自民議連「禁煙より分煙」 現状追認の対案 受動喫煙対策は骨抜きだ。

参考:2017年3月8日 (水)配信 朝日新聞 2017年3月8日 (水)配信 毎日新聞社

 厚生労働省が検討している受動喫煙防止策を罰則付きに強化する法改正案をめぐり、自民党の「たばこ議員連盟」(会長=野田毅・前党税制調査会長)は7日、飲食店は禁煙・分煙・喫煙から自由に選べ、表示を義務化する「対案」を公表しました。「世界最低レベル」(世界保健機関)とされる日本の現状を追認する内容。政府・与党内の調整は見通しが立たず、厚労省は法改正案の10日の閣議決定をひとまず断念しました。 同議連は、たばこ業界の発展と販売者の生活を守るため、衆参約280人の国会議員が所属、この日の臨時総会には100人以上が参加しました。議連案は基本理念として、「喫煙を愉(たの)しむこと」「受動喫煙を受けたくないこと」はともに国民の権利だとして分煙を推進、小中高校や病院でも喫煙専用室を認めています。 厚労省案は小規模なバーなどを除き、飲食店は原則屋内禁煙ですが、野田会長は「(厚労省案を)このまま通すわけにはいかない。生計の基盤を損なわれてしまいかねない関係者は多い」と話しました。 たばこ議連の対案公表を受け、厚労省は同日夕、会見を開きました。担当者は「対案では対策は不十分だ。子どもや、がん・ぜんそくの患者、国民の8割を超える非喫煙者の健康が、喫煙者の喫煙の自由よりも後回しにされている現状が変わらない」と訴え、「(厚労省案を)ご理解をいただけるようにしっかりと説明をしていきたい」と話しました。(竹野内崇宏、黒田壮吉)

【神奈川】受動喫煙防止条例 飲んべえの街、煙る線引き 「一律に禁煙」期待の声も

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて厚生労働省が受動喫煙対策の強化を目指しています。1日公表された厚労省案は、小規模なバーやスナックなどを禁煙の例外としましたが、業界の要望を受け、例外を居酒屋や焼き鳥屋などにも広げようとする動きもあります。10年に全国で初めて受動喫煙防止条例を制定した神奈川県の実情はどうなのでしょうか。居酒屋密集地を歩きました。【山田泰蔵】 議論の焦点となっている小規模な居酒屋数百店が軒を連ねる横浜市中区の野毛地区。戦後の闇市から発展し、地元では「飲んべえの聖地」としても知られています。 「たばこ吸えない酒場なんて酒場じゃないよ」。先月末の夕方、野毛小路の店で順番待ちの列にいた「飲んべえ」の一人はたばこをくゆらせ、そう話しました。 通り沿いの各店には、入り口に「喫煙できます」などと10センチ四方のシールが貼られていました。県条例では利用者が自ら受動喫煙を避けられるよう店頭に「喫煙」「分煙」「禁煙」などの表示が義務付けられています。 通りに沿って3ブロックの飲食店約30店舗を調べると半数が「喫煙可」。「分煙」が2店舗。残りは表示がありませんでした。「禁煙」の表示は見当たりませんでしたが、店頭に灰皿を置き、店内を禁煙にしているワイン居酒屋が2軒ありました。 4年前の開店当初から店内禁煙にしている漁師料理「蛤覚(はまかく)」の田中昭博店長は入店時に必ず「たばこ吸われますか」と尋ねます。当初は店内禁煙を伝えると引き返す人もいましたが、最近は禁煙だから通うという常連も多いです。田中さんは「煙を吸わない権利もある。吸える店も吸えない店もあっていいのでは」と話します。 半世紀以上続く老舗海鮮居酒屋には喫煙マークがありました。記者が席に着くとすかさず灰皿が用意されました。女性店長は「喫煙可だけれど、紳士は外に行って吸いますよ。昔は店内がモクモクしていたけど、もう時代が違う」と笑います。本当は禁煙にしたいが自分の店だけではやりづらい。「一律にダメと法律で決めてくれたらいいのに」と政府の動きに期待します。 一棟の長屋に立ち飲み屋や鉄板焼き屋などがひしめく「野毛たべもの横丁」のある店長は「客の半分はたばこを吸う。吸えなくなったら来なくなる」と商売への影響が心配です。一方で「タクシー内の禁煙と同じように、数年たてば当たり前に思うようになるのかな」とも感じています。 長屋の中は店ごとの仕切りがない。厚労省が例外として喫煙を認めているスナックも同居しています。厚労省案通りになれば、対応を巡り混乱する恐れがあります。

◇県条例は「分煙」許容 「吸える権利」に前知事反省

神奈川県条例は、厚労省案よりも緩く、禁煙か分煙かを選択できます。 しかも、調理場を除く延べ床面積が100平方メートル以下の店舗は対象外。規制されるのは同県内の飲食店全体の約3割にとどまります。 厚労省案では規制対象となる大規模居酒屋店が多い横浜駅西口の繁華街。雑居ビルに入る居酒屋の看板が立ち並ぶが、「禁煙」や「喫煙」の表示はほとんど見られません。客引きの男性は「どこも分煙ですから一緒ですよ。居酒屋で全面禁煙は珍しいのではないですか」と話します。 神奈川県によると、大規模飲食店9304店を調査したところ、16年3月末時点で禁煙は過半数の5061店、分煙は約2割の1958店でした。担当者は「居酒屋など業態別の割合は不明だが、全体として禁煙店が多く、他よりも受動喫煙対策は進んでいる」と自負します。 一方、面積で線を引き、「分煙」も許容する県条例は全面禁煙への道を遠ざけるとの評価もあります。 条例制定時に知事だった松沢成文参院議員は「吸える権利になってしまった」と反省の弁。「面積での規制は受動喫煙の嵐になる。規制対象から外れても努力義務はあるが、ほとんど守られない。酒を出す業態は『どんどん吸ってくれ』となる」。より強い規制を求める超党派議員連盟の幹事長に就任しました。

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■ことば
◇神奈川県受動喫煙防止条例 受動喫煙の防止を目的に飲食店や官公庁など屋内施設内での喫煙を規制した条例。2010年4月施行。それまで環境美化や事故防止などを目的に、屋外の喫煙場所を限定したり、歩きたばこを禁止したりする条例はあったが、受動喫煙対策で民間を含む屋内の禁煙規制を定めたのは全国初だった。 飲食店については、喫煙席と禁煙席を分ける「分煙」も認め、バーやスナックなど主に酒類を提供する延べ床面積30平方メートル以下の小規模店以外は原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とする厚生労働省案とは異なっている。禁煙場所での喫煙には過料2万円以下、規制措置を講じなかった施設には同5万円以下が科される。
Dr.堤より これから育ってくる子供達のことを中心に、未来社会を構築する意識が重要だ。現状の認知ではない。