚をこするために皮疹が出やすいのです。

その特徴から、多くの場合、乾癬を発症するとはじめに皮疹が頭皮に出ます。ただ、すぐに乾癬とは気付かず、頭部のフケが異常に増え、頭がかゆい日が続くことで、初めて病気に気づく人が多いようです。頭皮のほか、膝、お尻、腰など刺激を多く受ける部位から皮疹ができることもあります。


乾癬は治りますか?

残念ながら、現在ではまだ根本的な治療方法は見つかっていません。しかし、適切な治療を行うことで、乾癬の症状が現れないようにすることは可能です。快適な生活を送るためにも、乾癬を理解し、生活習慣への配慮と適切な治療によって乾癬をコントロールしていきましょう。

乾癬は慢性の疾患であるため、良くなったり悪くなったりを繰り返し、その治療は数十年に及ぶことも少なくありません。同じ治療をしていても、そのときの体調や環境などの違いによって再び悪くなってしまうこともあります。

そのため、治療の目標は患者さん一人ひとりで違ってきます。
たとえば、「仕事で人と会う機会が多いから、とにかく見える部位は良くしたい」、「症状が強く出るのを防ぎたい」「人目を気にせず外出できるようになりたい」など、患者さんが日常生活を“自分らしく”送れるような治療目標を設計していくことが大切です。

乾癬の症状が悪化するときには、何らかの原因があります。乾癬をコントロールするためには、暴飲暴食、過度の肉体的・精神的ストレス、偏食、風邪をはじめとするさまざまな感染症など、自分自身の日常生活における乾癬の症状を悪化させる原因を見つけだすことも重要です。焦らず、気長に病気に向き合っていきましょう。


重症度判定について

重症度の判定には、皮膚の状態をもとにした方法、患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとにした方法があります。乾癬の状態や治療効果を把握するために、患者さん自身も重症度を知ることがとても重要です。

乾癬の症状がどの程度重いか(重症度)は、大きく軽症・中等症・重症に分けられます。
医師は、複数の評価方法を用いて、総合的に患者さんの重症度を判定します。
皮膚の状態をもとに点数化する方法には、BSA、PASI(パシ)、患者さん自らが評価するSAPASIなどがあります。また、患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとに点数化する方法には、DLQI、PDIなどがあります。

●皮膚の状態をもとに点数化する方法(皮膚病変の重症度の評価)

<医師が評価する方法>
BSA:
皮疹の出ている面積が、全身の皮膚面積の何%にあたるかを計算する方法です。
計算には目で見て病変の広さを測る方法と、手のひらを使って測る方法があり、手のひらと5本指の大きさが全身の皮膚面積の1%に相当すると考えれています。

PASI:
全身を頭・胴体・手・足の4つの部位に分け、どの部分に、どのくらいの大きさの、どの程度の皮疹があるかを調べることで、全身の重症度を点数化する方法です。
治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。
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<患者さんが評価する方法>
SAPASI (self administered PASI) :
PASIの考え方をもとに、患者さん自身が皮疹の状態を評価する方法です。
患者さんは、皮膚の赤み(紅斑:こうはん)、盛り上がり(浸潤:しんじゅん)、フケのようなかさぶた(落屑:らくせつ)の、それぞれの程度をVASを用いて評価します。VASとは「症状がない」を0、「非常に悪い」を100mmとしたときに、自分の症状がどの程度なのかを長さで示す方法です。患者さんが表した数値と、医師が判定した点数(PASIと同様)を合わせて計算し、最終的なスコアを求めます。

●患者さん自身が皮膚の症状によって感じる不便さをもとに点数化する方法(生活の質の評価)

DLQI:
患者さんが皮膚の状態によって感じる日常生活の不便さについて、代表的な10の質問に回答し、その回答を点数化します。点数の範囲は0(生活の質が最も良い)~30(生活の質が最も悪い)で判定します。治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。

SF-36:
身体面および精神面の健康度を評価する方法です。乾癬だけでなく、いろいろな病気で使われる質問票です。36個の質問に対する回答を点数化し、高い点数ほど健康であるといえます。

PDI:
乾癬だけに用いられる、生活の質の評価方法です。
「日常生活」「仕事」「交際」「治療」に分類された15の評価項目を用いて点数化します。
治療の効果は点数がどの程度低下したかどうかで判定します。

人にうつりますか?

乾癬は、人から人へうつることは絶対にありません。温泉やプールなどに入っても、人にうつることはありませんので、ご家族やまわりの人にも、乾癬について正しく理解してもらうことが大切です。

乾癬の発音“カンセン”が感染をイメージさせることから、乾癬を知らない人の中には、「乾癬=うつる病気」だと誤解している人もいます。乾癬は、人から人へうつることは絶対にありません。したがって、温泉やプールなどに入った場合も、美容院・理髪店で洗髪や散髪をする場合も、まわりの人にうつる心配はありません。

ご家族やまわりの人にも、乾癬についての正しい知識を持ってもらうことが大切です。

美容院・理髪店へは、頭皮を清潔に保つためにも、定期的に通うことが好ましく、馴染みのお店を決め、スタッフに乾癬について理解してもらうほか、洗髪や散髪の際に、頭皮にあまり刺激を与えないように配慮してもらうとよいでしょう。

子どもに遺伝しますか?

乾癬になりやすい体質は遺伝するといわれていますが、必ずしも乾癬を発症するわけではありません。発症には、ストレスなどの外的因子や肥満などの内的因子がかかわっていると考えられています。

乾癬になりやすい体質は遺伝することもあるといわれています。しかし、乾癬になりやすい体質だからといって、必ずしも乾癬を発症するわけではありません。食生活、気候、ストレスなどの外的因子や、糖尿病、高血圧などの内的因子が重要な役割を果たしています(「原因はなんですか?」の項参照)。

親が乾癬で子どもが乾癬を発症する率は、欧米では20~40%程度ですが、日本では4~5%程度といわれています1)。これは人種の違いに加えて、欧米と日本の生活環境(外的因子)の差も関係していると考えられています。
1) 日本皮膚科学会HP. 皮膚科Q&A, 第14回:乾癬

何科に行けばいいですか?

皮膚科を受診しましょう。皮膚科専門医が診断し、乾癬と判断された場合は、皮疹の状態と患者さんの日常生活への支障から、適切な治療方法が選択されます。

皮膚科を受診してください。乾癬発症の初期段階や、軽症の場合は他の皮膚疾患(脂漏性皮膚炎:しろうせいひふえん、アトピー性皮膚炎など)との区別が難しいことがあるため、皮膚科医による鑑別診断が必要です(「どんな検査をしますか?」参照)。皮膚科専門医が、皮疹の状態のほか、患者さんの日常生活での不便さなどを総合的に判断し、治療方法を選択します。実際に受診し、信頼できると感じた皮膚科で治療を続けましょう。また、セカンド・オピニオンといって、ほかの医療機関の皮膚科医に意見を聞くこともできます。

どんな検査をしますか?

まずは皮膚の症状を診察します。専門医であれば、問診と視診、触診でほぼ正しい判断がつけられます。乾癬と区別しにくい症状がある場合は、さらに詳しい検査を行いますが、頻度はまれです。

皮膚科では、まず皮膚の症状を診察することから始まります。問診とともに、患部を見て(視診)、触って(触診)、皮膚がどのような状態にあるのかを調べます。皮膚科専門医であれば、問診と視診、触診だけで、ほぼ正しい診断をつけることができますが、乾癬を100%診断できるわけではありません。

乾癬と区別しにくい病気があり、特にごく初期の段階の乾癬の場合、問診と視診、触診だけでは診断をつけられないことがあります。このような場合には、局所麻酔をして、米粒くらいの大きさの皮膚を切り取り、皮膚の表皮や真皮の状態を顕微鏡で調べます(皮膚生検)。そこで、乾癬に特有の状態が見つかれば、乾癬と診断します。その際、同時に、どのタイプの乾癬なのかも分かります。皮膚を切った場所は2針ぐらい縫います。

乾癬と診断され、治療が始まると、治療薬によっては患者さんの状態を把握するために、定期的に血液検査などが必要になります。

 

Dr.堤より
歯周病がお口にあると、関連した、体内の粘膜上に悪玉菌群が増え、そこから24時間、大量の炎症性サイトカインが体内に発生します。この炎症性サイトカインTNF-αによって、
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