なぜインプラント治療をゴリ推しする歯科医師はダメなのか

参考:女性自身 2018/02/26

 死ぬまでずっと『健康な歯』でおいしいご飯を――。歯科医師の“過当競争”が危惧されるいま、そんな願いをかなえてくれるクリニックはどうやって探しますか?

 「親知らずを除くと人の歯の数は全部で28本。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるといわれています。最新の報告では、80歳になって自分の歯を20本以上持っている日本人が5割を超えたというデータがあります。しっかりケアすれば、80歳で20本以上の歯を残すことは夢ではない時代なのです」

 こう話すのは、歯科医院経営誌『月刊アポロニア21』編集長の水谷惟紗久さん。大人になって歯を失う原因の多くが歯周病。また歯周病は認知症を悪化させることもわかっています。

 「歯周病の病原菌が出す毒素などが、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβという物質を増やすとされています」(以下、コメントはすべて水谷さん)

 もし歯周病が進行して、いよいよ抜歯の選択を迫られたとしても「インプラントがあるから」と高をくくっている人もいるのではないでしょうか。

 インプラントとは、虫歯や歯周病で歯を抜くことになったとき、顎の骨に穴を開け、チタン(合金の場合もある)製に支柱を埋め込み、その上にセラミックの歯をつけて修復する技術のこと。約50年の歴史がありますが、日本でも推進派と、その危険性を懸念する歯科医師に大きく分かれています。なかには「将来インプラント施術はなくなる」とまでもらす歯科医師もいるほどです。

 「最新の患者さん向けアンケートでインプラントにした人のうち、70%以上の人が現状に満足と答えています。ただし施術する歯科医師は慎重に選ぶべきでしょう」

 実は’60年からの10年間で国民生活センターに寄せられたインプラント治療のトラブルは500件を超えています。なかには「付けて1年で歯が取れた」「化膿して膿が出続けている」などの重篤なトラブルも多く報告されています。

 最も注意すべきは、患者に選択肢を示さず、すぐに抜歯やインプラントを勧めるような自分本位の歯科医師でしょう。

 「本来インプラントは患者の顎の骨の厚さから血圧、血糖値など総合的に吟味し、的確な判断のもとで施術すべきもの。たとえ患者が希望しても条件に適合しなければ施術しない歯科医師が望ましい」

 それが強引だったら……。

 「ほかにブリッジや入れ歯という選択肢を提示せず、インプラントだけを勧めるような歯科医師でしたら、すぐにセカンドオピニオンを受けることが賢明でしょう」

 またインプラント1本の価格も10万~100万円と歯科医院によって大きな差があります。

 「安さを売りにしている歯科医院は、価格設定にカラクリがあったり、その後のメンテナンスの体制が十分でなかったりする場合もあります」

 自分の歯を“最後まで”守っていくには、相性のよい歯科医師と歯科衛生士と出会うことが何より肝心。水谷さんは、かかりつけにしたい歯科医師が持つ「3つの条件」を挙げてくれました。

【1】どんな治療を受けたいかよく話を聞いてくれる。

【2】「この歯はいつまでにこうなる」などわかりやすく予測してくれる。

【3】「これをしないと大変なことになる」といった脅し文句は口にしない。

 これから歯を失うことになる最大のリスクは歯周病から。「3つの条件」を参考に、かかりつけの歯科医院を見つけてみてはいかがですか。