日本の虫歯有病率は先進国最悪?

参考:通信簿.com編集部

先日、ある席で「日本の虫歯有病率は先進国で最悪なんです」という発言を聞いて、びっくりしました。「えーー、そうなの」。 ネットで調べてみると、あちこちにそうした記述がみられました。 だから予防治療を大事にしましょう、という風に説いているサイトがほとんどです。 しかし残念ながら、ほとんどのサイトで、具体的に虫歯を持っている人の割合などの国際的比較データはありませんでした。むむむ、これは怪しい。 そうこうしてわかったのは、虫歯の割合、と言ってもこれを比較するのはいろいろ難しい点がある、ということです。 まずう蝕(虫歯を専門的にはこう言います)の有病率(つまり虫歯がある人の割合)というと口の中に1本でも虫歯があれば有病者となります。 そこに治療した歯を含めるのかどうか。なども問題になります。 治療した歯なども含めれば、有病率は歳を取れば取るほど高くなります。 厚生労働省が6年おきに調べている虫歯率の調査によると、2011年時点の45歳から54歳の日本人は実に99.1%が虫歯を持っています。 まあこの年代で虫歯がない人なんて見たことないですよね。 また最近言われるのは「8020」、つまり80歳になっても20本歯を残そう、ということで、歳を取って歯が何本残っているのか、などというのも虫歯に関する指標です。 現状の日本の80代は、平均で一桁の歯しか残っていません。 一方で子供の虫歯は激減しており、10歳未満で虫歯のある子は1978年では43%でしたが、2011年では10%になっています。 それから虫歯の本数も問題です。 有病率というと1本でも虫歯があれば有病者ですが、虫歯が1本なのか、10本なのかでは大変な違いです。 ではこれが国際的に比較できるデータがあるのか? 調べました。 残念ながら21世紀になってからのデータがほとんどないWHOの各国データのとりまとめですが、そこで見ると、12歳の有病率はフランス61%、デンマーク40%、ノルウェー52%、カナダ64%に対し日本は11歳で58%です。 あれ?良くはないですが最悪ではないですね。 そして虫歯の実態調査では「ある年齢階層のあるべき歯の数に対して何本虫歯があるのか?」という割合が重視されており、この比較では先の国ではフランス1.9%、デンマーク1.2%、ノルウェー1.5%、カナダ2.1%です。この数字は他の国にもデータがありアメリカ2.8%、スウェーデン0.9%、ドイツ0.5%、フィンランド1.1%となっており、日本は2.4%です。 これを見ると日本はアメリカの次に悪く、最悪ではないもののかなり悪い部類です。 結局日本が虫歯後進国なのかどうか、データでははっきりしませんでしたが、日本人の意識の中で虫歯はなったら治療するもので、なる前に予防するもの、という意識が薄いというのはあるかもしれません。 欧米では、きちんとした大人は定期的に歯科で歯のクリーニングをするのが当たり前のようです。 虫歯有病率は過去の結果がものを言うので、まさにまだ日本が後進国だった時代、50年、60年前の日本の歯科医療レベルが反映されています。 今の子供たちが日頃の予防歯科意識を保てれば、いずれ日本も虫歯先進国になるのは間違いないと思います。