医師の喫煙率減少、男性10.9%、女性2.4%

参考:2017年2月16日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

日医調査、男性最多は泌尿器科、診療科で相違

日本医師会が2016年に日医会員を対象に実施した喫煙意識調査によると、喫煙率は男性医師10.9%、女性医師2.4%で、2000年の調査開始以来、着実に減少しており、一般国民と比べても喫煙率が低いことが明らかになりました。ただし、男性医師では診療科により喫煙率には有意差が見られ、最も高い泌尿器科では17.5%、最も低い呼吸器科では3.5%でした(資料は、日医のホームページ)。 喫煙に関連する要因は、飲酒頻度が多く、運動習慣がない、幸福度が低いなどが挙げられました。医師は患者に禁煙を指導する立場にありますが、「医師は立場上、喫煙すべきではない」「患者は喫煙すべきではない」との回答が、男性医師と女性医師ともに年々増加しているものの、禁煙指導には、「時間がかかる」「患者が初めから指導を拒否している」「(患者が)喫煙問題について、十分な教育を受けていない」などの問題が伴うことも明らかになっています。
第5回「日本医師会員喫煙意識調査」を説明する、日医副会長の今村聡氏。
第5回「日本医師会員喫煙意識調査」を説明する、日医副会長の今村聡氏。
2月15日の定例記者会見で調査結果を公表した、日医副会長の今村聡氏は、「国民平均よりも、医師の喫煙率は低い。個人的な感想だが、喫煙は嗜好と依存の問題を伴うが、医師は禁煙を指導する立場であり、できれば喫煙率はゼロであることが望ましい」とコメントしました。喫煙意識調査は2000年以降、4年に1回実施しています。今村副会長は、「喫煙率の減少幅が若干減少しており、今後、喫煙率がプラトーになるのを懸念している」とも付け加えました。 政府は、受動喫煙防止法の制定を目指しています。ただし、自民党の厚生労働部会では、反対意見や例外規定を設ける声が根強いです。2月15日の同部会で受動喫煙防止対策のヒアリングを受けた今村副会長は、「これまでは、たばこ農家や販売業者、飲食店などの声を聞くことが主になっていたと思う」と指摘、患者や小さな子どもを持つ家庭など、禁煙を望む立場へのヒアリングは行われていなかったとし、日医としては受動喫煙防止を求めていく方針を示しました。医療機関については、例えばホスピスなどでの喫煙を認める声もありますが、今村副会長は、「完全に分煙ができる条件であれば、認めることもあり得る」としつつ、例外規定が多いと法律が形骸化する懸念があるとしました。 第5回「日本医師会員喫煙意識調査」は、2016年1月から7月にかけて実施。日医会員から男性医師6000人、女性医師1500人を抽出、うち入院等の医師を除き、7218人に調査票を発送、5678人(78.7%)から回答を得ました。うち年齢や性別、喫煙状況が不明な95人分を除き、5583人(77.3%)の回答を解析。主な結果は以下の通りです。

◆「日本医師会員喫煙意識調査」の主な調査結果

  • 喫煙率は、4年に1回の本調査で毎回減少、男性医師(2000年27.1%→2016年10.9%)、女性医師(同6.8%→2.4%)。喫煙率の減少は、男性医師では、ほぼ全年齢、全診療科で観察された。ただし、男性医師では喫煙率の最多は泌尿器科(17.5%)で、耳鼻咽喉科(15.3%)、精神科(14.3%)と続き、一方、最低は呼吸器科(3.5%)で、次が循環器科(8.4%)、小児科(8.7%)など。
  • 男性医師における喫煙に陽性に関連する要因は、飲酒習慣、運動習慣、メンタルヘルス(日常生活が楽しくない、大きいストレス)、不幸せ感・日常生活満足度。
  • 喫煙に対する考えは、「医師は立場上喫煙すべきではない」(男性医師79.7%、女性医師81.8%)、「患者は喫煙すべきではない」(同59.4%、63.2%)。
  • 禁煙指導における障害は、「時間がかかる」(男性医師51.8%、女性医師48.7%)、「カウンセリングが診療報酬で保証されていない」(同23.4%、22.2%)、「患者が初めから指導を拒否している」(同17.5%、28.8%)、「喫煙問題について十分な教育を受けていない」(同12.4%、18.1%)など。
Dr.堤より 日医調査、男性最多は泌尿器科、診療科で相違