厚労省で第8回「医療計画の見直し等に関する検討会」が行われ、「歯科医療機関の役割」が明確に明記

参考:2016/12/12 Dentwave.com

医療計画の見直し:歯科以外の構成員から“歯科項目への指摘”続く

11月7日、厚労省で第8回「医療計画の見直し等に関する検討会」が行われました。第7次医療計画の「医療計画作成指針」及び「5疾病・5事業及び在宅医療整備体制構築に関する事項」等の、見直しが必要と考えられる事項を中心に意見のまとめが行われました。「医療計画全体に関する事項」の中で、以下のように「歯科医療機関の役割」が明確に明記されています。 「地域包括ケアシステムの構築を進める上で、歯科医療機関は地域の医療機関等との連携体制を構築することが重要である。特に近年は口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防につながるなど、口腔と全身との関係について広く指摘されていることから、入院患者や在宅等で療養を行う患者に対して、医科歯科連携を更に推進することが必要となる」。また「5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれの医療連携体制に関する事項」では、がん治療の合併症の予防や軽減のための周術期の口腔管理に係る医科歯科連携や、患者の生活の質の向上を図るための支援を推進する」「周術期口腔機能管理料を算定している医療機関数及び算定回数の指標見直し」としました。 その上で、脳卒中に対して「誤嚥性肺炎予防のために嚥下機能維持・改善のためのリハビリテーションや、清潔保持のために口腔ケアの実施等に医科歯科連携等の合併症予防の取組を推進する」。糖尿病に対しても指標の見直しとして「糖尿病網膜症や歯周病の発症率」も掲げられました。在宅医療に関しても「歯科訪問診療料を算定している診療所・病院数」が指標見直しに挙げられました。 歯科代表の佐藤保構成員(日歯副会長)からは「合併症に係る歯科の問題として、その効果・データなども重要であり、それは以後への有効活用の参考になるはず。是非、この点も留意しておいてほしい。特に、注目されている口腔ケアについて、他の職種専門家への理解とその活用につながると思われる」と指摘しました。この点については他の構成員からも「最近は歯周病と糖尿病との関係、糖尿病予防などが指摘されており、歯科からの議論も重要」「合併症のケースも指摘されたが、改めて口腔ケアの機能が注目されている。大事にしてほしい」と歯科関連への指摘・認識を示していました。 今までの歯科医療と同時に他科との連携や院外での活動が問われてきます。特別にこの領域に関心のある歯科医師・歯科診療所が実施する診療スタイルから、歯科診療の在り方を構築することになります。都市部・地方とではその環境の相違があり、中には歴然な違いに戸惑いと困惑を生じることも受け入れて体制構築が求められます。“連携”の実態は臨床的に様々であり、議論がまだまだ十分でない点もあることが現実だと思われます。今後の課題という問題意識は必要のようです。 全体の議論では、今回も構成員から改めて「医療と介護の連携を推進する観点からは、地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業を担う市区町村との連携が重要。連携にあたっては地域の医療に精通した医師会等との連携や保健所の活用により、介護や福祉を担う市区地町村への支援を行っていく視点が必要」と強調されました。今までの議論でも、医療・介護・看護などの専門職への理解・啓発・普及が図られますが、同時にこのことは専門家が所属する組織間の連携や情報共有を意識して改善していくことが必要だと主張されていました。 高齢化に伴い増加する疾病への対応もクローズアップされ、最近の動向・情勢を踏まえて「ロコモティブシンドローム、フレイル、肺炎、大腿骨頸部骨折等について、医療計画に記載すべき5疾病に加えることはしないものの、その対策について他の関連施策と調和を取りながら、疾病予防・介護予防等を中心に、医療・介護が連携した総合的な対策を講じることが重要」と明記されました。 【構成員名簿】座長=遠藤久夫・学習院大学教授、座長代理=田中滋・慶大名誉教授、相澤孝夫・日本病院会副会長、安部好弘・日本薬剤師会常任理事、市川朝洋・日本医師会常任理事、伊奈川秀和・全国健康保険協会理事、今村知明・奈良県立医科大学教授、尾形裕也・東大政策ビジョン研究センター特任教授、加納繁照・日本医療法人協会会長、斉藤訓子・日本看護協会常任理事、櫻木章司・日本精神科病院協会理事、佐藤保・日本歯科医師会副会長、西澤寛俊・日本病院協会会長、野原勝・岩手県保健福祉部副部長、本多伸行・健康保険組合連合会理事、山口育子・ささえあい医療人権センターCOML。