禁煙の手前?たばこハーム・リダクションって?

参考:m3.com

健康のため禁煙したほうがいいのはわかっていても、禁煙する意思のない・できない人がたくさんいます。 そうした現状のもと、喫煙がもたらすリスクを低減した代替品を提供すべきという「たばこハーム・リダクション」という考え方があります。 この考えを提唱するジョンズ・ホプキンス大学医学部教授のジャック・E・ヘニングフィールド博士と長年禁煙治療に取り組んできたAOI国際病院副院長の熊丸裕也先生にたばこハーム・リダクションについてうかがいました。 ― 禁煙外来を訪れる方のうち、禁煙に失敗する方もいるのでしょうか。 熊丸先生  私はこれまで禁煙外来で400人以上を治療してきました。そのうち、短期的に禁煙に成功したのは約7割です。 しかし、治療開始後1年以上禁煙を継続できるのは約3割ぐらいの人です※1。 実際、m3.comが行ったアンケートでも、回答した医師会員の約60%が禁煙を成功させることは難しいと感じているようです。
ヘニングフィールド博士  禁煙できない理由はさまざまですが、どうしてもたばこをやめられない人たちにはできるだけリスクの少ないニコチン製品の提供が必要です。 これを「たばこハーム・リダクション」と呼んでいます。
ジャック・E・ヘニングフィールド博士 ジョンズ・ホプキンス大学 医学部(精神医学・行動科学)教授
ジャック・E・ヘニングフィールド博士 ジョンズ・ホプキンス大学 医学部(精神医学・行動科学)教授
 
  ― たばこハーム・リダクションとはどのようなコンセプトでしょうか。 ヘニングフィールド博士  ハーム・リダクションとは害を及ぼす行為そのものを阻止するのではなく、その行為によって引きおこされる害を減らそうという考えです。 たとえば、交通事故の原因になるからといって自動車の運転をやめるのではなく、事故を予防するためにシートベルトやエアバッグを自動車に整備することです。 風邪をひかないように手を洗う、HIVに感染しないようにコンドームを使用するなど公衆衛生の政策の基本的な考え方でもあります。
熊丸裕也先生 AOI国際病院 副院長/健康管理センター長 循環器専門医・禁煙外来
熊丸裕也先生 AOI国際病院 副院長/健康管理センター長 循環器専門医・禁煙外来
たばこも同様で、ニコチンには依存性があるものの、喫煙関連疾患の主な原因は、紙巻たばこのように燃焼に伴って発生する有害物質だと考えられています。 もちろん禁煙するのがいちばんいいのですが、どうしてもやめられないのならば、喫煙による健康被害を減らすような選択肢を喫煙者に提供すべきだと考えます。 熊丸先生  正直私もせっかく禁煙に成功できた人のうち約7割がまた紙巻たばこを喫煙し始めてしまうことをとても残念に思っていました。 このような現状から、欧米で公衆衛生を支える政策の一部としてたばこハーム・リダクションが取り入れられていることを知り興味を持ちました。   ― たばこハーム・リダクションによりどのような取り組みがされ、どのような成果が出ているのでしょうか。 ヘニングフィールド博士  スウェーデンでは、1960年代から紙巻たばこに代わり「スヌース」が登場しました。 燃焼を伴わない代替品を普及させることで20世紀末には、歴史上初めて肺がんの罹患率を減少することができました(スヌースを受け入れた男性群)※2。 たばこによる健康被害を減らすためには国を挙げてたばこハーム・リダクションに取り組む必要があります。 熊丸先生  日本では禁煙すべきという考えが根強く、新しい考え方としてのたばこハーム・リダクションはまだ十分に浸透していません。ですから、その考えの基に喫煙対策を検討している医療従事者も少ないようです。   ― たばこハーム・リダクションに基づいて今後はどのような施策がとられていくのでしょうか。 ヘニングフィールド博士  英国では、2016年7月、英国保健省と12の公衆衛生団体が、明確で強力な、電子たばこに関する共同声明を発表しました※3。 そこには、電子たばこが紙巻たばこの喫煙に比べ格段に害が低減されていること、大切なのは生命を救うこと、そして喫煙は英国において最も人を死に至らしめるものとの記載があります。 禁煙が最善としつつも、すぐに禁煙できない喫煙者に紙巻たばこからの切替えを促すべく電子たばこについて最新の情報を提供していくと記載されています。 従来の紙巻たばこが、どれくらいの速さ、規模で、これらの燃焼を伴わない製品に取って代わられるかは、これらの製品がどのように規制されるかにかかっています。 多くの喫煙者が紙巻たばこから燃焼を伴わない製品に移行するようバランスのとれた規制が必要です。例えば英国のように公衆衛生の専門家が科学的エビデンスに基づいた前向きな情報を提供することが重要だと思います。 熊丸先生  現時点では日本の医学会でもあくまで禁煙を推奨すべきとの考えが強いと思われ、たばこハーム・リダクションには慎重な向きもあります。 また、今後の推移を長いスパンで見ていく必要を感じています。同時に、加熱式たばこのような燃焼を伴わない製品に関して今出ているデータや科学的エビデンスを医療従事者の方々が理解していることが重要だと考えています。   ― 「完全に禁煙するのが最良だが、現実問題として禁煙できない・しない人」に対し、どのような対応を取るのがよいと考えられますか。 熊丸先生  アンケートに答えたm3.comの医師会員のなかでは、46%が「完全に禁煙しないと意味がない」と答えた反面、44%が「完全に禁煙できなくても、少しでも喫煙量・頻度を減らすことに意味がある」と答えています。 ヘニングフィールド博士  禁煙するにこしたことはないのですが、できない人にとってはたばこハーム・リダクションの考えを浸透させることでリスクを減らせるはずです。あらゆる手立てを使って緊急に進めるべきです。 熊丸先生  実際、アンケートでも、70%以上の回答者が、「現実問題として禁煙できない・しない人向けにリスクの低減された代替品が存在する」ことを肯定的に思っているようです。 日本でもたばこハーム・リダクションの考えが早く認知・理解され、燃焼を伴う紙巻たばこの代替となる加熱式たばこのような製品が選択肢として推奨される社会になることを願っています。 ※1 第2回調査:中医協 診療報酬改定結果検証部会 調べ 2009年11月 ※2 JACK E HENNINGFIELD/KARL O FAGERSTROM. Swedish Match Company, Swedish snus and public health: a harm reduction experiment in progress?. Tob Control 2001;10:253-257 ※3 E-cigarettes: a developing public health consensus Joint statement on e-cigarettes by Public Health England and other UK public health organisations July 2016 https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/534708/E-cigarettes_joint_consensus_statement_2016.pdf[PDF:100 KB]  
加熱式たばこ「プラットフォーム1」のリスク低減可能性についての科学的実証
 フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、紙巻きたばこから加熱式たばこに切換えることで、喫煙関連疾患を引き起こすリスクが低減するかどうかを実証するために、広範囲な科学的研究を続けています。 加熱式たばこ「プラットフォーム1」の仕組み 紙巻きたばこの喫煙は依存性があり、様々な重大疾患の原因となっています。 紙巻きたばこに火をつけると、燃焼温度は800度以上になります。この燃焼による高温で、多くの化学反応が生じ、有害成分を含む数多くの化学物質が発生します。 一方、加熱式たばこ「プラットフォーム1」は、内蔵されているマイクロチップにより正確に温度をコントロールし、たばこ葉を燃やさず300度以下で加熱することで、紙巻きたばこと比べて、有害性成分の量を低減しています。  有害性成分の低減 機械での成分測定によると、紙巻きたばこ(実験用標準紙巻きたばこ(3R4F))の煙に含まれる有害性成分のレベルを100%とした場合に、加熱式たばこ「プラットフォーム1」から発生する蒸気に含まれるレベルは、平均して90%以上低減していることが分かっています。 出典:PMI Research and Development ※ カナダ保健省の喫煙方式(1回の吸い込み55mL、1回の吸い込み2秒、次に吸い込むまでの間隔30秒)でエアロゾルを採取1本ごとの比較。ニコチン、グリセリン、全粒状物質は低減の計算から除外しました。  有害性成分への曝露の低減 さらに、日本の成人喫煙者160名に被験者として参加してもらった曝露低減の臨床試験によると、紙巻きたばこの喫煙を続けた成人喫煙者と比較して、加熱式たばこ「プラットフォーム1」に切替えた成人喫煙者は有害性成分への曝露が大幅に低減しており、試験期間中禁煙した成人喫煙者の低減度合と近似していることが分かっています。 出典:PMI Research and Development Clinicaltrial.govに登録: NCT01970995 ただし、長期的臨床試験を現在継続中であり、このデータだけで、リスク低減を示唆あるいは主張することはできません。  ニコチン薬物動態試験 さらに、紙巻きたばこの代替として、製品が成人喫煙者に受容されるかどうかを測るために、ニコチン薬物動態試験も実施しました。 紙巻きたばこと加熱式たばこ「プラットフォーム1」をそれぞれ1本ずつ使用してから計測した、血中最大ニコチン濃度とそこに達するまでの時間は、非常に近似していることが見てとれます。また、24時間の経過の中で血中に曝露されたニコチン総量についても両製品は近似しています(曲線下の血中薬物濃度面積として示されます)。 出典:PMI Research and Development Clinicaltrial.govに登録: NCT01959607  まと すべての臨床試験が完了しておらず、これらのデータのみで加熱式たばこ「プラットフォーム1」の使用者のリスク低減を断言することはできません。しかし、これらは紙巻きたばこに比べてリスクを低減する可能性を示すものであり、加熱式たばこ「プラットフォーム1」はリスクを低減する可能性のある製品であると考えています。 RRP 「リスクを低減する可能性のある製品」は、当社において、紙巻きたばこの喫煙に比較して、個人のリスク及び広く公衆衛生の観点からみた社会全体の健康への悪影響(害)を低減する可能性がある製品を指して使う言葉です。PMIのRRPは開発や市販化の様々な段階にあり、紙巻きたばこの喫煙の煙と比較して、含まれる有害性成分への曝露が減り、最終的には疾患のリスクを低減するという訴求(claim)ができるかどうかを検証するため、広範かつ十分な科学的研究を実施しています。そのような訴求をするに当たり、得られたすべての科学的研究結果を基に、有害性成分への曝露あるいはリスクの低減を実証するかどうかを検証していきます。また、そのような訴求は、管轄当局の承認を得ることが必要になる場合があります(例:現状のアメリカ合衆国)。
Dr.堤より 加熱式タバコは、世界各地で、発火事故で、ポケットに入れていて、火傷したり、カバンが燃えたり、事故が起きていますし、発ガン性もあるので、きっぱり止めることが大事だと、僕は思う。覚せい剤と同じで、しっかりニコチン剤を使って、脱感作していくしかないです。 そうでないと、ミュージシャンのアスカと同じことに・・・