禁煙の居酒屋「いいね!」…成人病センター研究員、受動喫煙防止へ紹介サイト

参考:2016年12月15日 (木)配信読売新聞

 他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の被害防止へ、大阪府立成人病センターの研究員が、全面禁煙を決めた居酒屋やバーをフェイスブックで紹介する取り組みを進めています。 国は受動喫煙の対策を呼びかけていますが、客離れの不安から飲食店では遅れています。「努力する店を応援したい」と意気込んでいます。 同センターでがん対策を研究する主任研究員の伊藤ゆりさん(39)。受動喫煙は、がんや脳卒中になるリスクを高めます。特に肺がんのリスクは、受動喫煙しなかった人の1・3倍になるとの研究もあるといいます。 しかし、全国飲食業生活衛生同業組合連合会(東京)が2012年に全国の飲食店を対象に行ったアンケートでは、全面禁煙にしている店は居酒屋では2・6%にとどまっています。 こうしたことから、伊藤さんが昨年10月、フェイスブックで全面禁煙の店を紹介するサイトを開設。仏のガイドブック「ミシュランガイド」をまねて、「ケムラン~美味しい禁煙飲食店~」と名付けました。 店は、伊藤さんが同僚との飲み会や出張などの度に探して回り、関西を中心に、東京、北海道なども含め計約50店を見つけました。店名や料理を紹介し、「海外は飲食店禁煙が当たり前」などと、ひと言添えています。来春には一般の人からの投稿も募る計画です。 立ち飲みの居酒屋「 百足家」(大阪市北区)は今年6月、全面禁煙にし、10月、サイトに掲載されました。 たばこが吸えず帰ってしまう客もいましたが、女性客は増えたといいます。「立ち飲みでも高級感のある店にしたかった」と店長の高田礼央さん(32)は掲載を喜んでいます。 地ビールを提供するバー「ビアベリー天満」(同)も全面禁煙にして紹介されました。オーナーの八幡康斎さん(43)は「ビールの香りを大事にしたいから、たばこのにおいはずっと気になっていた」と語っています。愛煙家のために店外に喫煙場所を設けています。 伊藤さんのサイトには連日、「たばこの煙やにおいを避けて逃げ出すことしかできなかったが、希望が生まれた」など歓迎の声が寄せられています。 ただ、全面禁煙の居酒屋はまだ少数派。大阪市内のある焼き鳥店は「店に長居してもらうには喫煙できる環境が必要。禁煙にすれば確実にお客さんが減り、経営が成り立たない」と打ち明けます。 伊藤さん自身、かつて喫煙者だったといいます。「たばこを楽しむ権利はあるが、周りの人をリスクにさらしてはいけない。努力しているお店を少しでも応援できれば」と話しています。