ある己がたり

参考:Prem SheelさんのFacebook 2017/2/5

ある村に ひとりの貧しい少年がいました。 乞食の息子でしたが、 若くて健康そのものでした。 若さと力にありあまっていたので、 領主が象に乗って村を通り過ぎるときに 彼がその尻尾をつかまえると、 象は動くことが できなくなるほどでした。 時には領主には たいへんきまりの悪いことになります。 というのも、 彼は象の上に坐ったままで、 そのまわりを市場にいる人々が 皆取り囲んでは大笑いするからです。 それもひとりの乞食の息子のために! 領主はとうとう 宰相を呼んでこう言いました。 「なんとかできないものか。 これは侮辱だ。 わしはあの村を通るのが 怖ろしくなった。 ところがあの少年は ほかの村にも現れるのだ! どこであろうが、 いつ何時であろうが、 あれが象の尻尾をつかまえると 象は動けなくなる。 あの少年は強い。 なんとかして あのエネルギーを消耗させてくれ。」 宰相は言います。 「賢者のところへ行って 相談しなければなりますまい。 私にはどうやって あの少年のエネルギーを うばい取ったものかわかりませぬ。 あれはただの乞食 もし店でも持っていたら それがエネルギーを 消耗させましょう。 もし机で事務仕事でもしていたら それがエネルギーを からにしましょう。 小学校の教師ででもあったら エネルギーも枯れましょう。 ところが彼は することがないのです。 遊んで生きているのです。 それに村人たちは あれを可愛がっていて ちゃんと食べさせるものですから、 食べものには事欠きません。 食べて寝て、 嬉しく生きているのです。 だからこれは むつかしいことになりましょうが、 とにかく行ってみましょう。」 というわけで宰相は 年老いた賢者のところに出向きました。 その賢者は話を聞くとこう言います。 「ひとつこれをやるがいい。 行ってその男の子に、 もし簡単な仕事をしたら 毎日1ルピーの金貨を与えると 言いなさい。 それはまったく小さな仕事だ。 村の寺院に行って ランプに火をともすだけのこと。 夕暮れになったら 行ってランプの火をともす。 それだけの仕事だ。 そしておまえは毎日1ルピー金貨を 一つその子にあげるだけでいい。」 宰相は訊きました。 「ですが、 それがどう役立つのです? これではあの少年をますます エネルギッシュにしてしまいませんか? 1ルピーもらったら 彼は前よりたっぷり食べるでしょうし、 物乞いすることもしなくなるでしょう。」 すると賢者は言いました。 「心配することはない。 ただ言う通りやってみなさい。」 その通りのことが為されました。 それから次の週、 また領主が村を通り過ぎました。 少年は象を止めようと 尻尾をつかまえます、 が、 彼は失敗しました! 彼は象に引きずられていきました。 いったい何が起こったのでしょう? 気がかりが入りこんだのです。 彼は1日24時間、 毎夕あの寺に行って 火をともすことを 覚えていなくてはならなくなりました。 それが気がかりとなり、 彼の存在全体を分割しました。 眠っているときでさえ 彼は夕暮れになった夢を見始めました。 何をしてるんだ。 早く行って火をともし、 1ルピーもらってこい。 そのうち彼は金貨を集め始めました。 7枚になりました、今日で8枚です。 そうなると彼は、 何日たったら金貨は百枚になるだろう、 そしていつかは二百枚になるだろうと 計算し始めます。 数学が入りこんで遊びは失われました。 彼がしなければならなかったのは ほんの小さなことです。 ただ行って火をともすだけのことです。 たった一分の仕事、 いや一分どころか 一瞬のうちにできる仕事でした。 だがそれがひとつの 気がかりとなりました。 それは彼を消耗させ そのエネルギーをうばい取りました。 もしあなたが消耗しているとしたら 人生が面白く楽しくないのは 不思議ではありません。 あなたがたには たくさんの寺があって 火をともしたり 消したりするランプは無数にあります。 生きていく上でする計算は 無数にあります。 それが楽しみ、 遊びであるはずがありません。 ・・・ 分裂しているときには あなたは無力になります。 分かたれていずに まとまっているときには あなたは力強いです。 欲望はあなたを分裂させます。 瞑想はあなたに一体性をもたらします。 欲望はあなたを未来に連れていきますが、 瞑想はあなたを現在に連れ戻します。 このことを結論として 覚えておきなさい。 未来に動いてはならないと。 自分の思考が 未来に動いていってるのを 感じる時には、 いつでも、 即座に 現在に飛んで戻っておいで。 その思考を 完成しようとしてはなりません。 マインドが未来にいっている、 欲望のなかに入っていってると 思った瞬間、 それに気づいた瞬間、 ただちに 現在に飛び戻ってくることです。 家にいなさい。 あなたは現在を失います。 くり返しくり返し、 あなたは現在を取り逃がします。 それが長い間の習慣に なっているからです。 しかし遅かれ早かれ もっと長く 家にいられるようになります。 そうなったら 生は楽しみになります。 遊びになります。 そしてエネルギーがあり余って あなたはあふれ流れだします。 活力の洪水です! その洪水こそ至福です。 無力で消耗していては 歓喜にあふれることはできません。 どうやって踊ることができましょう? 踊るためには、 無限のエネルギーが必要です。 消耗していてどう歌えましょう? 歌うことはあふれることです。 今のあなたがたのように死んでいて、 どう祈れましょう? 全面的に活き活きと生きてこそ はじめて感謝がハートから湧き上がります。 その感謝こそ祈りです。 Osho – The Empty Boat