はやく気付いて!のどの老化

参考:2017年12月4日(月) 8時15分~9時55分/1ch NHK総合

あさイチ はやく気付いて!のどの老化

老化のサイン 実は40代から

 食事の時むせたり、急に咳き込んだり、ちょっとした違和感は要注意。40代くらいになるとのどの筋力が衰えてきます。通常、食べ物や飲み物は口から食道に入って胃に運ばれますが、のどが衰えると気管へ誤って入ってしまいます。これを誤嚥と呼びます。誤嚥を繰り返すと起きるのが誤嚥性肺炎で、高齢者の多くを占め、年間約8万人が亡くなっています。さらに40代から発症しやすい脳梗塞が誤嚥を引き起こすことも分かってきました。そこで今回はのどの衰えを食い止める方法を紹介します。

 NHKネットクラブアンケートでは様々な「のど」に関するお悩みが寄せられましたが、3人の専門医と共に解決していきます。

違和感の正体は「筋肉」

 堀井千裕さんは薬を飲む時ののどの違和感に悩んでいました。そこで神戸市にある神鋼記念病院の耳鼻咽喉科医・浦長瀬昌宏医師を訪ねました。浦長瀬医師はのどの違和感を専門に診察する嚥下トレーニング外来を担当。堀井さんののどをチェックしたところ、特に大きな問題はありませんでした。浦長瀬医師によると40歳くらいからのどは衰え始めます。あごにある筋肉が収縮すると喉頭があがり、喉頭蓋が動いて、食べ物などを食道へ流し込みます。筋肉が衰えると、気管に異物が入ってむせてしまいます。筋肉が弱まると唾液ですら飲み込めなくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まってしまいます。

すぐ鍛えよう!飲み込む筋肉

 のどの筋肉を鍛えるには、飲み込む感覚を思い出します。飲み込む力を鍛えると、誤嚥性肺炎予防や、のどの中を綺麗にできます。

 元プロ歌手の玉澤明人さんは、のどトレの達人。ロックから演歌まで様々曲を歌い分ける中で、のどを自在に操れるようになりました。現在の本職はボイストレーナーですが、のどを鍛える教室も開いています。玉澤さんによると、高齢者でも1か月続ければ効果があるといいます。のどトレの方法は、のどぼとけの位置を確認し、水を一口含みます。指でのどぼとけに触れながら水を飲み込んで、のどぼとけが一番上にあがった状態で止めます。この時使っているのが、飲み込む時に使う筋肉。1日5秒を6回やるだけでよいです。

 羽田美智子さんらがのどトレに挑戦。普通に飲み込んでいるだけだと、筋肉は弱まっていくので、のどトレを行えば、むせない飲み込みができるようになります。のどトレを行う場合はお水がよいです。のどを鍛えれば、誤嚥性肺炎を予防することができます。

なぜ気付かない?誤えん性肺炎

 野本悦子さんは今年5月に誤えん性肺炎と診断されました。趣味はウォーキングでジムにも通うなど体力には自信がありました。異変を感じたのは2年前。歩道橋を上った際に、息切れを感じました。症状は咳と微熱で、病院でもかぜと診断されましたが、薬を止めるとすぐにぶり返す、そんな生活が2年続きました。そこで野本さんはいくつも病院を変え、5ヶ所目の池袋大谷クリニックで誤えん性肺炎と診断されました。池袋大谷クリニックの大谷医師によると、野本さんは肺炎のあとが複数見つかりました。高齢者になると免疫力が落ち、熱がでにくいのです。また誤嚥にも気付かない事が多く、気付く事が遅れてしまいました。

 レントゲン撮影しても、小さな誤えん性肺炎は分かりづらいです。高齢者の場合、2週間以上せきが長引いたら、肺炎などを疑った方がいいです。寝ている間に唾液を誤嚥して誤えん性肺炎を起こしてしまう割合は肺炎の中でも多いです。

脳梗塞が誤嚥の原因に

 自覚がないまま誤嚥してしまう原因に脳梗塞があります。野本さんの場合は細い血管が詰まり、自覚症状がほとんどないラクナ梗塞で、せき反射をコントロールする部分の血管が詰まっていました。大谷医師が誤嚥性肺炎患者の脳を調べたところ、ほとんどにラクナ梗塞がみられました。

 ラクナ梗塞の場合、非常に細い血管が詰まるので、まったく症状がなく、治療の必要はありません。繰り返す誤嚥性肺炎の場合、のどの飲み込む筋肉の低下と、脳梗塞を疑った方がいいです。ラクナ梗塞が疑われた場合、さらなる動脈硬化の予防、のどトレが重要です。

誤嚥性肺炎 防ぐには

 40代から誤嚥性肺炎を予防するには、せき反射を促す事と、雑菌を減らす必要があります。せき反射を促すには葉酸が効果的で、大谷医師はブロッコリースーパースプラウトなどが入った「誤嚥予防スムージー」を勧めました。また雑菌を減らすには1日4回の歯磨きがオススメです。