喫煙で遺伝子に多数の変異 肺や喉、がん危険性高める

参考:国立研究センター 臨床 2016年11月4日 (金)配信共同通信社

 たばこを吸う本数が多いほどDNAが傷つきやすく、1日1箱を1年間吸い続けると肺の細胞では遺伝子に150個の変異が生じるとの研究結果を、国立がん研究センターなどの国際チームが4日付の米科学誌サイエンスに発表しました。 変異の数は肺が最も多く、喉、口と続きました。遺伝子の変異はがん発症の危険性を高めるとされ、たばこの影響を部位ごとに詳細に解析したのは初めてです。禁煙の重要性を改めて示しました。 センターの柴田龍弘(しばた・たつひろ)分野長は「変異が起きる仕組みを解明できれば、がんの予防や治療に役立つ」と話しています。 チームは、日本を含むアジアや欧米の5千人以上のがん患者について、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)を解読。患者の喫煙歴を基に1日1箱を吸い続けたときの影響を推計すると、肺は150個、喉頭は97個、咽頭は39個、口腔(こうくう)は23個の変異が1年間に発生し、生涯を通じて蓄積されているとの結果になりました。ぼうこうは18個、肝臓は6個でした。 詳しく調べたところ、変異の起こり方は部位によって違いがあることも判明。肺や喉頭、肝臓などでは、たばこに含まれる発がん物質によって変異が引き起こされていましたが、ぼうこうや腎臓では発がん物質と関係なく変異が起きていました。ぼうこうや腎臓では、喫煙の影響で細胞のDNAを修復する働きに異常が生じた可能性があるといいます。

喫煙:遺伝子変異増加 長く多く吸う人ほど蓄積 がんセンター

臨床 2016年11月4日 (金)配信毎日新聞社

喫煙:遺伝子変異増加 長く多く吸う人ほど蓄積 がんセンター 世界約5000人のがん患者の遺伝子データを解析し、たばこを多く、長く吸う人ほど遺伝子に突然変異が起きることが分かったとの研究成果を、国立がん研究センターや理化学研究所など日米英韓の研究チームが、4日付の米科学誌サイエンスに発表しました。細胞ががん化する原因とされる遺伝子の突然変異が、たばこの化学物質によって誘発されることが明らかになりました。 チームは、17種類のがん患者5243人を対象に、たばこを吸う人と吸わない人で遺伝子に違いがあるかを解析。その結果、肺、喉頭、口腔(こうくう)、膀胱(ぼうこう)、肝臓、腎臓のがんは、喫煙者の方が遺伝子の突然変異が多いという結果でした。最も多い肺がんでは、毎日1箱(20本)を1年間吸うと150個の突然変異が蓄積すると推計されました。 詳しく調べると、肺、喉頭、肝臓のがんは、たばこの化学物質が突然変異を直接起こし、咽頭(いんとう)、口腔、食道、膀胱、腎臓のがんも、直接ではないものの喫煙が突然変異を誘発していました。通常、遺伝子の突然変異は自然に修復されるため、大量に蓄積することはありません。

喫煙→肺の遺伝子変異 がん、よりなりやすく 国際研究班

臨床 2016年11月4日 (金)配信朝日新聞

肺がんになった喫煙者でみると、毎日1箱のたばこを1年間吸うことで、肺の細胞の遺伝子に突然変異が平均で150カ所できているとする推計を、日本など4カ国の国際共同研究グループがまとめました。4日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載されます。 遺伝子の突然変異が修復されずに蓄積していると、がんになりやすいといいます。 研究グループは、がん患者5243人分の全遺伝情報を解析。17種類のがんについて、喫煙者と非喫煙者で遺伝子変異の数などを比較しました。 その結果、肺がんの一部、喉頭(こうとう)がん、口腔(こうくう)がん、膀胱(ぼうこう)がん、肝臓がん、腎臓がんで、喫煙者の患者は変異の数が統計学上明らかに多いという結果でした。毎日1箱を1年間吸った場合に蓄積する遺伝子変異の数の平均を推計すると、150カ所の肺がんが最も多く、ほかには喉頭がん97、口腔がん23などでした。 研究に参加した国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野の柴田龍弘・分野長は「がんの予防には禁煙が重要なことが改めて示された」としています。